風水が教える住んではいけない土地20選

 風水は今から四千年以上も前の古代中国においてはじまった陰宅(お墓)の周辺環境、つまりお墓のある土地環境がどのような影響を子孫にもたらすのかという研究がその大元です。

 そこから風水はさまざまな発展を遂げており、「住宅の周辺環境や宅内の配置という目に見えるもの(巒頭=らんとう、と呼びます)」と、「目に見えない気の流れ(理気=りき、と呼びます)」を重視するものに進化を遂げていますが、そのどちらか一方だけで風水を語ることはできません。

 理気を確認するための技法としては日本の家相学であったり、建物を住人の生年と合わせて八つの分ける「八宅風水」というものなども該当しますが、私がメインで使用している技法は中国文化圏のみならず欧米諸国の富裕層にも広まっている「最強の風水技法」玄空飛星派風水(フライングスター風水)というものです。

 この記事では中国風水が目に見える影響を論じる巒頭(らんとう)において、特に影響の大きいとされる土地選びについて注意すべき環境を次の20個紹介します。

 土地における大きな凶殺は影響力が大きいとされるものです。あなたの周りでももし何かしらの悲劇的な現場をご存じならばこうした形殺に該当していないかどうか思い起こしていただけると土地選び、物件選びを考える助けとなるかもしれません。

 ・・・ちなみにですが、ここで玄空飛星派風水の話を挙げたように、このサイトで挙げている「凶を招きやすいとされている土地、環境、家、あるいは間取り」といったもののすべては、「それ単独で必ず不幸を呼ぶ」というような判断は行いません。あくまでもすべては全体の状況を判断してから行うものであって、これらのうちどれか一つに該当しているからすべてうまくいかない大凶の家なのだというような安易は考え方はけしてしませんので覚えておいていただけたら。

(ただ、実際にはここに挙げる周辺環境の問題だけでなく、目に見えない気の流れ(たとえば玄空飛星派風水など)も含めてとんでもなく悪い環境においては対処のしようがないものがあるのもまた事実ではあって、長く住めば済むだけその悪い環境からの悪影響は蓄積するだろうとも・・・それでも、そうした環境に住んだ全員が絶対に不幸に陥るとまで決めつけることは難しいだろうとわたしは考えています)

 そしてこれらの問題を考える際にもう一つ大切なことですが、風水とパワーストーンなどのアイテムは全く理論の異なる別の話だと私は考えています。

 理論の中で対処法があるものはもちろんありますが、たとえば「化殺のためには我々が販売するこのパワーストーンを置くしかない!」という口上で商売を行う業者を見たらまずは疑うべきだとわたしは考えています。

 理論だけで判断のつかない、不可思議な力のあるものも中にはあるだろうとも考えていますし石そのものに不思議な力があるかもしれないというところまでは私も実はそう思っていますが・・・それ以上に自身が販売するアイテムの売り上げしか頭にない不実な業者はいると考えていますし、そうした中から誠実な方を見抜くことはほんとうに難しい。

 それにひとつの形殺においても個々に状況は異なるものです。たとえば路冲殺一つとっても四車線道路が突き刺さるものと歩道だけの路冲殺で影響の規模が違うことは言うまでもありませんしそもそも方位によっても内容と凶意の程度は変わるものです。

 だからこそそれらをまとめて「このアイテムを買えば大丈夫!買わないと不幸がやってくる!」だなんて話には無理があるだろうと私は考えています。

 パワーストーンなどの全てを否定するつもりは毛頭ありませんが、そうしたアイテムを買う際には、「自分が信じるものを自分が選んで自分の意志で買う」のか、あるいは「相手の言い分を信じて買うしか選択肢がないと思いこまされた中で買う」のかの違いはとてつもなく大きいとわたしは思っていますよ。

