フライングスター風水のレメディ(玄空飛星派風水の化殺)とは

 フライングスター風水(玄空飛星派風水)において、「建物内部の悪い気を減じて、良い気をさらに向上させる」ために家具の配置や観葉植物の配置などを調整することを「レメディ(化殺かさつ)」と呼びます。

 要はこの家においてはこの方位にどんな家具、観葉植物などを設置するのが良い、と判断するためのスキームだということで、この記事ではそのレメディ(化殺)について説明します。

 なお、この記事はフライングスター風水(玄空飛星派風水)の基礎理論を把握された方向けの内容となっていますので、よければ「フライングスター風水のあらまし」の記事を読んでいただいた後に読んでいただければと思いますよ。

 建物の向き(坐向)の判断に基づく飛星チャートの特定はこの風水技法において最も大切な要素です。玄関がある方向がそのまま建物の向きになることはないですし、ベランダのある方向がイコール建物の向きでもありません。

 また坐向は原則二十四坐山ではありますがその二十四坐山の境界付近(1.5度+1.5度の説と3度+3度の説あり)に位置するケースにおいては替星チャートという特殊なチャートを考慮する必要が出てくるためチャートの種類は24種類でもありません。

 間違った飛星チャートを基にして化殺を行うことほど事態を悪化させることはありませんのでどうかご注意をいただけたら幸いです。

 それともうひとつ大切なことですが、風水の化殺とは原則として五行理論に基づくもので、いわゆる「風水アイテム」という特殊なアイテムを使う必要性はありません。

 「この状況を改善するためには私たちの販売するこのアイテムを設置するしかない!」というお話は少なくともわたしは理論の上では信じていませんよ。

目次

フライングスター風水のレメディ/玄空飛星派の化殺(かさつ)の基礎知識

 さて、ここからは化殺について書いていこう、、、と思ったのですが、はじめに化殺の理論の根底にある知識についてざっとおさらいを書いておこうと思います。

 以前のこのサイトでも書いた内容も多いので、「知ってるよ!」という方は読み飛ばしていただければ。

吉凶アイテム、吉凶の色、素材等は宅と方位ごとに異なる

 玄空飛星派風水の理論をご存じの方ならば当たり前ですが、建物はその建てられた時期と建物の顔が向く方位によって建物内部の気の流れが各々に異なるとされています。

 そのためどのように化殺を行うことが好ましいのかはその宅ごとに異なります。つまり宅の気の流れを測り間違えた場合には化殺が良い効果を持つどころか、悪い気の流れを増幅させることに繋がります。

 例を挙げればある家においては西にある玄関に観葉植物を置くのが好ましいけれど、別の家においては西にある玄関に観葉植物を置くことは悪い象意を増強することに繋がるということです。

 風水において主に財運を上げるために使用される噴水や水槽なども全く同じで、置く方位を間違えればそれは悪影響を強めるだけの効果しか持ちません。

レメディ(化殺)理論の根底は五行の相生と相剋

 レメディ(化殺)理論の根底には五行思想における相生(そうしょう)と相剋(そうこく)の関係が存在します。五行は万物を五つの属性に分けて考える古代中国の思想で左図は五行相生の関係、右図は五行相剋の関係について書いたものです。

 木は燃えて火を生み火は燃え尽きて土となる。土は身中に鉱物(=金)を宿し、金は結露により水を寄せ付け、水は木を養う。という循環によって万物の中にはお互いを生み出す流れが存在するというのが五行理論における相生の関係です。

 もう一つ、相剋の関係については、木は根を張って土を荒らし、土は土塁となって水をせき止め、水は火を消し、火は金を溶かし、金属で作られたオノは木を切り倒す、とするいわば相手を打ち負かす流れがあるとするものです。

 五行の相生相剋についてもう少し詳しく知りたい方は「陰陽五行思想」の記事をご覧くださいね。

方位ごとの山星・向星がもつ五行の属性とその吉凶、化殺の意味

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五行吉凶意味
中吉学問での成功・子孫繁栄
病・吝嗇(けち)※
事故・盗難
不貞・狂気
大凶突発的な災い・破滅
法的トラブル・事故
スキャンダル・破壊
停滞
大吉成功・結婚
※2については諸説あります。

 「フライングスター風水のあらましについて」の記事に書いたように。その建物の各方位における山星、向星の数は五行の属性を持ち、吉凶の意味はその時期に応じて変化します。

 つまり2024年2月4日以降(第九運期)は9の火、1の水(と2の土)のみがよい数字だということです。

 そうした中で、建物内部を流れる気の流れを正確に判断したうえでその方位ごとに適した家具などの配置を行うことで悪い五行のエネルギーを減じることが化殺だというわけです。

