この記事は中国占術の四柱推命を使用しているわたしが天中殺と大殺界を気にしない理由について記すものです。
前編記事では四柱推命における空亡と、算命学における天中殺、六星占術の大殺界という概念がどのような理論背景を持ったものかの概略を書きましたので、この後編記事ではこの問題に関する著名人の実例とわたしの考えを記します。
これら天中殺や大殺界という用語はもともと算命学や六星占術の理論として説かれていたものよりも俗説において内容が拡大されてしまっているところがあるのではないかとわたしは感じていますが、すこしこれらの概念について調べてみると「なにか新しいことを始めたり結婚などをするとすべて悪い結果をもたらす大凶の時期」というような言説がとても多いような気がします。
この記事ではそれらの俗説について反証となりそうな著名人の実例と、わたしが個人的に考えていることや疑問点について記しており、それは「わたしが天中殺や大殺界を気にしない」理由といえるものです。
なお、この記事は3万7千字程度の本気記事です。時間の無い方は実例と各節のタイトルから興味を持っていただける部分だけ見て頂いても参考になるかもです。
ここに記すのはあくまで算命学や六星占術を専門的に学んだことのないわたしが考える、「すべて不幸な結果を生み出す凶の時期」というような単なる俗説に対する個人的な考えであり、最終的な選択はもちろんこれを読んでいただいたあなた自身が決めて頂くことですが・・・
どうか天中殺や大殺界の俗説などからあなたの選択、結婚や出産、あるいは就職や引っ越しなどの人生の岐路、そしてなにより将来に悲観などをしてしまわぬようにと願います。
※この記事は、いずれもう少し実例などを加筆して有料記事に移行する予定ですので気になる方は早めに見て頂けたらと思います。(プラットフォームはこのサイトやNOTE、ココナラなどを検討していますが有料化の時期も含めて詳細は未定です)
空亡と天中殺と大殺界の概略(前編記事)のおさらい
まず前編で綴った内容として、わたしの理解の中での四柱推命の空亡、算命学の天中殺、六星占術の大殺界について簡単におさらいしておきます。
※この節の記載はロジックに関するものです。ロジックに興味の無い方はこの節は飛ばして実例以降を読んでいただけたらと思いますが・・・
ひとまずここでの重要な結論としては、「算命学の天中殺と六星占術の大殺界はどちらも四柱推命の「空亡」という概念と同じ算出基準で求められるものだが、四柱推命の空亡はあくまで補佐的な意味を持つというだけで単純に凶と判断するものではないため解釈が異なる」ということです。
それさえわかっていただけたらこの節の記載を理解していただく必要はありません。
・四柱推命は1100年代、宋の徐子平が四柱推命の最古の書が記していることから宋代に現在の形に大成されたと言われている(ルーツはもっと古いです)
・現在も香港、台湾などをはじめ世界で使用され研究され続けられている(英名「four pillars」/「Bazi」)
・個人の生まれた年月日時を年柱、月柱、日柱、時柱の四柱(=命式)に起こしてその四柱から宿命を推し量ることから「四柱推命」と呼ばれる
・「空亡」は四柱推命における一概念
・空亡は命式の日柱から算出するもので、12地支のうち2地支が該当
・空亡の判断対象は「①持って生まれた命式内の空亡」「②大運で巡る空亡」「③年運などで巡る空亡」
・空亡の意味は「吉となるものも凶となるものも効果が薄くなる」
・つまり原則として空亡そのものに吉凶の意味はありません
※四柱推命においては占断結果を導くための要素がとても多いのであくまで基本的な捉え方です