 ただ、もちろん風水を考えて家や土地を探すならこうした悪いとされるもののうち致命的なものは避けるべきだろうというのがわたしの実際の考えに近いです。

風水が教える住んではいけない/買ってはいけない土地20選

①T字路等の道路突き当りの土地、②カーブ外側の土地、③高速道路沿いの土地、④線路沿いの土地、⑤袋小路の土地、⑥三角形などの変形土地、⑦道路面と高低差のある土地、⑧崖に面した土地、⑨マンション等の巨大な建築物が直近にある土地、⑩二つのビルなどの隙間風の吹き付ける土地、⑪墓地&病院近くの土地、⑫変電施設、電波塔近くの土地、⑬ガソリンスタンド近くの土地、⑭直近にガラス張りの商業施設、自宅方向に傾斜したメガソーラーなどがある土地、⑮倒壊しかかった空き家、廃工場などが近くにある土地、⑯海沿いの土地、⑰背後もしくは左右に川が流れている土地、⑱埋立地などの軟弱地盤、⑲丑、辰、未、戌方位向きの土地、⑳近隣の山を切り崩したばかりの土地

 なお、このサイトでは巒頭についてほかに「住んではいけない物件10選」「住んでいけない間取り10選」という記事をあげており、それらの記事で紹介している例は次のとおりです。

風水が教える住んではいけない/選んではいけない家・マンション10選

①周囲と比べて1軒だけ高層の物件、②周囲と比べて1軒だけ低層の物件、③四方が吹きっさらしの物件、④三角形の物件、⑤のこぎり型、L字、極端な長方形などの不規則な形の物件、⑥細長い物件が三棟以上連なった物件、⑦近隣建物の角が向かってくる物件、⑧玄関正面の枯れた樹木、⑨大型商業施設、神社などと入り口が対面になる物件、⑩玄関を開けた先が下り斜面や下り階段の物件+事故物件

風水が教える住んではいけない/借りてはいけない間取り・部屋10選

①三角形の部屋など、いびつな形の部屋、②自室玄関またはベランダ直前から目に入る鋭利な三角形、③光の入らない部屋、④自室直下が駐車場、⑤自室直下が飲食店、⑥1階が階段のみの物件(テラスハウス等)、⑦間取り中央にキッチン、トイレ、お風呂、階段のある物件、⑧玄関を開けて正面にエレベーターや階段のある部屋、⑨自室玄関前が長い廊下、⑩タワーマンションなどの高層階(目安は10階?)

 なお物件10選と間取り10選についてはこの記事の終わりにもリンクを貼っておきますのでよかったらあわせて見てみてくださいね。

目次

風水が教える住んではいけない/買ってはいけない土地20選

 風水でみる対象は建物周辺や建物の外形などの目に見えるものである「巒頭(らんとう)」と目に見えない気の流れである「理気(りき)」の双方があると書きました。

 この巒頭と理気の問題について、理気においては様々な技法と観法が入り交じりますが、基本的に巒頭については流派による違いはあまり無く、様々な流派において概ね同じ見方をするものであり、巒頭が極端に悪い土地では、理気がいくら良い物件を立てても風水全体でみた吉物件となることはあり得ませんので土地の問題は非常に大きなものではあると理解いただけたら。

 なお、北東方位の「鬼門」については下記の記事に自分の考えはまとめてありますが、中国風水において北東鬼門を忌むということはありません。方位の吉凶はその家一軒一軒ごとに異なるものですよ。

T字路等の突き当りの土地に建つ家「路沖殺(ろちゅうさつ)」

 この路冲殺は、少し風水に興味のある方ならご存じの方も多いかもしれない風水でもっとも有名な形殺の一つです。

 T字路突き当りが有名ですが、これはT字路に限らず道路が直線状に家に向かってくることを「路沖殺(ろちゅうさつ)」「木箭(もくせん)」「丁字路口(ていじろこう)」などと呼ぶもので、精神的な不安や混乱を抱かせやすい地形、また流血を伴う災いや突発的な不幸を暗示する地形として嫌います。