優先すべきは部屋(方位)の使用用途を変えること

 ただし、この化殺を考えるうえでひとつ大切なことなことですが、まずは悪い方位の使用があった場合に検討すべきは「部屋の使用用途を変更できないか」になります。

 玄関やキッチンなどの動かすことができないものは別として、たとえば寝室の方位が悪い、ベッドの頭の方位が悪いなどという結果が出た場合にまずはベッドの位置を移動させることを考える。

 化殺は万能ではなく対処療法に近いものなので、もともとその方位が持つ悪いエネルギーを減じる効果があるとしても、方位そのものの使用用途を変えるほうが効果は大きいわけですから。

化殺(レメディ)は、あくまで部屋の使用用途を変更することができない場合の対処療法です。部屋の用途を変える、就寝する方位を変更できるなどする場合にはそちらを優先させてくださいね。

悪い方位のエネルギーを減じるための「生出」と「剋出」

 ここからは具体的にどのように化殺を考えるのかについてみていきます。まず何より大切な「悪い気を減じる」ことですが、これは大まかに二つの方法があるとされています。

生み出すことで自身の力を弱める「生出(せいしゅつ)」

 「生出」とは自分の五行が生み出す五行を配置することでエネルギーを別の五行を生み出すことに使うことで自分のエネルギーを弱めるものです。

 具体的に言えばたとえば5という数字は大凶とされるもので土の五行に属します。

 土は相生の関係により金を生み出すので、金の五行をその方位に配置することで5の持つ悪い土のエネルギーを金を生み出すことに使わせるというものです。

 同じように6や7といった金のエネルギーが悪さをする方位であれば水の五行を配置して金の悪いエネルギーを弱め、3や4といった木のエネルギーが悪さをする方位ならば火の五行を配置して木の悪いエネルギーを弱めるものがおの生出に該当します。

相手を剋しに行くことで自身の力を弱める「剋出(こくしゅつ)」

 「剋出」とは、自分が剋す五行を配置することで、相手を剋すために自分のエネルギーを消耗するために、剋す主体側の五行は力を弱めるという概念のことです。

 具体的には5の土は水を剋すため、水の五行を配置することによって土の悪いエネルギーを消耗させて減じるということです。

 同じように6や7の金は木を剋すため、木の五行を配置することで金の悪いエネルギーは消耗し、3や4の木は土を剋すため、土の五行を配置することで木の悪いエネルギーを弱めることができるというわけです。

良い方位のエネルギーを高めるための「生入」と「比和」、「剋入」

 では逆に、良い方位のエネルギーを増幅させるために五行を利用することができるのかという答えがこの生入、比和、剋入の3要素となります。

 要は先に書いたその方位のエネルギーを弱める五行以外のものはそれ自身を強めるものになるということですよ。

自身が生み出されることで力を強める「生入(せいにゅう)」

 自身が生み出される五行、と書くとわかりづらいですが、2024年現在(第九運)で最高の運気を誇る数字は9で、9は火の五行に属します。

 火を生み出すものは木です。木の五行を配置することによって火の良いエネルギーを高めることが生入というものだということです。

 同じように1の水であれば金の五行を使用することで己を生み出す五行を配置します。

自身と同じ五行の仲間を配置することで力を強める「比和(ひわ)」

 これはもう言葉そのままです。

 9火の良いエネルギーを高めるならば火の五行を使用する、そのままの話です。

剋されることで対抗して力を高める「剋入(こくにゅう)」

 剋入は少し概念がわかりづらいかもしれません。

 剋入とは、自分を剋すエネルギーを配置されることで「剋される側の五行が剋されまいと対抗してエネルギーを高める」という概念のことです。

 つまり、2024年時点の9の良い火のエネルギーは水の五行を配置されることによってエネルギーを高めるということです。

 同じように1の水は土の五行によって強められると考えます。

※なお、四柱推命などを学んでいる方は剋入の概念にとまどうことがあるかもしれませんが、あくまで玄空飛星派風水の理論の中ではそう扱うものとして認識頂ければと思います。

間違った五行の配置は悪いエネルギーを増幅させる可能性がある

 ここまで読んでいただいた内容でおわかりのように、化殺をする際にはそもそもの坐向と飛星チャートの取り方が間違っていた場合には意図せずに悪いエネルギーを高めてしまう危険性があります。

