フライングスター風水(玄空飛星派)鑑定例③賃貸一人暮らし

 この記事ではフライングスター風水(玄空飛星派風水)による1Kの賃貸物件における実際の鑑定例をお示しします。この例はこの物件に一年間程度住んだ後に私の鑑定を受けた一人暮らしの20代男性の賃貸物件にかかるものです。

 この物件の飛星チャートは以下のとおりですが、鑑定結果を一言で言うならば「財運にとても強い家でリビングは吉凶併せ持ちのため使用用途に注意が必要。ただし長く住むには注意が必要ではないか」という内容になります。

※特定を避けるために内容の一部に修正を加えています。

 なお、このサイトではフライングスター風水(玄空飛星派風水)の基本的な理論をお示していますので、理論背景を知りたい方は「フライングスター風水(玄空飛星派風水)のあらまし」の記事をご覧いただければ理解がしやすいのではないかと考えていますよ。

目次

自宅周辺環境

 このサイトでは幾度となくお伝えしていますが、風水においては目に見える物件の周辺環境など(=巒頭らんとう)と目に見えない気の流れ(=理気りき)の双方を重視するものです。

 また、理気といっても周辺環境と切り離せるものではなく、玄空飛星派にとってもっとも重要な建物の顔が向く方向、つまり坐向じたい周辺環境を確認しないことには判断できません。

 、、、とはいえ、ここでは建物の周辺環境を公開するわけにはいきませんので文字情報のみで環境をお伝えさせて頂きます。

 この物件の周辺環境としては、物件背後を守る建物が存在し、物件右側には建物が存在しているものの多層に連なった角が物件に向かってきている、物件左側は小さな道路がありその先に別の建物がある、そして建物前方は大きな駐車場があり前方が開けているという環境にありました。

 「四神相応と建物周辺環境の超基本」の記事で書いたように風水において建物の四方は以下の意味を持ちます。

  • 建物背後・・・「玄武方位」上司、先輩といった目上の方からのサポートを象徴
  • 建物左側・・・「青龍方位」住人のうち男性を象徴
  • 建物右側・・・「白虎方位」住人のうち女性を象徴
  • 建物前方・・・「朱雀方位」明堂とも呼ばれ、財運を象徴

 そして物件に対して向かってくる角のことを風水は「壁刀煞(へきとうさつ)」と呼んで嫌うことは「住んではいけない物件10選」の記事に書いた通りですが、この物件においては直近から物件左側に対して多層に連なった壁刀煞が迫ってきている物件と見受けます。

 風水における壁刀煞の意味は精神的なストレスを与えられることによる精神消耗や、循環器への悪影響も言われるものです。

 つまりこの物件における周辺環境としての風水は次のような意味を持ちます。①目上の存在からの住人へのサポートが見込まれ、②住人のうち男性にとって薄いながらもサポートが見込まれる、③住人のうち南側の部屋の住人と、住人のうち女性にとってストレスを強く受ける環境となる可能性がある、④財運に好ましい。

 また壁刀煞の影響が無視できないことから循環器に持病等がある方については入居を避けるべき物件であろうとも解釈ができます。

 壁刀煞における最悪クラスの例として挙げることができるのは「香港風水戦争」における香港総督府かと思います、「悪意の風水について」の記事に香港風水戦争について紹介させて頂いていますよ。

フライングスター風水(玄空飛星派)「7運辛山乙向」

 ここからは建物内部の気の流れについてフライングスター風水における気の流れを可視化した図面、(画像右下の)飛星チャートから算出した気の流れに沿って確認していきます。画像の間取りには飛星チャートの各ブロックのうち右上の数字「向星」と左上の数字「山星」だけを抜粋して転記してあります。

 また、原則として活動的なエリアにおいては向星の善し悪しで、安静を取るためのエリアにおいては山星の善し悪しで吉凶の判断を行います。

 2024年2月3日までの期間(第八運期)における大吉の数は8,中吉が9,小吉が1で2024年2月4日以降(第九運期)における大吉の数は9,中吉が1、そして九運に入ってどれだけかの期間をおいて2は小吉の数に転化してくるとされています。

