風水について考える際に、本命卦というものについて目にすることがあると思います。
本命卦(ほんめいけ/ほんめいか)は一言で言えば「玄空飛星派などの中国風水の技法において物件の持つ各方位と個人との相性を判断するための指標」です。
※なお、後にも記しますが八宅派風水の算出基準は玄空飛星派風水と同一で、九星気学における本命星の算出基準は少し異なります。
なお、この記事はざっとした概略と本命卦の表だけの資料記事ですのでご了解くださいね。
玄空飛星派風水(フライングスター風水)の本命卦とは何か?
このサイトでも紹介している八宅風水や玄空飛星派風水などの技法において、たとえば住宅などの各物件は、その物件ごと(あるいはその個人ごと)に各方位で異なる気の流れを持つものだと説きます。
その中でこの本命卦というものは「住宅などの物件が持つ気と各個人の適合」を判断するものです。
ここから少し玄空飛星派風水における本命卦の扱いについてざっと記しておきます。
まず、玄空飛星派風水(フライングスター風水)は「住宅などの建築物はその建築の時期と物件の方位によって各々が独自の気の流れを持つものだ」という理論に基づいて宅内の状況を判断するもので、現在世界で最も使用されている風水技法と言って差し支えないと思います。理論概要は下の記事を参照ください。
そしてまたこの技法においては1から9までの星がそれぞれ五行の意味を持つものものとされます。
数 | 五行 | 吉凶 | 意味 |
1 | 水 | 中吉 | 学問での成功・子孫繁栄 |
2 | 土 | ※ | 病・吝嗇(けち)/治癒※ |
3 | 木 | 凶 | 事故・盗難 |
4 | 木 | 凶 | 不貞・狂気 |
5 | 土 | 大凶 | 突発的な災い・破滅 |
6 | 金 | 凶 | 法的トラブル・事故 |
7 | 金 | 凶 | スキャンダル・破壊 |
8 | 土 | 凶 | 停滞 |
9 | 火 | 大吉 | 成功・結婚 |
この玄空飛星派風水における命卦の判断法は複数存在しますが、メインとなるものは「個人は命卦と同じ星の影響を強く受ける」というところでしょうか。
八宅派風水(八宅明鏡)における本命卦の算出基準は同じ、扱いが異なる
八宅風水(八宅明鏡)における本命卦については、「どのような物件であってもその個人が受ける各方位の気の流れは同じ」「すべての物件がもともと持つ気の流れは物件の八区分方位により求められる」という原則と、また「八宅」の区分は後天八卦と言われる八卦区分に基づきます。
※先の玄空飛星派との大きな違いは「時間経過による気の流れの差異があるかどうか」という点で、この八宅派においてはその時間の流れによる気の流れの差異は原則としては考慮されません。
図は北を下、南を上に書いたもので、この後天八卦において坎(かん)は北方位を指し、艮(ごん)は北東、震(しん)は東、巽(そん)は南東、離(り)は南、坤(こん)は南西、兌は西、乾は北西を指します。
そのうえで、たとえば坎の本命卦(坎命)を持つ方の場合にはどのような物件に住んだとしても下記のようにその個人に対する気の流れの区分が存在すると説くものです。
※図は下側が北、上側が南で、「坎宅」と記載はありますが坎宅の宅盤と坎命の命盤は同じです。
つまりこの技法においては、坎の命卦を持つ方の場合はどのような物件であっても北、東、南東、南の4方位を吉方位として、北東、南西、西、北西の4方位を凶方位として扱うということになります。
この八宅風水の概要は以下の記事に記してありますが、わたしはこの八宅明鏡に基づく八宅風水は原則として使用しません。
たとえば同級生同士の夫婦が建てた家というのは世間に数限りなく存在すると思いますが、この八宅明鏡方式の理論を正しいものだとした場合、同級生同士の東四命と西四命が一致する確率は割と低いものだということが記事中の早見表を見比べて頂くとわかりますよ。
九星気学における本命星は若干算出基準が異なる
もう一点よく混同されることなので少し書いておきますと、九星気学において本命星は理論の根幹ともいえるものでおおむねこの中国風水の本命卦と似た基準で算出を行うものですが、九星気学の本命星の算出には中国風水の本命卦と比較すると二つの違いがあります。
一つ目は中国風水の本命卦においては五黄にかかる本命卦は存在せず五黄に該当する年の男性は坤二宮を適用し、女性は艮八宮を適用することに対して九星気学では五黄土星という本命星を使用すること。
もう一つは中国風水においては同じ年の生まれであっても男女により本命卦は異なると考えますが、九星気学の本命星では同じ年(立春基準)に生まれた方は男女の差なく同じ本命星を持つものとしており、中国風水における男性の本命卦がそのまま九星気学における男女同一の本命星となるということ。