 向かってくる道路が大きければ大きいほど、距離が長ければ長いほど、あるいは勾配が下り坂になってこちらに向かてくる場合などに影響が大きいとされます。

 大きな道路を想定した場合、前方から車両が向かってくる様は見ていて気持ちのいいものとは思いづらいです。実際にこうした道路の突き当りで起こる追突事故などは誰しもがニュースで目にしたことがあるのではないかと思いますし、そうした潜在的な危険性を常に無意識下で感じ続ける家となると考えられます。

 目に見えない気(=理気)の流れや道の向かってくる方位によって善し悪しはあり、道のある方位が適合する場合には迅速に福が舞い込むとも言われ一部の店舗においては好ましい意味を持つこともあるとする流派もある模様ですが、やはり運気の変動が激しい土地になると思われ、凶の意味は避けられるものではないためお勧めできるものではありません。

 なお、似たものにY字路の合流部に立つ家がありますが、これも「箭刀煞(せんとうさつ)」と呼んでこちらも同じく嫌います。

 ちなみにこの路冲殺の対処についてはたとえば塀などを設けて車両などの激突を物理的に避けるということも一つありますが、風水の思想の中では五行思想に則った考え方をするものです。

 このことにはスタバ渋谷ツタヤ店の入っているTーFRONTの例が参考になるかもしれません。(スタバは風水を使用する企業として有名ですが、TーFRONTのビル建築そのものが風水理論に則ったものであるかどうかは不明です。運よく偶然にそうした建築となっている可能性は否定できませんので)

 ここでは土地形状や建物の形状を金形に見立てて化殺として作用しているという大規模なものですが、このように化殺には五行理論を使用して金や火の五行を用いて木の五行である路冲に対して化殺を行います。

 具体的にはこの路冲殺は「木箭(もくせん)」の別名が示す通り木の五行に属する形殺です。そのため木を剋す金や木の気を洩れさせる火の五行を使用して対処(化殺)を行うということです。円形は金の五行、三角形は火の五行に属すもので、それらの色としては白色、銀色、赤系統の色が該当しますよ。

 ただし適切に化殺を行えばそれで凶を解除できるのかというとそうでもなく、化殺はあくまで対処療法にすぎませんので、選択肢があるならば初めから選ばないことが賢明で、そもそも規模の大きな路冲に一般住宅で対処するなんて不可能だと考えるべきです。

 ちなみに路冲殺に対して木を植えて視界を隠すことは「木箭(もくせん)」の木の気を強めてしまうために逆効果となるため風水の理論においては好ましいものではありません。

 また、この路冲殺については、いまでも沖縄などの一部地方で「マジムン」という魔物が害をなすところとする信仰があります(その魔除けアイテムを石敢當(いしがんとう)と呼びます)。

 T字路突き当りのみならず交差点というものは、じつは世界各地で「悪魔が支配する地形」というような意味合いを持つものとして扱われてきた歴史があるようで、そのあたりのことは「交差点とクロスロード伝説」の雑記にまとめましたのでよければどうぞ。読んでいただけたら路冲殺は避けておこうかと思っていただける気がします・・・たぶん笑

川や道などのカーブ外側に位置する土地に建つ家「反弓殺(はんきゅうさつ)」

 風水においては川と道路は同じ種類の存在として捉えます。風水において川や道のカーブの外側は「反弓殺(はんきゅうさつ)」と呼び嫌います。川や道路の規模によって影響の範囲や大小は異なりますが破財や精神的なトラブルなどを暗示する形殺です。

 治水が発達している現代では古来の川に対する見方と変化を生じているところは多数あるかと考えますが、たとえば古い時代においては慣性により川の外側が削られる土地であったことは明白ですし、道路で考えるならカーブの外側が車両が事故を起こしやすい箇所であることもまた明らかではないでしょうか。

 あるいは夜間の車両のヘッドライトを考えればカーブの外側に位置する家は車両が通過するたびにヘッドライトで照らされる位置となるわけで、その方位に玄関や窓があればそうした光は日常の中で折に触れて目にすることになるでしょう。