・算命学は紀元前の春秋戦国時代に鬼谷子により創設され、限られた者のみのうちで継承されてきたものを日本で高尾義政氏が受け継ぎ13代目の宗家として1970年代に広く公開したとされる
・1979年頃にテレビメディアで和泉宗彰氏が活躍し、和泉氏の『算命占星学入門』『天中殺入門』の2冊合計で300万部以上を売り上げ(1979年ベストセラーの1位2位)、日本で天中殺ブームが起きている
・算命学では四柱推命の「生年・生月・生日・生時」の四柱ではなく、年・月・日の三柱で判断を行う
・「天中殺」は四柱推命の「空亡」と同じ概念を指す別呼称
・算命学での天中殺の判断対象は「①命式内の天中殺(宿命天中殺)」「②大運で巡る天中殺(大運天中殺)」「③年運・月運・日運などで巡る天中殺」、つまり四柱推命の空亡と概ね同じだが流派によっては日運まで重視
・算命学における天中殺は「天が味方をしてくれないとき」と称される
・天中殺で避けるべきとよく言われるものは「重大な決断・結婚・出産・転職や起業・引っ越し・土地購入・住宅新築」など
・その他、天中殺のグループによって持つ特性や性質があると説く理論も
※大運の基本的な算出方法は四柱推命、算命学、六星占術すべて同じです
・六星占術は中国占術理論などから細木数子氏が創始、1980年代に日本で公開されたとされる
・六星占術は自身の日柱が属するグループから「土星人、金星人、火星人、天王星人、木星人、水星人」の六種類の運命星に個人を区分けし、さらに生年地支による+-の違いを加えた十二種類の区分から運命を読み解くもの
・日柱からの運命星の区分けの基準は天中殺グループの区分けと同じ
・命式は判定しないながらも、大運などの算定において「生年・生月・生日」の三柱の命式を扱う
・六星占術での大殺界の判断対象は「①大運で巡る大殺界(宿命大殺界)」「②年運、月運、日運などで巡る大殺界」、つまり命式内の大殺界をみない他は天中殺とほぼ同じ※
・年運・月運・日運の大殺界については天中殺と同じ2地支の2年や2か月、2日間ではなく、天中殺と同じ2地支にさらに1つの地支を追加して3地支、つまり12年の内の3年間や12か月の内3か月間、12日の内3日間が該当する(大運により該当する大殺界は空亡、天中殺と同じ)
・六星占術における大殺界は「人生の冬」と称される
・大殺界で避けるべきとよく言われるものは「重大な決断・結婚・出産・転職や起業・引っ越し・土地購入・住宅新築」など、天中殺と相似
※大運の基本的な算出方法は四柱推命、算命学、六星占術すべて同じです
※ちなみに四柱推命と算命学については、「淵海子平」、「滴天髄」、「三命通會」、「子平眞詮」といった同じ古典書を根拠とする叙述が双方に見られることからルーツとしては同一のものだと思われます。
天中殺や大殺界は四柱推命における「空亡」と同一の算出基準により示される概念ですが、空亡では凶と見ることはしないもので、算命学の天中殺と六星占術の大殺界ではその空亡の意味を四柱推命とは異なる形で規定されています。
そしてこの空亡と天中殺/大殺界の相違点として、四柱推命の空亡においては凶と言う意味がないものを算命学や六星占術では凶意の強いものとして規定されていることや、
生年月日と生まれた時間の四柱から命式の作成を行う四柱推命に対して算命学の主流派においては時間の判断を行わず生年・月・日の三柱から命式を作成すること、
また四柱推命と算命学では命式内の空亡あるいは天中殺を判断に含めるのに対して、六星占術では命式内の大殺界を判断には含めないなどの違いがあります。
また人生における一時期に該当する時期の判断としての天中殺、大殺界については①10年単位の大運と呼ばれるもの(多くの例で20年連続で該当)、②その年の干支による年運、③月ごとの干支による月運、④12日ごとに循環する日運としての干支による日運の4種が存在します。