九星気学の本命星では一白水星、二黒土星、三碧木星、四緑木星、五黄土星、六白金星、七赤金星、八白土星、九紫火星、という名称を使用し、この五行の区分も中国風水の五行と同一の考え方で明らかに中国占術の影響のもとで構築された理論であることに疑いはありません・・・が、わたしは九星気学は使用しません。
中国風水の本命卦(ほんめいけ/ほんめいか)早見表
注意:一年の切り替わりはその年の立春・立春の日時は年により異なります
それではここから早見表を記していきますが、中国風水における一年の切り替わりの基準は新暦の1月1日ではなく、二十四節季の立春です。
そのため毎年の切り替わりの日は2月4日前後となりますが、立春はその年によって若干の誤差があり、誕生日が立春である方については出生時間とその年の立春の節入りの時間を比較検討する必要がありますのでご注意ください。
ネットにも立春の時間に関する情報はある程度落ちているかと思いますがきちんと確認したい方は複数のサイトで確認を行うか、あるいは万年歴などを確認してその年の立春の時間を確認することが確実かもしれません。
参考HP:
「2024年・令和6年」今年の「二十四節気」はいつ? ※年変更可
便民查询网「二十四节气查询」 ※中国語サイト、時間も中国標準時間のため時差を差し引く必要があります。
参考書籍:山道帰一先生「風水・擇日・奇門 万年暦」
さらに言うなら時間の考え方も厳密には明石市を基準とする時計の時間とは異なる、その現地ごとの自然時を採用することは注意してくださいね。自然時の考え方については「月破大耗カレンダーと鐘福堂通書」の記事を参照ください。
それではここから早見表を置いておきます。ここでは昭和元年から令和6年までの本命卦を記載しており、和暦ごとに表を分けています。
「坎(かん)1」といった記載の場合には、八宅風水において坎命の盤を使用して玄空飛星派風水において1の本命卦を使用する、といった感じで見て頂けたら。
1926年~1988年(昭和元年~63年)生まれの方の本命卦
生年月日 | 和暦参考 | 男性 | 女性 |
1926年2月4日~ | 昭和1年 | 坤2 | 巽4 |
1927年2月5日~ | 昭和2年 | 坎1 | 艮8 |
1928年2月5日~ | 昭和3年 | 離9 | 乾6 |
1929年2月4日~ | 昭和4年 | 艮8 | 兌7 |
1930年2月4日~ | 昭和5年 | 兌7 | 艮8 |
1931年2月5日~ | 昭和6年 | 乾6 | 離9 |
1932年2月5日~ | 昭和7年 | 坤2 | 坎1 |
1933年2月4日~ | 昭和8年 | 巽4 | 坤2 |
1934年2月4日~ | 昭和9年 | 震3 | 震3 |
1935年2月5日~ | 昭和10年 | 坤2 | 巽4 |
1936年2月5日~ | 昭和11年 | 坎1 | 艮8 |
1937年2月4日~ | 昭和12年 | 離9 | 乾6 |
1938年2月4日~ | 昭和13年 | 艮8 | 兌7 |
1939年2月5日~ | 昭和14年 | 兌7 | 艮8 |
1940年2月5日~ | 昭和15年 | 乾6 | 離9 |
1941年2月4日~ | 昭和16年 | 坤2 | 坎1 |
1942年2月4日~ | 昭和17年 | 巽4 | 坤2 |
1943年2月5日~ | 昭和18年 | 震3 | 震3 |
1944年2月5日~ | 昭和19年 | 坤2 | 巽4 |
1945年2月4日~ | 昭和20年 | 坎1 | 艮8 |
1946年2月4日~ | 昭和21年 | 離9 | 乾6 |
1947年2月5日~ | 昭和22年 | 艮8 | 兌7 |
1948年2月5日~ | 昭和23年 | 兌7 | 艮8 |
1949年2月4日~ | 昭和24年 | 乾6 | 離9 |
1950年2月4日~ | 昭和25年 | 坤2 | 坎1 |
1951年2月5日~ | 昭和26年 | 巽4 | 坤2 |
1952年2月5日~ | 昭和27年 | 震3 | 震3 |
1953年2月4日~ | 昭和28年 | 坤2 | 巽4 |
1954年2月4日~ | 昭和29年 | 坎1 | 艮8 |
1955年2月4日~ | 昭和30年 | 離9 | 乾6 |
1956年2月5日~ | 昭和31年 | 艮8 | 兌7 |
1957年2月4日~ | 昭和32年 | 兌7 | 艮8 |
1958年2月4日~ | 昭和33年 | 乾6 | 離9 |
1959年2月4日~ | 昭和34年 | 坤2 | 坎1 |
1960年2月5日~ | 昭和35年 | 巽4 | 坤2 |
1961年2月4日~ | 昭和36年 | 震3 | 震3 |
1962年2月4日~ | 昭和37年 | 坤2 | 巽4 |
1963年2月4日~ | 昭和38年 | 坎1 | 艮8 |
1964年2月5日~ | 昭和39年 | 離9 | 乾6 |
1965年2月4日~ | 昭和40年 | 艮8 | 兌7 |
1966年2月4日~ | 昭和41年 | 兌7 | 艮8 |