 車両が向かってくる方向に自分は住んでいる、いつか事故が起きる可能性があるかもしれないという認識はふだん意識しなくても無意識下に存在し続けるものではないかとも思います。

 また、例えば自分が車を運転する際の出入りや駐車を考えても好ましいとは思いづらいですし、遊び盛りの子供のいる家庭ならば不要な事故の心配をする必要も出てくることでしょう。

 可能ならば道路側に塀を立てるなどして車両追突の危険性や道からの視線を遮断する方が好ましいと考えます。 

 ちなみにこうした弓なりに曲がった川や道路のカーブ外側の土地を「無情の地」とも呼ぶのですが、弓なりになった川や道路のカーブの内側については逆に「有情の地」と呼んで尊びます。

 ・・・のですが、昨今の大雨による河川の氾濫を考えると川のカーブ内側についてはいいと言っていいのか迷うところではありますが・・・。

高速道路沿いの土地に建つ家「割脚殺(かっきゃくさつ)」「鎌刀殺(れんとうさつ)」

 高速道路沿いの土地や家(あるいはマンション)は「割脚殺(かっきゃくさつ)」や「公路殺(こうろさつ)」と呼ばれるものでそうした騒音や振動を日常的に感じる環境はストレス要因となることは言うまでもなく、健康面の問題や破財につながる環境だと言われます。

 中でも高速道路のカーブの外側に位置する(先に挙げた反弓殺を併発する)場合を「鎌刀煞(れんとうさつ)」と呼び、割脚殺ととても強化された反弓殺が両立した形になるものとして血を見る災いなども暗示するため特に忌みます。

 車両の走行音は一定でなく、中には暴走に近い速度で走行する車両もあることでしょう。そうした騒音を昼夜問わず聞き続けることで無意識のうちに受けているであろうストレスがどれほどのものになるかは想像がつきません。

 また、昨今あおり運転を行うようなモラルのない運転手が少なからずいることは自明でしょうし、夜間でもトラックなどの大型車両やハイスピードで走行する車両が増えることもまた頭に入れておいてよいと思います。

 高速道路の事故について少し調べてみると首都高における2022年度の事故件数は8,393件とのことです。

 首都高だけの数字でこの件数ですのでニュースにならない事故はほんとうに多いんですよね。

 事故によっては周囲に車両の破片などが飛散することもあるでしょうし、事故発生以降の現場状況を想像するだけで騒音どうこうだけでなく気分がいいものではありません。

 ちなみに高速道路でなくとも大きな道路が建物近くに位置し、車両が高速で走り去るような状況のことも嫌います。

 前方であれば気が散じやすく財運に悪い、背面であれば上司や年長者からのフォローの断絶、左右であれば宅内の男性や女性に対する悪影響が出やすくなると考えられます。

参考HP:首都高速道路株式会社「事故・車両故障・落下物の現状について」

線路沿いの土地に建つ家「火車殺(かしゃさつ)」

 線路沿いの家は風水では「火車殺(かしゃさつ)」と呼ばれて嫌われます。

 高速道路の際に書いたように、電車のような巨大な鉄の塊が高速で自宅の近くを通り過ぎることは場の気の流れを乱すものとされて嫌われます。そのため、より高速で電車が通りすぎる線路沿いの方が凶作用は強いと考えられます。

 建物のどの方位を線路が通過しているかによっても影響は異なりますが、たとえば建物前方なら財運が破壊された家だとみますし、建物後方なら目上の方からのフォローが断絶された家になる、そういった見方をするものです。

 これらのケースを考える上で、電車が通過する際の騒音については言うまでもないことですが電車が通過する際には騒音だけでなく周囲に振動をもたらします。

 地面の振動については住人に対しても住宅そのものに対してもよい影響があるわけはなく、風水においても「動土(どうど)」として忌み嫌われるものです。この動土においても、年によって凶作用が強く出る方位があると風水では考えます。

