四柱推命は個人の生年月日と出生時間からその個人の持つ性質や外界と築きやすい関係性、そしてその人が持つ人生全体における運気の流れを読みとく中国の技法です。
その四柱推命においては生まれた年を示す二文字を年柱、生まれた月の二文字を月柱、生まれた日を日柱、生まれた時間を時柱と呼び、年月日時の十干を「天干」、十二支を「地支」と呼んでいます。
、、、文章だけでは何のことやらわからないので2023年5月19日21時の四柱を例に挙げますと画像のものになります。
この「四柱からその人が持つ宿命を推察する」技法が四柱推命だというわけで、中国や台湾、香港などにおいては単に「八字」と呼ばれていたりもします。
そして、この生まれた日の天干のことを「日干(にっかん。日主(にっしゅ)、日元(にちげん)ともいいます)」と呼ぶのですが、四柱推命においてはこの日干がその人本人を表す最も重要な一文字になります。
つまり、この生まれた日の天干だけを見ることで10種類のタイプ分類が可能だということです。実際には四柱における様々な影響があるためこの10タイプだけで判別はもちろんできませんが・・・。
自分の生年月日を無料サイトなどで入力すれば自分の四柱(出生時間がなくとも日干は「日」なので出ます)までは簡単に出すことができると思います(中には間違った四柱を出すものもあるかもしれませんので2,3個程度のサイトで見比べて確認がよいと思います)。
あなたを表す日干は何でしょうか?
、、、とはいえ、さすがに四柱推命は日干の10種類だけで簡単に断定してしまうのはあまりにも怖い話ですので、日干が同じでもいろんなパターンがあるよってだけの話だけは先にしておこうと思います笑
注意・日干は10種類だけどパターンはさまざま
四柱推命において、日干(つまり天干)は10種類のみで構成されるもので、誰もがその10種類のうちに分類されます。
以下に10種類の天干についての表を「十干十二支と方位/時間、蔵干」の記事から引用します。
天干 | 五行 | 陰陽 | 物体 |
甲(きのえ) | 木 | 陽+ | 樹木 |
乙(きのと) | 木 | 陰- | 花 |
丙(ひのえ) | 火 | 陽+ | 太陽 |
丁(ひのと) | 火 | 陰- | ろうそく |
戊(つちのえ) | 土 | 陽+ | 山 |
己(つちのと) | 土 | 陰- | 畑 |
庚(かのえ) | 金 | 陽+ | 刃物 |
辛(かのと) | 金 | 陰- | 宝石 |
壬(みずのえ) | 水 | 陽+ | 海 |
癸(みずのと) | 水 | 陰- | 雨 |
つまりこれらの10種類のパターンに人の属性は大別ができるということ。
ですが当然ながら同じ日干を持つ人であってもそこにはいろんなパターンがあるわけで。そのパターンがなければ四柱推命なんてものに信憑性は無いわけだとも思っています。
たとえば、日干が甲の人は次に書くように「まっすぐに伸びる大樹」のような方であるとされますが、その自分自身を表す「自身を切り倒す斧などの刃物に両隣を囲まれた」樹木と、「両隣に仲間である木々や自分を生み育ててくれる水がある」樹木ではその中身は全く異なるわけです。
もう一つ二つ例を挙げるなら、同じ甲の人であっても、五行の「木」が最も力を強める春の季節に生まれた樹木と冷たい冬の季節に生まれた樹木、また周りに自信をはぐくむ水の全くない乾いた樹木と周りに水だらけの河に浮かぶ流木のような樹木では全くその中身は異なってきます。
そうしたものを八字の関係性の中から読み解く技術が四柱推命になるわけです。
、、、ですので、ここで言う10種類の分類だけで自身の判断を行うのは四柱推命の観法というにはあまりにもかんたんなものです。
この10種類の中で自分がどれに当てはまるのかはエンタメ程度で考えていただければよいのではないかと思います。
また、ネットを徘徊すると甲子日生まれの方は~だ!丙午日生まれの方は~だ!とかそういう日柱のみで判断するサイトも多数見かけますが、、、日柱のみで判断するのは日干のみの判断とそこまで大差ないのではないかとも考えてます。
四柱推命はあくまで四柱全体、八字のすべてでそのバランスをみるものですよ。