そして①大運と呼ばれる個人個人が独自に持つ10年ごとの大きな運気の切り替えにおいては四柱推命、算命学、六星占術ともに基本的な大運の算出基準は同一ですが、②年運と③月運、④日運においては大殺界のみ空亡と天中殺の2地支に加えて1地支を追加した3地支で規定がされています。
ここで前編記事に挙げた一例をおさらいをしておくと、2024年8月1日正午12時に生まれた方の四柱推命における命式は上のとおりとなります。
(生まれた時間を考慮しない算命学の流派と六星占術においては時柱の「丙午」は考慮に入れない三柱による判断です。)
この中で判断の主体となるものは日柱(つまり生まれた日を示す二文字のことで、ここでは「丁酉」)ですが、この日柱(丁酉)が下記の表からどのグループに属するかを確認することでこの方の空亡、天中殺、大殺界がどの種類に属するかが確認可能です。
戌・亥 | 申・酉 | 午・未 | 辰・巳 | 寅・卯 | 子・丑 |
甲子1 | 甲戌11 | 甲申21 | 甲午31 | 甲辰41 | 甲寅51 |
乙丑2 | 乙亥12 | 乙酉22 | 乙未32 | 乙巳42 | 乙卯52 |
丙寅3 | 丙子13 | 丙戌23 | 丙申33 | 丙午43 | 丙辰53 |
丁卯4 | 丁丑14 | 丁亥24 | 丁酉34 | 丁未44 | 丁巳54 |
戊辰5 | 戊寅15 | 戊子25 | 戊戌35 | 戊申45 | 戊午55 |
己巳6 | 己卯16 | 己丑26 | 己亥36 | 己酉46 | 己未56 |
庚午7 | 庚辰17 | 庚寅27 | 庚子37 | 庚戌47 | 庚申57 |
辛未8 | 辛巳18 | 辛卯28 | 辛丑38 | 辛亥48 | 辛酉58 |
壬申9 | 壬午19 | 壬辰29 | 壬寅39 | 壬子49 | 壬戌59 |
癸酉10 | 癸未20 | 癸巳30 | 癸卯40 | 癸丑50 | 癸亥60 |
戌・亥 | 申・酉 | 午・未 | 辰・巳 | 寅・卯 | 子・丑 |
ここではさきにあげた例の日柱である「丁酉」の空亡(天中殺)は上の表から「辰と巳」に該当することがわかるため、先の例の方は「辰巳空亡グループ(辰巳天中殺グループ)」に属します。
そのため この「辰巳空亡グループ」、「辰巳天中殺グループ」では、そのまま十二支(えと)の辰年や巳年などが空亡や天中殺に該当する方という意味で捉えるもので、年運においては、2024年の甲辰年の次の2025年は乙巳年、2026年は丙午年と循環をしていく中で辰年、巳年の地支(つまり「えと」)が空亡あるいは天中殺に該当するということです。
次に、この天中殺グループはそのまま六星占術における運命星を表すものですので、この辰巳天中殺グループの先の方は下の表から天王星人であるとわかります。(ちなみにこの方は天王星人+です)
戌亥天中殺 | ⇒ | 土星人 |
申酉天中殺 | ⇒ | 金星人 |
午未天中殺 | ⇒ | 火星人 |
辰巳天中殺 | ⇒ | 天王星人 |
寅卯天中殺 | ⇒ | 木星人 |
子丑天中殺 | ⇒ | 水星人 |
大殺界の年運、月運、日運については独自に空亡(天中殺)の該当期間よりも長く対象期間を想定しており、大殺界該当の3つの干支は必ず空亡や天中殺の2つの干支を含むもので、結果として空亡や天中殺該当の2年、2か月、2日を必ず含む形で大殺界の3年、3か月、3日がおのおの連続して巡ります。※大運は2地支のままです。
上の例の方は辰巳天中殺グループで天王星人+となりますので、四柱推命と算命学の「辰と巳」に加えて、辰のひとつ前の十二支、つまり「卯」が大殺界に加わり、「卯と辰と巳」の3地支が大殺界に該当することになります。