 その他に線路と電車通過時の摩擦による鉄粉の被害や、ベランダ側に線路がある場合には電車乗客からの視線に気を使ってしまうかもしれません。

 もっと言うならたとえば赤ちゃんがいる家庭で線路沿いの家に住んだ場合のことを想像していたければけして好ましい環境だとは言えないことはわかっていただけるのではないでしょうか。

 なお、線路沿いの家の風水については「線路沿いの家は不幸を呼び込む悪い風水?」の記事に詳細をまとめておきました。よければそちらも参考にしてください。

袋小路の土地に建つ家「死巷屋(しこうや)」

 いわゆる袋小路のことですが、風水では「死巷屋(しこうや)」「無尾巷(むびこう)」などと呼びます。外見のとおり「逃げ場がない」「発展性がない」を意味するもので追い詰められた状況を象徴、運気の阻害を意味するものです。

 風水においては水や気の流れを重視するものですが、こうした物件においては水や気の流れが断ち切られてしまうものです。

 たとえばこの道側から叫びながら強盗が襲ってきても逃げ場がどこにもないのは言うまでもないですが、もっと身近な例で言えばこの入口付近に道路で毎日たむろして遊び場にする子供たちがいたとしてても、毎週末道路で友人とBBQを行う隣人がいたとしても、道の入り口側に近隣住人の行動を監視するような方がいたとしても逃げ場はありません。

 他に自宅に通る道が無い以上この道を通るしか選択肢がないわけですから、そうした状況に陥れば不要なストレスを受けることは言うまでもないことですよね。

 また、火災の発生時などのことを考えてみても、こうした袋小路の土地における消火活動はかなり困難であることは言うまでもありません。できるだけ複数方向からの水利(消火栓や防火水槽などからの消火用の水です)を取るのが消火活動の原則ですがそれが不可能なことは想像して頂けるのではないかと。

 加えてこの死巷屋についてははじめに書いた直線道路の突き当り(路沖)を併発することも多く、こうした死巷屋と路冲を併発している家はわりとしんどいお話も聞く気がします・・・。

 もう一点、最後にも少し触れますが、こうした土地の場合、自宅に接する道が私道である場合もあるかと思いますが、私道は十年後、二十年後の修繕の際にトラブルを誘発する大きな火種の一つですのでご注意ください。

 なお死巷屋は突き当りの家だけが該当するものではなく、突き当り付近の環境のことを指す言葉です。つまりこの画像で言えば、道路突き当りの家だけでなくてその左手の家も死巷屋に該当しますのでご注意ください。

三角形の土地「三角地」などの変形土地

 三角形などの変形した土地です。このサイトにおいて三角形の間取り、三角形の物件も凶として紹介していますが、土地形状においても三角形は嫌います。

 三角形は風水の思想において「火」の五行に属する形ですが、この火の五行が強くなりすぎることにより神経質傾向、攻撃性による人間関係の悪化、あるいは心臓病といった諸々の悪い意味を持つ土地になるとされています。

 また、この三角形の土地においては先に挙げたY字路の合流部、「箭刀煞(せんとうさつ)」を併発することも多いです。

 ただし一定以上に土地の広さがある場合には三角形の先端の角の部分を駐車場として区画する、あるいは植樹などを行うことで台形のような形して使うことで回避もできるかと思います。

 ただしそうした手の打てない狭い土地や、その土地に建った家は好ましいものではありません。三角形の形だけでなく極端に長細い形状の土地や旗竿地などにおいてもそこに建てることができる住宅も制限をうけるもので、実際に設計段階に入ってから後悔することもしばしばあるかと思います。

 三角形の建物が悪いという話は「物件10選」の記事に書きましたが、下の「悪意の風水」の記事内には「三角マンション」と呼ばれる悪い風水の実験場として作られたという噂のある物件に関する話を書かせて頂いています。

 ちなみに色々調べていると愛知県に「リアル呪怨の家」とも言われる「三角の家」という心霊スポットがあったようです。こちらはまさに三角形の土地に建てられた住宅であったようですね。

