≪2024年版≫フライングスター風水(玄空飛星派)の月飛星

 玄空飛星派風水における月飛星とは、一か月単位で入れ替わり、すべての住宅に等しく流れる気の流れを説くものです。

 この月飛星について、鑑定など相談をお受けする中で質問をお受けすることがちらほらあります。

 この月飛星についてのわたしの結論は「フライングスター風水のあらましについて」や「玄空飛星派の年飛星」に書いたとおり「月飛星はそれほど考慮しない」なのですが・・・

 ここではもう少し突っ込んでこの問題について、2024年の月飛星についても紹介したうえでわたし自身の考えを記しておきたいと思います。こうした問題に興味がある方、あるいは心配になっている方は読んでみて頂けたら。

 なお、こうした問題については様々な考え方があるもので、この記事に挙げるものはあくまでも私自身の考えです。考え方のひとつとして参考にして頂けたら幸いに思いますよ。

目次

≪2024年甲辰年版≫フライングスター風水(玄空飛星派)の月飛星

 まずはこの月飛星についての概略を再度記しておくと、玄空飛星派においてはもともと建物が独自に持っているチャートの他、「どの建物にも共通する、その年、その月、その日、その時間帯」に飛星する年飛星、月飛星、日飛星、時飛星(=年紫白、月紫白、日紫白、時紫白)というものがあります。

 この時間軸においては、わたしたりが通常使用する暦ではなくて、毎年2月4日前後の立春で一年が切り替わるもので、月の切り替えも二十四節季により変化すると考えるものです。

 そのうち年飛星については「フライングスター風水の年飛星」の記事にわたしの考えは記したところですが、月飛星については2024年甲辰年において以下のように飛星します。

 ここからすべての飛星図は、中央の黒字が2024年の年飛星で、右下の赤字がその月ごとの月飛星です。ここからすべての図において南を上に、北を下に描かれたものですのでご注意くださいね。

2024年2月4日~3月4日(寅月)の月飛星

2024年3月5日~4月3日(卯月)の月飛星

2024年4月4日~5月4日(辰月)の月飛星

2024年5月5日~6月4日(巳月)の月飛星

2024年6月5日~7月5日(午月)の月飛星

2024年7月6日~8月6日(未月)の月飛星

2024年8月7日~9月6日(申月)の月飛星

2024年9月7日~10月7日(酉月)の月飛星

2024年10月8日~11月6日(戌月)の月飛星

2024年11月7日~12月6日(亥月)の月飛星

2024年12月7日~2025年1月4日(子月)の月飛星

2025年1月5日~2月2日(丑月)の月飛星

月飛星に対する化殺の注意点

年飛星/月飛星/日飛星/時飛星の区分ごとの影響力のはなし

 はじめに書いたように、玄空飛星派風水においては、年飛星、月飛星のほかに日飛星、時飛星という飛星が存在するものです。

 そして大切なこととして、これら年単位~時間単位までの各飛星については、その影響力は同一ではなく、年飛星→月飛星→日飛星→時飛星の順に影響力は小さくなっていくものです。

 仮にこれらの飛星のすべてが同じ影響力を持つとしたならば、もともとの山星向星がどれだけ良い方位でも、「十八時間ごとに二時間、九日に一日、九か月に一度」不幸を呼ぶとされる最凶星「五黄」が巡り、逆にどれだけ悪い方位でも「十八時間ごとに二時間、九日に一日、九か月に一度最高の吉星が巡る」ものとなるわけです。

 それが真実だとしたならば、ひとつの方位で六時間睡眠した場合に最高の時飛星、あるいは最悪の時飛星が就寝方位に巡る確率は三分の一となりますから、そんなわけはありません。

 そう考えたときに、たとえば四柱推命において大運というものが毎年の年運よりも強い力を持ち、年運の力が月運よりも大きいのと同じように、年飛星は月飛星よりも力が大きく、月飛星は日飛星よりも力が大きく、日飛星は時飛星よりも力が大きいものだと考える方が自然なことは言うまでもありません。

 つまり大原則として年飛星と月飛星の影響力だけを比較したら、月飛星の影響力は年飛星よりも小さいものだということです。

化殺の優先順位

 先に年飛星は月飛星よりも影響力が大きいだろうことを書きました。

 つまり、年飛星の五黄が巡る方位に月飛星の最大吉星9が巡ったところで、その方位が好ましい理由にはならず、年飛星の最大吉9が巡る方位に月飛星の五黄が巡ったところでその方位が悪い方位とならないのもまた当然の話です。

 そもそも年飛星の化殺という問題についても、もともとのその物件が持つチャートを確定して、もともとの山向星と年飛星の組み合わせとそのエリアの活用方法によって化殺の内容を検討するのが通常です。もともとの山星5の寝室に年飛星9が巡ったところで好ましい寝室になるわけはありませんから。

 そのために、月飛星を含めた化殺を行ってインテリアを検討した場合、往々にして影響力の大きいもともとの山向星と年飛星の組み合わせを無視した化殺となってしまいます。

 一例を挙げたら年飛星の5が巡る方位に月飛星の7が巡っていたとして、月飛星の7金を化殺(剋出)するために木の五行による化殺を行った場合には、木は5土を剋して年飛星の最凶星5を活性化してしまうということです。

 実際に化殺を検討する際にはここにもともとの山向星の組み合わせによる判断が入るので実際の判断はもう少し複雑なものですから、月飛星を化殺しようとすればかなり高い確率でもともとの影響力が大きいもののための化殺と矛盾する事態が発生します。

月単位のインテリア移動は困難

 また次に現実的な問題として、月単位で就寝位置や各々の化殺の内容、つまりインテリアやカーテンなどを移動、あるいは変更することは非常に困難です。

 たとえば定年を迎えて生活によほど時間的余裕のある方などならいざ知らず、例えば一人暮らしの企業勤めの方々などが毎月月飛星を検討したうえで家具などの配置を変更することはほぼ不可能に近いだろうと考えています。

 少なくとも勤め人をしていた時期のわたしなら確実に不可能です。

 日常生活においてそこまでの継続的な努力がなければ風水に効果が出ないというならば風水というものを利用することはとても困難なことのようにわたし個人は思います。

 もしも毎月の化殺変更が必須だとしたら、毎月の義務化された化殺のことを考えるだけでストレスがすごそうですし・・・。それでストレスを抱えてしまってはきっと本末転倒ですよ。

月飛星まで含めて化殺するならば?