 一例を挙げれば、北の方位に5の悪い土が巡っていると判断して金を配置することにより生出で土の悪いエネルギーを弱めようとした場合に、そもそも北の方位に7の悪い金が巡っていたとしたならば、悪い7金のエネルギーを比和で高めるという結果になるということです。

 そのため、再々の話になりますが玄飛星派の最も危険な間違いは坐向の判断間違いによって誤った五行の化殺を行うことで逆に悪い星を活性化させてしまうことにありますのでご注意いただけたらとおもいます。

山向星とレメディ(化殺)に使用する五行の対応表

 これまでに書いた内容で、2024年現在、第9運期において悪いとされる2・3・4・5・6・7・8の各数字を化殺するための五行についてまとめると下のとおりになります。

第九運期の2の扱いについては諸説ありますが、わたしは原則今後数年~10年程度の間は原則として凶星として化殺の対象とすることが良いのではないかと考えています。

化殺したい方位の山向星とその五行化殺に使用する五行
2・5・8(土)金(生出)・水(剋出)
3・4(木)火(生出)・土(剋出)
6・7(金)水(生出)・木(剋出)

レメディ(化殺)に使用するものの具体例

 ここでは実際に化殺をする場合にどのようなものを使えばよいのかを具体的に考えてみます。はじめに「陰陽五行思想」の記事で挙げた五行表から抜粋したものを挙げておきます、この表における概念がすべての基本となるものですよ。

 なお、たとえば家具などを配置する際に五行の要素として考えるのは素材も色もあるわけですが、ここではどちらが要素として強いのかという問題には触れません。

 ただし気持ちばかりの小物を配置するよりは当然重量のあるものや面積の大きいものを配置する方が化殺としての効果は出るものだと考えられますよ。

 また、この五行を利用しての化殺について、「この企業の開発している~が効果が高い!」や「私の使用している~だけが効果が見込める!」といったものはありません。あくまでご自身が気に入ったものを使用してくださいね。

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物体樹木・花太陽・ろうそく山・畑金属・刃物・宝石海・雨
方位中央西
季節土用※
形状長方形三角形四角形円形(不定形)
青・緑赤・ピンク・紫黄・茶白・金・銀黒・紺
3・42・5・86・7
※土用とは立春、立夏、立秋、立冬の直前の18~19日間を指すもので年に4回あります。7月の土用の丑の日は4回の内の立秋の前の土用のことですよ。

木:観葉植物や花、青、緑色の家具等

 木の五行を化殺に使用する場合、最もわかりやすいのは観葉植物や花、あるいは木製の家具です。具体的には6金,7金の悪い象意を剋出して抑えるために木を使用するなどのケースです。

 ただしたとえばサボテンなどのトゲのあるものは室内に配置するのはあまり良いとは私は考えていません。手指を傷つける要素のあるものは室内に配置しないほうが好ましいです。

 もしくは木の五行に属する色は青、緑系だとされていますのでそうしたものを配置するのも良いでしょう。

火:アロマキャンドル、ガスコンロ、赤、ピンク系の家具等

 火の五行を利用する場合には、まさに「火」を表すもの、アロマキャンドルやガスコンロ、赤系、ピンク、紫などの色のカーテンや家具、カーペットなどが該当します。具体的には3木、4木の悪い象意を生出で抑えるために火を使用するということです。

 また、たとえば悪い木の向星の3や4の方位にガスコンロがある場合、そこで火を使う行為そのものが強力な化殺に相当するということです。

 ただし実際に火をつけて使うキャンドルなどを利用する場合には火のもとには十分ご注意ください・・・。

土:陶器、黄、茶系の家具等

 土に関しては例えば陶器や石などが該当します。具体的には3木や4木の悪い象意を剋出で抑えるために土を使用します。

 色については黄色、茶色といったものになります。たとえば黄色系のカーテンや茶色のソファなどといったものです。

金:金属製品、白、金、銀色の家具等

 金の五行はたとえばスチールラックであったり、あるいは鉄アレイなどといった金属製品を使用することができようかと思います。たとえば2や5の土の悪い象意を生出で抑えるために使用するということです。