 あるいは大阪在住の方はアメリカ村や西成区の三角公園を思い浮かべる方もいるかもしれませんね。すべての三角形の公園が同じ状況であるわけではないと思いますが・・・。

 つまるところ土地も家と同じく、なるだけ安定した四角形の形が好ましいということです。三角地の他にも極端に長細い土地や旗竿地など、変形した土地は好ましいものとはされません。

 また同様に細長い道を通って自宅土地にたどり着く「旗竿地(はたざおち)」についても好ましいものではないとわたしは考えています。

 旗竿地については十分に広い土地面積がある場合にはそうでもないかと思いますが、都市部の旗竿地については多くの場合他の物件に周囲を囲まれた土地となるため、再建築不可といった法的な問題に加えて、日当たりも通期も悪くなってしまう環境「囲困屋(いこんや)」に近い形状の物件となりますため。

高低差のある土地「下陥屋(げかんや)」「台土殺(だいどさつ)」

 土地の高低差については、風水においても好ましいものではありません。道のレベルから一定以上下がった土地に建つ家は「下陥屋(げかんや)」と呼ばれて陰の気が溜りやすく、身体面や精神面に悪影響を及ぼすものとされています。

 これらの低い土地については日当たりの面で不利な場合があったり、大雨が降った際には泥水が自宅敷地に流れ込む可能性が高く、水はけが悪い土地であれば冠水の危険は否めません。

 また、湿気がたまりやすい土地である可能性があるとも言うことができ、湿気が建物を傷める原因となることは言うまでもないことです。

 そうした問題の他にも、自宅敷地からの排水に問題が生じる可能性があることは考えておくべきことだと思います。

 自宅から出た排水を地上道路面に押し上げる必要がある土地だということは、排水のためのポンプを設置するコストがかかることも問題の一つと言えるでしょう。

 では、周りの土地よりも高い土地はどうなのでしょうか。

 周辺の土地よりも一定以上土地がもり上がった土地の家は「台土殺(だいどさつ)」と呼ばれこちらもやはり好ましくなく、また「物件10選」の記事にも挙げた、宅の前が下がっていく景観となる「牽牛殺(けんぎゅうさつ)」や「捲簾水(けんれんすい)」と呼ばれる「破財、子孫の断絶」といった意味を持つ風水に該当する可能性があります。

 またこうした周囲よりも高い土地については土地の境界に擁壁があるケースも多いですが、当然ながら擁壁にも寿命というものはあるわけで、地震大国のわが国でそうした災害時に擁壁が崩れて周りに被害を及ぼしてしまう可能性も否定できるものではありません。

 擁壁が崩れないように管理する責任は原則として高い方の土地を持つ方にあるもので、つまり古い擁壁のついた土地に関して、擁壁崩れなどの問題が起こった場合、古い擁壁付きの土地を買った新所有者がその責任を負うリスクがあるということ・・・で、かつ擁壁を取り壊す工事費用は安くとも数百万以上かかることが珍しくありません。

 いまが新しい擁壁を造ったばかりだといっても、数十年その土地に住むことを考えれば擁壁の修繕の時期はいずれ訪れることになります。それは土地を買った本人でなくて次の代に残るものかもしれません。

 新規に擁壁を設置する場合でも擁壁の施工費は数百万~それ以上ともなることもあり、高低差のある土地においてはこうした問題から発生する深刻な隣人トラブルを招く可能性があることは考慮に入れてよいのではないかと思います。

 ただし、この周囲より高い土地に関しては周辺の土地形、また土地の広さなどにより必ずしも悪いとするものではなく、状況においては好ましい地形となっている場合も存在します。斜面の問題においてもお金をかけて土地を整備したり家の向きを考慮することで改善できる場合はあるかと思います。

 この擁壁の問題についてはジャンク不動産さんの説明がとてもわかりやすいと思いますのでよければ参考になさってください。

おわりに/情報の信頼性と参考書籍、土地や周辺環境だけですべて決まるわけではないというお話

 ここまでに紹介したように、風水を考える上で土地の影響力というのはとても大きいものです。

 また土地を決めればそこに建つ住宅の向きも束縛されるケースが多いため、風水を考えて生活の場を探そうとするならば土地選びからというものが鉄則です。

 ちなみにこの記事にまとめたような周辺環境や住宅内部の環境における形殺については、日本でも数多く、また中国のサイトもすさまじい量の情報が溢れています。

 ですがわたし自身は山道帰一先生の著作である「風水住宅図鑑」以上に情報のまとまった著作を他に知りません。というか中国語の本を探してもこの本以上に情報が見やすくまとめられて頂いている本があるのかどうか・・・?

