フライングスター風水（玄空飛星派）鑑定例①賃貸二人暮らし

周辺環境

　まずはじめに建物の鑑定を行う際にはその建物の周辺環境にかかる点を見ていきます。が、ここで地図を出すわけにはいかないので文章だけで説明しますと・・・

　道路の突き当りや線路などといった目立つ煞（「さつ」と読みます。悪いもののことです。）はありませんが、いくつかの建物からの角は向かってきている小さな壁刀煞がいくつかあることと、直近ではないですがガソリンスタンドが割と近くにある物件でした。

　悪いものをすべて避けることは街で生活する以上難しいことですので、まず致命的に悪い環境を避けることが大事になるわけです。

　なお、建物の形や部屋の形は安定しており好ましい物件になると考えます。

　この建物は前方に道路があり、後方には大きな建物、右側に主となる建物の同程度の大きさの建物があって右側には小路と空地です。

　建物の後方は貴人方位とも呼ばれ「目上の方からのフォローの有無」を示し、右は宅内の女性に対するフォロー、左は宅内の男性のフォロー、そして前方は財運を象徴する方位です。

　つまりこの建物は単純な周辺環境から言えば「目上の方からの引き立てが得られやすく、宅内の女性のフォローが強い家。ただし壁刀煞の影響によって消耗を受けやすい側面やガソリンスタンドによる環境の悪さもある家なのではないか」とみることができるわけです。

フライングスター風水（玄空飛星派）の飛星図の解釈

　※特定を避けるため一部に変化を加えています。

　この図面が宅内の気の流れを判断するものとなります。

　「第八運の子山午向」とは、第八運の期間内（２００４年～２０２３年）に建てられた建物で、背中を子方位（真北付近）に、顔を午方位（真南付近）に向けた建物のことを指します。

　また、右の表は南側を上に描かれたもので、赤字の↑は南向きの家であることを示しており、左側の間取りはバルコニー側が南側のため、運気を意味する数字は１８０度反転させた形で転記しています。

　なお、右の表における一つの方位の３つの数字のうち、右上の数字「向星（水星）」と左上の数字「山星」のみを左の図に転記しており、基本的な鑑定はこの向星と山星の吉凶をそれぞれの方位ごとに確認していくことになります。

　また、２０２４年２月３日までの期間において良い数字は「８・９・１」の３つで、大吉の数は８、中吉が９，小吉が１です。２０２４年２月４日以降の良い数字は「９・１・２」の３つで、大吉が９，中吉が１，小吉は２となり他はすべて原則的には悪い数字となります。

玄関

　玄関は山星(赤字左の数字です)が７、向星（赤字右の数字です）が９の方位にあります。玄関は活動的な場所として向星の吉凶を判断しますのでこの宅においては玄関方位の向星は９です。

　この宅における財運はとても好ましいものになると考えます。

DK

　山星と向星が「９・７」「７・９」「２・５」のエリアにまたがっています。DKについては活動的なエリアのため、向星を判断するため、「７」「９」「５」のエリアが混在しているとみるわけです。

　キッチンのある「向星７」の方位は好ましくありません。「７」の悪い象意（スキャンダル・破壊など）が出る可能性があると考えらます。

　玄関方位と同じ向星９の方位は好ましい方位となりますのでこのDKで食事をとるならば向星９の中央付近が良いということになります。少し狭いですが・・・。

　また、東側の「山星２向星５」のエリアは突発的な不幸や死などを象徴するエリアであるため、この方位で食事をとる、長時間の滞在などはすべきでないエリアとなります。

南東洋室

　南東側洋室は山星・向星が「２・５」「３・４」「８・８」のエリアにまたがっています。南西側洋室との兼ね合いからこの部屋をリビング用途に使用してはどうかと提案しました。

　リビングとして考えた場合には原則向星の吉凶を判断するわけですが、この部屋の向星派５・４・８がまたがっており、良い数字は８のみとなります。

　向星は活動的な方位において効果が強く出るものです。ことにテレビは動的な映像を流すものなので向星がよいエリアに設置することが望ましいです。

南西側洋室

　南西側洋室は山星・向星が「８・８」「１・６」「６・１」のエリアにまたがっています。

　寝室として利用する場合には左側の数字、山星の吉凶を判断するもので、南東側洋室との兼ね合いもありこの部屋は寝室として利用するのが好ましいと伝えました。

　またこの方位の山星１は建物右側にある別の建物によるフォローを受けており、かつ６と１の組み合わせは金生水の組み合わせに該当するため、力を得た山星１とみることができるわけです。

風呂・トイレ・収納

　風呂、トイレ、収納について玄空飛星派では吉凶を判断しません。そのため、「悪い星が巡っている箇所」に風呂やトイレ、収納が来ていることが最善となります。

　ここでは「５・２」の突発的な不幸ごとや死を意味する組み合わせの方位に風呂トイレが来ているため、とてもよい結果でした。

注意点と改善の提案

太極

　建物の中心のことを太極と呼びます。この建物は太極に山星４と向星３が来ています。ここで象徴されるものは恋愛関係のトラブル、ことに長女がいた場合にその可能性が顕著とされています。