※なお、細かい補足をしておきますと画像にある「替星同一」というのは、この物件は24方位の境界付近、替星チャートの使用を検討する方位に向いた物件であったのですがたまたま替星チャートが同一であったためにチャートはこちらの内容で特定したということを書いてます。替星チャートにかかる解説は「フライングスター風水の注意点」に書いてありますよ。

物件全体・太極

 この物件における飛星チャートの中心点、太極については向星が5で山星が9になります。

 これは風水用語でいう「向星の反吟」と「第九運期における山星の入囚」に該当します。

 反吟は「物事の対立、衝突」といった意味を持つもので、第九運における山星の入囚とは、第九運期におけるこの物件の住人にとって健康運、人間関係運の最大吉の9がロックされることにより健康運、人間関係運に好ましくないということです。

 また反吟についてはチャートの種類や一定の環境条件が整った場合に「自殺、投獄」などといったとてつもなく悪い意味を持つものですが、ここではそれらの条件には当てはまっておらず、凶悪な反吟であるとは判断していません。

 山星の入囚については、この物件において第九運における最大の吉星9が中央にロックされてしまうことから、健康運、人間関係運において好ましくないとされるものです。

 そのため山星の入囚については2024年2月から考慮すべき点だということになります。

※反吟、入囚についての詳しい説明は「フライングスター風水の特殊チャート「格局」等」の記事をご参照ください。

玄関

 ここからは物件内部の各方位における鑑定内容に触れていきます。

 玄関というものは外から建物への境界となるもので、建物の運気、特に財運を考える上でとても大切な場所になります。

 さてこの物件の玄関方位の飛星は山星7と向星3で、玄関方位は活動的なエリアのため図のおける右側の数字、向星の吉凶を判断します。

 向星3じたいは好ましくない数字ですが、この玄関方位の向星3においては2023年時点の最吉星の8に隣接しており、河図といわれるルールによりこの玄関向星3は実質的に向星8の効果を持つ星となるためにとても財運に強い玄関であるという結果になります。

 ただしこの良い向星の効果が見込めるのは8が最大吉である第八運の期間、つまり2024年2月3日までの期間であり、それ以降は向星は悪い向星3の影響下に置かれてしまうことになります。

 また、毎年巡る年飛星の影響についても確認したところ、2024年の年飛星における大凶星の5が玄関方位に巡ってくることから2024年(2024年2月4日から2025年2月立春まで)はこの物件の住人にとって注意すべき年になります。

キッチン

 キッチンについても玄関と同じく活動的なエリアのため、向星の善し悪しで吉凶を判断します。向星8が巡る方位のため運気の流れはとても良いということになります。

 また、「8」は五行でいう「土」に属すことから、ガスコンロで火を使用すればそれが土を生む関係になっており、配置としてはとても好ましいものです。

 ただしキッチンにおいても8が大吉である第八運の期間が2024年2月3日に終わってしまうと8は好ましい数字ではなくなってしまうため、2024年以降については少し注意が必要な方位となってしまいます。

お風呂、トイレ、クローゼット

 お風呂やトイレ、クローゼットの位置については玄空飛星派においては原則吉凶を判断しません。

 ただし良い山星8や向星9がこうした使用できない方位にあることがもったいないところではありますがすべてが整った物件というものはあるものではありません。

8畳洋室

 つぎに洋室についてです。

 洋室についてはおおむね4方位にまたがっているところですが、吉凶は「その方位の実際の使用用途」で判断を行います。

 はじめに聞いたところ鑑定までの就寝エリアは山星2、向星7のエリアであるとのことでしたが、安静を取るためのエリアとしてこの方位を考えた場合に影響を受けるのは病を引き込むとされる凶星の2です。