 山道先生は風水を学ぶために台湾に渡り、台湾の人間国宝である鐘進添老師や世界五大風水師筆頭の香港のレイモンド・ロー老師や台湾の人間国宝たる鐘進添老師らに師事した経歴を持つ日本で最も風水理論に精通した方だとわたしは考えています。(他記事でも紹介した「玄空飛星派風水大全の著者の方ですよ」)この記事の最後に挙げた四金殺や斬龍についても「風水住宅図鑑」も掲載されていますよ。

(ただし四金殺や斬龍について実際に判断するには水法や地理風水の知識が必要であるため市販本の知識だけで判断することは不可能ですが)

 正確な知識を仕入れたい方は正確な知識を持つ方が書いている書籍を買うのが最も確実です。

 土地選びはこうした風水を取り入れなくても大変なもので、良い土地を買うことはほんとうに大変なことだと考えています。また風水というものを真剣に利用すればハードルがさらに上がることもあり、そこまでして土地や住居を選ぶ人はそう多くはありません。

 ですが土地、住宅選びに風水を活用する方が少ないということは、一般的な基準でみて良くなさそうでも風水の良い物件が残っている可能性があるということ。このサイトの情報がすこしでもその役に立てるならうれしく思います。

 わたしは良い土地を選ぶことはその地域での生活、ひいてはその地域における生活の善し悪しを左右しかねない大切なことだと考えています。土地、あるいは家を選ぶのは誰もがよい人生を願ってのこと。

 どうか素敵な土地や住宅が見つかりますよう。

 そして、はじめにも書いたようにもしも今住んでいるご自宅がこれらに該当するのならば・・・ケースによっては引っ越しを薦めたい物件があるのは事実ですが、一つでも該当しているからどうしようもない大凶の家なのだと安易に決めつけることはどうか避けていただきたくも思います。

 風水のみで考えてもここであげた周辺環境などの吉凶の他、玄空飛星派風水などで判断する気の流れという目に見えないものがあり、そして中国占術の根本的な考えとして、「一に命、二に運、三に風水、四に積隠匿、五に読書」という言葉が示すように風水そのものも運気というものを考える中では一部の概念に過ぎません。

 中国占術の枠組みで考えても人の持って生まれた宿命やそのときそのときの運気の善し悪しというものがあり(それらを判断するための占術がたとえば四柱推命です)風水という個人がおかれた環境などから受ける影響があり、その個人が持つ人徳や意思、そして読書などによる個人の努力や知見の広さというものはすべて人生に影響を強く与えるものだと考えられているということですから。

 ですからこれらひとつの概念だけを抽出して確実に不幸(あるいは幸運)が確約されるというのはそもそも考え方としてわたしは信じることが難しいものだと考えていますよ。

 ともあれ、ここで挙げさせて頂いているような知識をうまく活用して良い住宅を選んで頂きますよう。

 それではこの記事はここまでです。ここまで読んでいただきありがとうございました。 

 また冒頭に書いたようにこのサイトでは物件選びに関して、この記事のほかに「住んではいけない物件10選」「住んではいけない間取り10選」という記事や、風水を利用して物件探しをする際のわたしの考えをまとめた記事は以下の通りです。

 これらの記事で扱っていない目に見えない気の流れに関する理論として、世界で最も信頼されている技法である「玄空飛星派風水」がどのようなものかについての記事なども書いていますのでよかったらそれらの記事も見てみて頂けると嬉しく思います。

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