　また、この物件にもし長く住んだ場合には２０３１年に不運が巡る可能性があるとされ、注意が必要です。

玄関

　玄関については向星９の位置にあるためとても良い位置です。

　ですが７（金）と９（火）の組み合わせは火剋金となり好ましい組み合わせではないため、「土」の五行を利用して火と金の相克関係を中和する（土を置くことで火が土を生み、土が金を生む相生の関係の流れが作り出せます）方がより好ましいです。

　また、木の五行を使用することで金剋木、木生火の流れを作り出すこともよいでしょう。

　そうすると陶器に土が入った観葉植物を設置することが最も好ましいと考えます。

DK

　DKについて、キッチンの位置が向星７に位置していることが問題だと書きました。７は金の五行に属し、改善には水か木を利用します。

　たとえば風水でよく使うこうした場合のグッズとしては「水竹」というものがあり、鉢に水を入れたものに三本の竹を入れておくというものです。水と木の合成物であり、三本は木を示します。また、丸型の水鉢などに塩水を入れておく「安忍水」というものも使用できるかと思います。あるいは小さな観葉植物を飾ることもいいかもしれません。

　部屋の雰囲気や好みとの兼ね合いもありますが、そうしたものを飾ることを提案しました。

　また、東側の山星２向星５のエリアは食事をとることや長時間滞在することを避けるべきエリアとなります。２や５は土の五行であり、悪い効果を抑えるためには金や水の五行を使用します。

　たとえば白色のスチールラック（スチール、白色ともに金）や黒色のスチールラック（スチール＝金と黒色＝水）を置いたりするのもよいでしょう。丸形の水鉢にいれた塩水、安忍水などの設置も良いでしょう。人によっては鉄アレイなどを置く場所としてもよいかもしれません。

　こうした５の悪い意味を抑えるために風水で使用する特殊なグッズ「六帝古銭」や「銅風鈴」なども存在します、、、が、高価なものが良いというわけではありません。安価なものならアマゾンなどで１，０００円～２，０００円程度で購入可能ですよ。

南東側洋室

　南東側の洋室は山星８向星８のエリアにテレビを設置することがのぞましいと伝えました。ただし８が吉数であるのは２０２４年２月３日までのお話ですので、それ以降は金や水の五行を使って土のエネルギーを弱める必要があります。

　ただし南東方位の向星４（木）は好ましい数字ではないため、悪い効果を抑えるために土や火の五行を使います。

　火の家具、、、赤系統のソファやラグマットなどが該当しますがいざ部屋に置くには人を選ぶと思いますので、土の五行を使用するならばばブラウン系のソファやラグマットを置いたり、キャンドルなどを設置することもよいと提案しました。

　山星２向星５のエリアについては、DKと同じく長時間滞在してはいけないエリアとなります。

南西側洋室

　この部屋の用途は寝室が望ましいと書きましたが、正確にはこの南西側の洋室はリビング用途と寝室用途の双方に望ましいエリアです。河図と呼ばれる特殊なルールによって１と６の数字が結びつくため、全方位が向星の良いエリアとしてもみることができるためです。

　ですが平日は会社ですごす時間が長いことから、このケースでは寝室に吉星を使用した方が望ましいという判断になります。

　また、最大吉の方位は向星８、山星８のエリアですがその効果の持続期間が短く、間取りからも使いづらい方位のためベッドの配置は西側の壁につけて使用を薦めています。

　メインで判断すべき山星は１（水）の方位となることから風水効果を向上させるためには金、水の五行を使用します。例えば白や黒、紺色などのベッドや布団、カーテンやチェストといったものです。

まとめ

　と、ここまで見てきたものが基本的な周辺環境の確認と玄空飛星派の宅内の気の流れを見る手順です。要点をまとめますと、

　といったところでしょうか。高価なパワーストーンやお札やお水などといったものは少なくとも風水理論の産物ではありません。改善については基本的には身の回りで使用するもので代用が可能だと考えています。

　そして環境についてですが、実際問題としてある程度いくつかの悪い形はある中で、致命的に悪い場所をまず避けることと、悪いものが少ない場所を選ぶことが重要なのではないかと考えています。悪いものがひとつも周辺に存在しない家というのは街に住む限りほぼ無いと思われますので。

　また、宅内の運気についても、ここで見た例でわかるように、宅内すべての運気が好ましい家というものは存在しません。どの家にも好ましい運気の流れる方位と悪い運気が流れる方位があるわけです。

　それらをどう使うのか、また致命的に悪い方位の使用を避けることが重要となるわけです。

　たとえば玄関の方位は動かせるものではありませんが、ベッドの位置が悪い場合はベッドの位置を変えることが第一の改善策であるわけです。

　財運についてはじっさいこの夫婦が副業のできない会社員であることから財運に良いといっても給与が倍増したりすることはもちろんありえませんが、財運については事業主や投資家などにおいては効果は出やすいだろうと見ますし、また財運のみに限らず玄関方位に凶悪な星が来ていないことはとても重要な要素です。

　もちろんここに書いたものは基本的な理論や事柄だけですので実際にはこの他にも複数の技法を使って鑑定をしていくわけですし、鑑定したのが仮に２年前であれば判断はまた異なった形になったとも思います。

　この例で挙げた基本理論の概要については「玄空飛星派風水のあらましについて」という記事に、五行思想の概要は「陰陽五行思想」に、周辺環境の悪いものの代表例は「風水が教える選んではいけない物件１０選（周辺環境編）」まとめてありますのでよければそちらも見てみていただければ嬉しいです。

　ここまで読んでいただきありがとうございました。