 そのため就寝の位置として好ましいものではなく、就寝位置の変更が必要であると判断します。

 2023年時点での吉星は8,9,1の三つのみですので、このリビングにおいては良い数字は図の左側のエリアに偏っているということになります。

 つまり山星1が位置する図左下のエリアと、向星1が位置する図左上のエリアをいかに使うかということがこの部屋を使用する要となります。

玄空飛星派による鑑定のまとめ

 玄空飛星派におけるここまでの鑑定内容をまとめると以下のとおりです。

①2024年2月3日までの期間(第八運)において、財運がとても好ましい物件

②洋室は吉凶併せ持ちのため、方位の使用用途をきちんと選ぶ必要がある

③2024年以降は財運、人間関係運、健康運ともに注意が必要。

④2024年単独は玄関に巡る年飛星5に注意が必要。

 ①,②についてはそのままの話ですが③、④については第八運が終わり玄関の吉星8の影響が終了することにより財運が停滞する兆しが見えること、第九運の山星入囚により健康運、人間関係運についても停滞の兆しが見えること、玄関方位の年飛星5が玄関に巡っていること、、、ここに反吟や壁刀煞の影響をあわせて考えると長く住むことにはお勧めできない、、、という結果になります。

 ですので、この物件にいる間にどれだけでも経済的に潤うことができるのであれば引っ越しを検討した方がよい物件だと考えている旨を伝えさせていただきました。

本人からの聞き取り

 相談の初期段階で「この物件に住んでから病気がちになってしまっており体調を崩しており、定職にきちんとつけずにいる」という内容はうかがっていたのですが、この方の就寝していた位置を聞くと、まさに病星2の位置ということでした。

 また、聞き取りの中でたしかに物件南側の部屋の住人は出入りが激しい気がするとの話も出ています。

 またそうした状況の中で「財運は強い家だと思うのですがどうでしょうか」と聞いたところ帰ってきた答えは「たしかにこの部屋に住んでから貯金が増えている」とのことでした。

 もちろん何もしないことには収入を得れる入り口がないわけですが、この方は副業としてネットビジネスを行っている中でそれらの販売等が好調であると。

物件における化殺(風水の改善)の提案

 ここからはこの物件において生活する中で提案した化殺(風水の改善)についてお伝えします。

①就寝位置の変更

 まずはじめにこの物件において最も容易に改善が見こめるのは就寝位置の変更です。家具や風水アイテムの設置などによる化殺はあくまで対処療法となるもので、まず検討すべきは使用用途の変更です。

 具体的にはまず現在の山星2のエリアから、山星1のエリアに就寝の位置を移動してもらうようにお伝えしました。このエリアは向星6(金)が山星1(水)を生み出す金生水のエリアとなるもので力を得ている山星1だと判断ができること、また周辺環境においても(道を挟んではいますが)建物がその方位にあることからも周辺環境から山星に対するサポートが見込まれることを考えても良い山星1であるとの判断からです。

 ベッドの配置についてはベッドの頭部を画像左側の壁に付けることが望ましいと伝え、対応をして頂くことになりました。

②テレビ等の配置変更と食事スペースについて

 次にテレビの位置についてですが、テレビは映像がせわしわく変化することから向星を活性化させる効果を(良くも悪くも)持つものとされています。

 そのためテレビの配置は良い向星である向星1の位置に配置してもらうように依頼し了承を頂きました。たとえばサーキュレータープリンタといった家電製品も同様の考えとなりますよ。

 また、食事をとるエリアは向星の好ましい方位が吉となることから、食事をでとっていただけることになりました。

③中心付近(太極)の化殺

 太極の向星が5であり反吟となっている状態から、太極付近に関しても化殺の検討をお願いしています。

 具体的には5が土の属性を持つことから、土を弱めるために金か水のアイテムを配置して土の力を弱めるというわけです。

 たとえば白色、銀色、金色などの家具や金属製品、あるいは黒色や紺色の家具や食塩水の設置など、そうしたものを置いてはどうかと提案をさせて頂きました。 

④リビング方位の化殺

 では2023年現在で悪い方位となる、画像右側のエリアについてです。現在就寝している画像右側のエリアのこれからの使用用途について聞いてみると「本棚を置いたり、筋トレなどに使用できたらと考えている」とのことでした。

 トレーニングなどでの使用を考えた場合、検討すべきは向星ですが画像右下のエリアの向星は7であり、山星2(土)から生まれる関係にある力の強い7(金)となり、また、建物前方の広い明堂からのサポートも受けた強い7金だとみることができます。