また、この記事において各項目に参考の有名人の名前を挙げていますが、公表されている生年月日やネットの情報から十干を特定しており、(または生まれた時間、場所により日干が異なる場合もあるかと思います)ので参考程度にしておいてください。
日干(日元)が「甲」の人
甲は陽の木です。まっすぐに伸びる樹木のイメージを持つのがこのタイプの方です。
正義感が強く、まっすぐで曲がったことが嫌いで意思の強い方。またマイペースながら向上心の強さも兼ね備えていることでしょう。
ただし頑固なところもあるかもしれませんし、大きな失敗などをしてしまったときには立ち直るのに時間がかかる方かもしれません。
(日干甲の有名人)
松本人志さん、佐々木蔵之介さん、ローランドさん、濱田岳さん、キアヌ・リーブスさん、本田翼さん、ローラさん、野田聖子さん、千秋さん、キーラ・ナイトレイさん
日干(日元)が「乙」の人
乙は陰の木。たとえるならば草花のようなイメージを持つ方です。
目立つことは好みませんが温厚で控えめで柔軟。さまざまな環境に適応できる能力を持っており、失敗に折れない強さを兼ね備えた方です。
ただし、ものごとを中途半端なところで諦めてしまうような面倒くさがりの部分や臆病なところもあるかもしれません。
(日干乙の有名人)
長嶋一茂さん、稲葉浩志さん、伊集院光さん、中丸雄一さん、ブラッド・ピットさん、松任谷由実さん、渡辺直美さん、土屋太鳳さん、有村架純さん、エマ・ストーンさん
日干(日元)が「丙」の人
陽の火である丙の人を表すものは、ズバリ太陽です。
自分に自信があって情熱的、楽観的でよく喋るよく笑うみんなのムードメーカー。まさに太陽です。
ただし気が向かないときには行動しない気分屋なところや、落ち込むときにはとことんまで落ち込むところがるかもしれません。
(日干丙の有名人)
星野源さん、竹中直人さん、江頭2:50さん、小池徹平さん、スティーブ・ジョブズさん、美空ひばりさん、岡副麻希さん、イモトアヤコさん、あいみょんさん、パリス・ヒルトンさん
日干(日元)が「丁」の人
陰の火、丁はいわば人工の火にたとえられます。ろうそくや暖炉といった周囲の人を照らし温める光です。
丁の人はあたたかく、感傷的で繊細な心を持った人だとされています。たとえるなら陰で人のサポートをするような。
また、神経質で感情的な一面も兼ね備えており時には自分の思いを爆発させてしまい周囲を驚かせることもあるかもしれません。
(日干丁の有名人)
北野武さん、竹野内豊さん、桜井和寿さん、羽生結弦さん、ハリソン・フォードさん、松田聖子さん、浜崎あゆみさん、大沢あかねさん、栗山千明さん、テイラー・スウィフトさん
日干(日元)が「戊」の人
戊は陽の土で、山にたとえられます。
どっしりと安定していてマイペース、それでいて存在感があるというような。また他の存在が集う中心ともなりうる存在で面倒見も良い方も多いかもしれません。
ただし、自信過剰なところや融通の利かないところも兼ね備えているかも。
(日干戊の有名人)
加藤茶さん、藤井聡太さん、木村拓哉さん、櫻井翔さん、ロバート・ダウニー・Jrさん、松たか子さん、白石麻衣さん、吉高由里子さん、矢口真里さん、ナタリー・ポートマンさん
日干(日元)が「己」の人
己は陰の土で、草花を育てる庭園の土や畑にたとえられます。
地に足がついていて親切で平和的、人のためにつくすことを好む方が多いかもしれません。まさに縁の下の力持ちといったイメージです。
ただし優柔不断な面があったり、変化を嫌うところが人よりも強い方かもしれません。
(日干己の有名人)
石坂浩二さん、カズレーザーさん、米津玄師さん、生田斗真さん、トム・ホランドさん、山口百恵さん、深田恭子さん、中村アンさん、永野芽郁さん、アン・ハサウェイさん
日干(日元)が「庚」の人
庚は陽の金です。それは精錬された金属を表し、剣や斧といった武器にたとえられます。
サッパリとしており勇敢で正義感が強く、行動的な方が多いことでしょう。リーダーシップを持つ方も多いのではないでしょうか。
ただし強引で攻撃的だと捉えられがちがちなところがあるかもしれません。
(日干庚の有名人)
安倍晋三さん、千原ジュニアさん、妻夫木聡さん、松本潤さん、タイガー・ウッズさん、友近さん、安室奈美恵さん、武井咲さん、福原愛さん、エマ・ワトソンさん