 では、さきほどまでに書いた事柄を含めて月飛星までの化殺を行うとするならどう考えるべきでしょうか。

 その場合なら、わたしはもともとの山向星と年飛星の組み合わせに対する化殺と矛盾しない範囲内でのみ化殺を考えるべきではないかと考えています。

 ですがそれは言い換えれば、「もともとの山向星や年飛星に対する化殺と矛盾する場合には月飛星の化殺は考慮しない」ということ。

 そもそも論としてあくまで最優先すべきはもともとその宅が持つチャートの特定を行ったうえで、その山向星に対する化殺ですので、それを抜きにして年飛星だけの化殺を行う事も無理があるのではないか、とわたしは考えています。

 もとの山向星と年飛星の化殺を実施したうえで、それと矛盾しない範囲内の判断を行って、そこに月飛星を加味して毎月化殺を入れ替える・・・

 もしもそれを実用的な範囲内で考えるのであれば、「もともとの山向星と年飛星に対する化殺と矛盾しない場合に、最凶星である月飛星の五黄の方位に六管風鈴を移動させる」あたりが落としどころのように私は思います。

 つまり六管風鈴は金の五行に属する化殺アイテムですので、金の悪い飛星が力をふるっている方位については設置が不適なので、それらの方位に該当しない限りで月飛星の五黄が巡る方位に六管風鈴を置く、というあたりでしょうか。

 そしてもう一つこれらの状況から言えることは、年飛星と月飛星が重複する時期においてはそれらの持つ意味が強くなりやすいものであることから注意が必要であるということです。

 2024年甲辰年で言うなら、年飛星と月飛星は辰の月と亥の月に重複していることから、その月にはたとえば五黄の巡る西方位においては注意が必要、あるいは可能なら化殺を厚くした方が好ましいということですよ。

 そしてこのサイトではしばしばお伝えしているように、化殺というものは原則としてあくまでも五行によるものが主たるものです。(六管風鈴、六帝古銭、安忍水、水竹・・・そうしたものはすべて五行の属性に基づく化殺の手法です)

 個別のアイテムでこうした理気の問題に対する化殺を行うというのは基本的にはわたしは疑問を感じていますのでご参考になれば幸いです。

おわりに/風水全体の中での月飛星の割合は?

 ここまでこのように玄空飛星派風水における月飛星に対するわたしの考え方を書いてきました。

 最後にもう一つ話を広げるならば、そもそも一軒の住宅を見るための風水技法はこの玄空飛星派風水による宅内の判断がすべてだというわけではありません。

 全体で考えたらそもそも自宅の周辺環境があって自宅建物の目に見える構造や間取りの善し悪しがあり、水法などで測る自宅外部の理気の流れがあり、そして玄空飛星派風水やそのほかの技法で判断する自宅内部の気の流れがあるというのが一軒家の風水の全体像です。

 さらに言うなら風水の目標が「個々人の人生」にあるのは言うまでもないことなので、それに対する中国伝統風水の処方としては風水のみがすべてではなく、たとえば四柱推命における個々人の命式やその時期における身の処し方、あるいは奇門遁甲などの方位術といったものも含まれるわけで。

 そう考えたときに月飛星というものが持つ影響力というものは全体からすれば小さなもので、風水のみを考えても月飛星の化殺に労力とお金をかけるならば周辺環境に対する問題の改善であったり水法における凶水の改善に注力する、もっとお金をかけるならリフォームなどを行った方が全体として求められる風水改善の期待値は高いのではないでしょうか。

 そうしたことを考えると、なおさらに風水アイテムというものの役割は低いように自分は考えています。お金を浪費して風水アイテムを買い続けるくらいなら建物の隣に外付けの物置を一つ買った方が、あるいは外構で塀を造作した方が好ましい場合などは多々あるものですから。(無論ケースバイケースですし賃貸物件での対応は難しいものですが・・・)

 あくまでも玄空飛星派風水というロジックが風水のすべてではありませんから、そうするとなおさら月飛星というものに対する優先順位は低くなるだろうというのがわたしの考えているところです。

 たとえば日選び(擇日)の概念を生活に取り入れてなるだけ好ましい時間帯を生活の節々に取り入れる、そうしたことも運気の改善という目的を達するための手段の一つですから。

 さまざまな専門家により考え方は複数ある問題ではありますが、少なくともわたしはそのように月飛星を捉えており、わたし自身も自宅で月飛星に対する化殺は行っておりません笑

 この記事がこうした問題に悩む方の参考になればうれしく思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

 この記事においては月飛星に対するわたしの考えをまとめてみました。

 こうした話の根底にあるのは玄空飛星派の理論そのものや化殺に対する考えであり、基本的なわたしの考え方は以下の記事にまとめてありますのでよければそうした記事も読んでいただけるとありがたく存じます。

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