 色で言うならば白、金色、銀色などの色が金の五行に属しますよ。

 ですので銀色のスチールラックや鉄アレイ、あるいは砲丸などといったものはまさに金の五行での化殺にうってつけだというわけです。

水:(動きのない)水、黒、紺色の家具等

 水の五行、まさに水そのものなのですがたとえば丸い金魚鉢のような容器に食塩水を入れたものや、黒色、紺色のオブジェクトが該当します。※

※青色、水色は水の五行ではなく木の五行に属します。

 具体的には6金、7金の悪い象意を生出で抑えるとき、2土5土8土の悪い象意を剋出で抑える時に水を使用するということです。

 また、水を表す色は黒色や紺色になりますよ。ただし風水で水というと噴水や水槽などといったものを思い浮かべる方も多いかもしれませんので次に注意点を挙げておきます。

≪注意≫噴水、水槽、テレビ、プリンタ、サーキュレーターなどといった動きのあるものは化殺には不向き

 化殺に使用するものは原則として「動きのないもの」になります。理由としては動きのある物体はそれ自体が向星の活動を活性化させてしまうことにあります。(また、向星の別名は「水星」であり、動きのある空間において活性化されるもので水に大きく影響を受けるものです)

 ですので化殺のために水を配置すべき方位に噴水や魚の入った水槽などを設置してしまうと化殺としての効果よりも向星の活性化という影響が強く出てしまう可能性があります。

 また噴水、魚を入れた水槽などは財運を上げるための風水技法である「五鬼運財法」(玄空飛星派とは異なる理論ですが、その方位は宅ごとに異なります)などを使用する場合にもよく設置をするものですがその場合であっても向星の善し悪しは大きな判断材料としてみるものですので化殺のために動きのある水を配置することは好ましくありません。

 同じようにテレビやプリンタ、またサーキュレーターや振り子時計などの動きのあるオブジェクトは良くも悪くも向星を活性化させる効果があるとされるものですので化殺としては不向きになるわけです。

安忍水・水竹・ウインドチャイム・六帝古銭等による化殺

 風水における化殺については、ここまでに書いたように原則として五行理論に基づたアイテムを設置することを原則とします。その意味で特別な風水アイテムというものは設置の必要があるものではありません。

 ですが比較的な安価な風水アイテムの中で比較的使用頻度が高いものについては下記のようなものがありますよ。

 これらのアイテムにおいても原則として五行理論に基づくもので、「高価なアイテムが力が強い」ということはありません。置くとしても安価なもので十分だとわたしは考えていますよ。

安忍水(あんにんすい、水の五行)

 安忍水は、透明なガラス容器などに塩を入れ、その上に水をたっぷりと入れたアイテムのことを指します。正式なものでは銅貨を6枚入れ、その上に銀貨一枚を入れるともされているものです。

 ただし古銭などにこだわる必要はないもので、塩についても市販の塩で問題ありません。

 特別な古銭などを使用したものが安忍水というわけではないので注意してくださいね。

 水の五行のアイテムですので2土5土8土や、6金7金の化殺のために使用するものですよ。

水竹・ミリオンバンブー・スパイラルバンブー(水+木の五行)

 水竹とは、花瓶に水を入れて三本の竹を活けたもののことを指します。

 ミリオンバンブーやスパライルバンブーという名称で、竹そのものに風水効果があり開運、財運アップにつながる!と噂されるものがありますが、この理論においてそれらが特殊な意味を持つことはなく、あくまで「水+木」の複合アイテムとして使用します。

 本数については三本です。「三本」というのは3の数字そのものに木の五行としての意味があるために三本にするという理由です。

 水竹の名前のとおり水と木の五行性質を受け継ぐものですので、主に6金、7金の化殺のために使用します。金から見れば水は生出、木は剋出に相当するものでどちらも金の属性を弱める効果があるものだということですよ。

六管風鈴(ウインドチャイム、金の五行)

 六管風鈴(ウインドチャイム)とは、6本の金属菅がついた風鈴のことで、該当の方位に吊るして使用し、風などに揺れて金属音を鳴らすことで主に大凶星である5土の化殺に効果的とされています。

 六管風鈴は金の五行に属するものですので、「6本」という数字そのものでも金を象徴していますので、化殺アイテムとして購入する際には必ず6本菅の風鈴を選んでくださいね。

 参考までに1,000円程度で買える六管風鈴のリンクを貼っておきます。様々なデザインのものがあるので6本の菅を持つ銀色、金色のものの中から気に入ったものを使用すればよいのではないかと思いますよ。

六帝古銭(金の五行)

 六帝古銭とは六枚の古銭を繋げた風水グッズです。こちらも「6」が示すように金の属性を持つもので、主として2土の化殺に最も効果が高いとされています。

 また、ひょうたんには「治癒」の意味があるとされることから、ひょうたん付きの六帝古銭は特に病星である2の化殺に用いられることが多いです。

 割と風水風水したアイテムではありますので見える場所に置いておくのは抵抗がある方もいるかと思いますが、参考までに自分はの棚の下などのふだんは目に見えない場所に設置していますよ。