 そのためこのエリアをこのまま使用することは好ましくなく、7金の力を弱めるための化殺が必要であるということになります。

 金を弱めるためには金が生み出す五行の「水」の五行を使用するか、金が剋す「木」の五行を使用するといいというわけです。

 また、画像右上の山星6,向星2のエリアについては化殺の対象は向星2であるため、「金」か「水」の五行、つまり白色、銀色、金色、黒色、紺色の家具などや、金属製品や食塩水などを配置することをお勧めさせて頂きました。

⑤2024年2月4日以降の玄関とキッチンの化殺

 2024年2月4日以降、第八運が終わり数字の吉凶が変わることに加えて、年飛星においても大凶星の五黄が玄関に巡ってくることからその時期からは玄関の化殺は必須であると考えます。

 ここでは年飛星の5土を弱めることが最優先となるので水か金のアイテムを使用することが好ましいです。

 キッチンにおいても、第九運以降はもはや向星8は良い数字ではなくなってしまうため、土の悪い象意を抑えるために金か水の五行を使用することをお勧めしています。ただし「8」についてはもともとが良い数字とされているために第九運に入ってもそこまで悪い象意が出るとは考えてはいません。

 ちなみに「鑑定のご依頼について」のページにこの物件における鑑定書の参考例を示させて頂いていますので興味のある方はみてみてくださいね。(地図情報や一部情報は外したものです)

おわりに・鑑定実施後のおはなし

 鑑定の実施後、二か月程度した後に相談者の方と対話させて頂く機会があったため、その後の調子はいかがですかと聞いてみたところ、、、

 「ベッドの位置を変えてから寝つきが良くなり、体調がすぐれています。またそれまで悩んでいた人間関係の悪縁についてもうまく距離を離すことができてきており、効果を実感しています」というとてもありがたい言葉をちょうだいしています。

 また、結婚が決まったとのことで、引っ越しを検討しているところですの回答を頂きました。とても良いタイミングでことが進んでいると思います。

 とはいえ、私自身は風水だけですべてがうまくいくとは考えてはいません。

 たとえば会社員の方が風水を施して給料が跳ね上がるようなことはありませんし、人間関係にしても山星の良い方位で眠ったからといって突然それだけで自然と改善がなされるケースは少ないと考えています。

 それでもこの方にあっては風水だけでなくネットビジネスも精力的に行っていることで収入のチャンネルを増やしていたこと、人間関係においても改善するための具体的な言動を心がけるといった自身の行動があったからこそ、そうした結果につながっているのではないかなあと考えています。

 残念ながら風水は魔法ではないので財運を上げたから宝クジに当たる!や、大吉の就寝方位だから横柄な態度をとっても人間関係が良くなる!なんてことはもちろんありません。自分の行動が伴ってこそのものだということです。

 もう少しきちんと言うならば、風水(環境)はすべてをきめるものではなく、そのほかに本人の持つ宿命やタイミングの善し悪し、そして本人が選ぶ行動というものは人生に大きな影響を与えるものだということになります。

 言い換えるなら本人の人生におけるタイミングがある中で、本人の行動、本人の頑張りの後押しをするものが風水(環境)だとわたしは考えています。ちなみに本人の命運とタイミングの善し悪しを測るための技法が四柱推命だということですよ。

 それではこの記事はここまでです。ここまで読んでいただきありがとうございました。

 最後になりますが記事化を快く許可いただいたSさん、ありがとうございました。あなたの人生にたくさんの幸福を。

 この記事においてはフライングスター風水(玄空飛星派風水)の理論に基づく鑑定例をお示ししましたが、理論そのものについては「フライングスター風水のあらまし」の記事や「フライングスター風水の年飛星」、「フライングスター風水におけるレメディ(化殺)」の記事などに概略を載せています。

 また、主にマンションにおいてどのように風水を利用して引っ越し物件を探すべきかに関するわたしの考えは「フライングスター風水で引っ越し物件を探すヒント」の記事にまとめておきました。少し長い記事ですが読んでいただけるとわたしの引っ越しに関する考えはわかるかと思います。

 またこの記事以外の鑑定例としては「鑑定例①」の記事に賃貸物件に居住する夫婦の例(ただし入居前鑑定のため化殺などについてはこの記事の方が詳しいです)を、店舗物件としては「鑑定例②」の記事にスターバックス渋谷店の例などを挙げさせて頂いています。

 興味のある方はそうした記事も読んでいただけたらうれしく思います。

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