1967年2月4日~ | 昭和42年 | 乾6 | 離9 |
1968年2月5日~ | 昭和43年 | 坤2 | 坎1 |
1969年2月4日~ | 昭和44年 | 巽4 | 坤2 |
1970年2月4日~ | 昭和45年 | 震3 | 震3 |
1971年2月4日~ | 昭和46年 | 坤2 | 巽4 |
1972年2月5日~ | 昭和47年 | 坎1 | 艮8 |
1973年2月4日~ | 昭和48年 | 離9 | 乾6 |
1974年2月4日~ | 昭和49年 | 艮8 | 兌7 |
1975年2月4日~ | 昭和50年 | 兌7 | 艮8 |
1976年2月5日~ | 昭和51年 | 乾6 | 離9 |
1977年2月4日~ | 昭和52年 | 坤2 | 坎1 |
1978年2月4日~ | 昭和53年 | 巽4 | 坤2 |
1979年2月4日~ | 昭和54年 | 震3 | 震3 |
1980年2月5日~ | 昭和55年 | 坤2 | 巽4 |
1981年2月4日~ | 昭和56年 | 坎1 | 艮8 |
1982年2月4日~ | 昭和57年 | 離9 | 乾6 |
1983年2月4日~ | 昭和58年 | 艮8 | 兌7 |
1984年2月5日~ | 昭和59年 | 兌7 | 艮8 |
1985年2月4日~ | 昭和60年 | 乾6 | 離9 |
1986年2月4日~ | 昭和61年 | 坤2 | 坎1 |
1987年2月4日~ | 昭和62年 | 巽4 | 坤2 |
1988年2月4日 ~1989年2月4日 | 昭和63年 | 震3 | 震3 |
1989年~2019年(平成元年~31年)生まれの方の本命卦
生年月日 | 和暦参考 | 男性 | 女性 |
1989年2月4日~ | 平成1年 | 坤2 | 巽4 |
1990年2月4日~ | 平成2年 | 坎1 | 艮8 |
1991年2月4日~ | 平成3年 | 離9 | 乾6 |
1992年2月4日~ | 平成4年 | 艮8 | 兌7 |
1993年2月4日~ | 平成5年 | 兌7 | 艮8 |
1994年2月4日~ | 平成6年 | 乾6 | 離9 |
1995年2月4日~ | 平成7年 | 坤2 | 坎1 |
1996年2月4日~ | 平成8年 | 巽4 | 坤2 |
1997年2月4日~ | 平成9年 | 震3 | 震3 |
1998年2月4日~ | 平成10年 | 坤2 | 巽4 |
1999年2月4日~ | 平成11年 | 坎1 | 艮8 |
2000年2月4日~ | 平成12年 | 離9 | 乾6 |
2001年2月4日~ | 平成13年 | 艮8 | 兌7 |
2002年2月4日~ | 平成14年 | 兌7 | 艮8 |
2003年2月4日~ | 平成15年 | 乾6 | 離9 |
2004年2月4日~ | 平成16年 | 坤2 | 坎1 |
2005年2月4日~ | 平成17年 | 巽4 | 坤2 |
2006年2月4日~ | 平成18年 | 震3 | 震3 |
2007年2月4日~ | 平成19年 | 坤2 | 巽4 |
2008年2月4日~ | 平成20年 | 坎1 | 艮8 |
2009年2月4日~ | 平成21年 | 離9 | 乾6 |
2010年2月4日~ | 平成22年 | 艮8 | 兌7 |
2011年2月4日~ | 平成23年 | 兌7 | 艮8 |
2012年2月4日~ | 平成24年 | 乾6 | 離9 |
2013年2月4日~ | 平成25年 | 坤2 | 坎1 |
2014年2月4日~ | 平成26年 | 巽4 | 坤2 |
2015年2月4日~ | 平成27年 | 震3 | 震3 |
2016年2月4日~ | 平成28年 | 坤2 | 巽4 |
2017年2月4日~ | 平成29年 | 坎1 | 艮8 |
2018年2月4日~ | 平成30年 | 離9 | 乾6 |
2019年2月4日 ~2020年2月4日 | 平成31年 | 艮8 | 兌7 |
2019年~(令和元年~)生まれの方の本命卦
生年月日 | 和暦参考 | 男性 | 女性 |
2019年2月4日~ | 令和1年 | 艮8 | 兌7 |
2020年2月4日~ | 令和2年 | 兌7 | 艮8 |
2021年2月3日~ | 令和3年 | 乾6 | 離9 |
2022年2月4日~ | 令和4年 | 坤2 | 坎1 |
2023年2月4日~ | 令和5年 | 巽4 | 坤2 |
2024年2月4日 ~2025年2月4日 | 令和6年 | 震3 | 震3 |
それではこの記事はここまでです。単なる資料のみで恐縮ですがここまで読んでいただきありがとうございました。
また他の記事も読んでいただけるとうれしく思います。
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