 こちらも1,300円程度で3個セットの六帝古銭のリンクを貼っておきます。余ったものは五黄方位や年飛星の五黄などの方位にも使用いただけたら。

 また、六管風鈴や六帝古銭については配置換えが非常に楽なことから、建物が持つもともとの運気のほか、「どの家にも等しく巡るその年の運気」である年飛星で2や5などの凶星が巡る方位に設置するのもお勧めです。

※年飛星について詳しく知りたい方は「≪2024年版≫フライングスター風水の年飛星」の記事をご参照くださいね。

(参考)パワーストーンや八卦鏡、その他不思議なアイテムについて

 さて、ここで気になるのは、ちまたで言われるパワーストーンや八卦鏡による化殺というものについてです。

 結論から言えば、この玄空飛星派風水を代表とする伝統風水でパワーストーンや八卦鏡などを化殺に使用することはほぼありません。

 まずパワーストーンというものについてですが、伝統風水は4000年以上の研究と実践の歴史があることがその特徴です。

 もともとは王族が使用を独占していたこれらの技法について、一般への普及が進んだのは唐の時代だと言われており、その際に活躍した風水師に楊筠松(よういんしょう。834年—900年。通り名は楊救貧)という人物がいます。

 揚救貧はその二つ名の通り「風水で貧困に苦しむ民衆を救った」ことで名を遺した人物ですが、この唐の時代の中国農村部でパワーストーンというものを購入できるはずはありません。

 正確にはわたし自身もパワーストーンというものに何かしら不思議な力はあるのかもしれないとは考えています。ただ、それは伝統風水の理論とは異なる話だと考えているというところです。

 加えて八卦鏡においては、正確には平面鏡、凸面鏡、凹面鏡といった種類によっても効果は違うものとして扱うとする説が存在しますが、基本的に八卦鏡も含めて鏡というものの使用には様々な制約があり、化殺としては非常に扱いづらいものです。

 ですから、八卦鏡というものは通常のケースにおいてはそう使用するものではありません。

 そのため、仮にそうした高価な自社販売のアイテムが風水に必須だとする鑑定士がいるならばそのときは少しだけ疑いの目を向けて頂いても良いのではないか。わたしはそんなことを考えています。

 むろんそれはパワーストーンや八卦鏡のみの話でなくて、その他もろもろの不思議なアイテム全般に対して同じことは言えるものですよ。

 もちろんこれらのアイテムを薦める方々がすべて悪意があるはずなどはありませんし、わたし自身の勉強不足という可能性はあるにしても・・・ですが、少なくとも私はそうしたものを「私の販売するこのアイテムを置くしかない」と薦められたならば疑念がわくことは確かです。

 そうしたものが正当だとする大御所の流派があるのかどうか、少なくともわたしは疑問に感じます。

 とりあえず下の記事はわたしが所有する玄空飛星派風水理論に関する記述のある日本語書籍のリストですが、気になる方は参考にして頂けたら。

 仮に一人二人の専門家の意見が同一であったとしても、全体で見たときにその考えが王道なのか異端なのか。その知識は大きな買い物などの判断を行う上では大切なものだと思いますよ。

おわりに

 ここまでこの記事を読んでいただいた方ならもうおわかりかと思いますが、某氏によって広められた「家の西側には黄色のカーテン」という話はこの玄空飛星派風水の理論からすれば明確な誤りです。

 誤りどころか、、、黄色は土を象徴する五行であるため、たとえば家の西側に向星や山星の土の大凶星2や5が来ていた場合に黄色のカーテンを配置することは生入に当たるためその凶意を強める結果となりかねないということです。

 また、西に6金,7金が巡る家にもその凶意を増幅させてしまう恐れがあるためふさわしくありません。

 わかりやすいことは好ましいことではありますが・・・「これさえあれば誰もが開運!」みたいなうまい話というのはなかなかないものです。

 あるいは、一度見聞きして覚えられないものであるからこそこうした知識はそれを真剣に求める人のもとにだけ届くものなのかもしれないですね。

 それではこの記事はここまでです。ここまで読んでいただきありがとうございました。

 また、この記事の他にもフライングスター風水(玄空飛星派風水)理論に関する記事のリンクを貼っておきますのでそうしたものも読んでいただけたら嬉しく思います。

 また、これらの記事で挙げている理論は目に見えない気の流れに関するものですが、風水においてはこうしたものの他に、目に見える環境から受ける影響も同じく大きいものだとされています。外的環境の悪いものをまとめた記事などについてもリンクを貼っておきますのでよければ参考にしてください。

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