日干(日元)が「辛」の人
辛は陰の金で、貴金属を表します。
センスが良く美しいものを好み、辛抱強く努力を続けることができる方が多いとされています。また見た目やセンスの良さから華やかで人目に引きつける魅力を持った方も多いとも。
ただしデリケートで完璧主義的な傾向が強い方や、それゆえに辛らつである方も多いかもしれません。
(日干辛の有名人)
イチローさん、滝沢秀明さん、HIKAKINさん、福士蒼汰さん、マット デイモンさん、吉永小百合さん、菅野美穂さん、春香クリスティーヌさん、吉田沙保里さん、レディーガガさん
日干(日元)が「壬」の人
壬は陽の水で、海や大河を表します。
おおらかな面と強じんな意思をもって目標に向かって進むエネルギーを持ち、情熱的な方が多いのではないかと思います。また人を巻き込んで流れを作る力も持った方かとも。
ただし気分屋で激情的な面があり、人を強く非難してしまうような面もあるかもしれません。ふだんは温厚だけど怒り出すと手が付けられないというような。
(日干壬の有名人)
内村光良さん、福山雅治さん、杉村太蔵さん、大谷翔平さん、トム・クルーズさん、石原さとみさん、小池百合子さん、近藤春菜さん、綾瀬はるかさん、キャメロン・ディアスさん
日干(日元)が「癸」の人
癸は陰の水で、雨や草花に輝く朝露にたとえられます。
目立つことは好みませんがコツコツと努力を続ける勤勉さと優しさを持った方で人に向けた慈愛を備えた方だとされています。人のことを見る観察力も優れた方も多いかもしれません。
ただし秘密主義的で自身の考えがわかりづらいところもあるのかもしれません。
(日干癸の有名人)
タモリさん、長瀬智也さん、桑田佳祐さん、西島秀俊さん、ジョニー デップさん、瀬戸内寂聴さん、佐々木希さん、芦田愛菜さん、菊地亜美さん、デミ・ムーアさん
おわりに
四柱推命理論において日干はその本人の資質を表すもっとも重要な要素になります。
とはいえ感が手見ると、この日干って十干十二支の理論から言えば「10日ごとに巡る」もの。
どうしてこんな結果になるのかは真剣にわかりません笑
また、ここでは日干一字でみた性質のみについて書いていますが、冒頭でも書いたようにひとつの属性であっても、その内容は実にさまざまです。
ここで挙げた有名人の方々も、ひとつの属性だけでその人を語るのは難しいことは容易にわかるのではないでしょうか。
とても簡単にいうなら自身を表す日干の周りに自分の仲間となる属性と自分を弱める属性がどのような配置で並んでいるのかを見ていくものが四柱推命になります。
また、単純に自分を強めるものが良くて自分を弱めるものが悪いなどというものではなくて、その配置に応じた適切な五行が充足されるのが良いという話で。
具体的には日干以外の七字が、日干からみて「自分を生み出すもの」、「自分が生み出すもの」、「自分を攻撃するもの」、「自分が攻撃するもの」、「自分と同じ属性を持つもの」がどういったバランスで配置されているのか。
またそれらの八字全体における相互関係がどうなっているのか、そして何より八字以外の大運の流れはどうなっているのか等を総合して判断していくわけです。
そういったものが四柱推命ですのでこの記事に書いている一字のみの判断はあくまでも参考程度にとどめていただければと思います。一字だけの判定をするなら星座占いや血液型占いとなんら変わりがないわけですから。
また別の記事でそうしたことも少し紹介ができたらと考えています。
それではこの記事はここまでです。ここまで読んでいただきありがとうございました。
四柱推命がどのようなものであるのかを理解するのには五行思想の理解は必須だと考えてます。また、「十干・十二支と方位・時間」においては四柱推命における時間というものを中国思想がどのように捉えているかを、私自身の四柱推命に対する考え方については「四柱推命について」の記事にまとめてあります。
四柱推命の六神、十神については「四柱推命基本の見方:六神/十神」の記事にまとめておきました。
四柱推命の理論に興味がある方はそうした記事も見ていただけたら嬉しく思いますよ。
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