個人個人で異なる形で10年1単位で巡る大運の十二支のうち辰の10年、巳の巡る10年と、辰年、巳年・辰月、巳月、辰の日、巳の日などが空亡(≒天中殺)に該当し、大殺界にはそれに加えて卯年、卯月、卯の日が該当するということです。
月については下記のとおり毎年の月運が巡ります。
子≒12月 | 丑≒ 1月 | 寅≒ 2月 | 卯≒ 3月 |
辰≒ 4月 | 巳≒ 5月 | 午≒ 6月 | 未≒ 7月 |
申≒ 8月 | 酉≒ 9月 | 戌≒10月 | 亥≒11月 |
最後に日運に関しても、天干を無視して地支のみを考えた場合には12地支が連続して子丑寅卯・・・の順番で巡りますので天中殺ならば12日のうち2日が該当した後に10日間の非該当期間を経て2日間連続して該当、10日間の非該当期間を経て2日間連続して該当と循環する形で日運は判断するものです。
もう一度結論のみをまとめますと、この2024年8月1日生まれの方は大運の辰と巳、そして辰年、巳年、辰月、巳月、辰の日と巳の日が空亡と天中殺に該当し、大殺界については大運は辰と巳、そして卯年、辰年、巳年、卯月、辰月、巳月、卯の日、辰の日、巳の日が該当するということです。
この基準がわかっていたら四柱推命や算命学の無料鑑定サイトなどでご自身の命式やおおまかな大運は算出可能かと思いますのでご自身で自分の過去を検討してみたり、まわりの知人の例を確認することは可能かと。
(ただし無料鑑定サイトの四柱の算出は根拠がさまざまに異なるものがあるため、複数のサイトで確認を行うことをお勧めします。ほんとうは「万年歴」という中国占術で使用する百数十年以上の期間の暦の記載がある市販本をみて自分の目で確認するのが一番確実ですが)
ちなみにこれらのロジックと算出方法などについてはもう少し詳しく前編記事に書いてますので、ご自身で確認したい方や理論根拠を知りたい方などは前編記事を確認いただけたらと思います。
天中殺/大殺界期間中に結婚された芸能人夫婦とその後
ではこれから天中殺や大殺界と言う観点から著名人の実例をみていきますが、まずはすべての実例についてどのような方々を例として挙げているかについて説明しておきます。(該当する方については出産の時期も含めておきました。)
先に書いたとおり天中殺と大殺界については①大運、②年運、③月運、④日運の4種があり、かつ①大運については天中殺と大殺界の該当期間は完全に一致、②年運との天中殺は2年間、大殺界の3年間は天中殺の2年間に+1年間として、③月運と④日運は年運に準じて天中殺の2か月もしくは2日、大殺界の3か月もしくは3日間を割り出すものです。
ここでは①大運天中殺や宿命大殺界、もしくは②年運のうち天中殺と大殺界の双方に合致する2年間の間にこれらの行動を起こしたかどうかを焦点にして著名人の実例を探してみました。
※なお、ここからすべての著名人の誕生日や経歴などのデータはネット情報から調べたもののため、間違いなどがあれば訂正や差し替えを行いますので問合せフォームなどで教えて頂けるとありがたく存じます。
まず挙げるのは夫婦のいずれかが天中殺/大殺界に結婚された著名人の例ですが、この問題はとても人生におけるウエイトの大きなものですのでここで挙げる実例の他、後に補足説明を加えます。
林家ペーさん・林家パー子さん夫妻/1972年結婚
まずはこのお二人です。
林家ペーさんは1941年11月29日生まれで「辛巳年・己亥月・辛巳日」の命式で天中殺/大殺界は申と酉が該当し、林家パー子さんは1948年8月13日生まれなので「戊子年・庚申月・庚午日」の命式で、天中殺/大殺界は戌と亥が該当します。
そんなお二人はもともと兄弟弟子とのことで、師匠からの後押しもあって結婚に至ったそうですが、お二人が結婚されたのは1972年3月30日とのことで、夫ペーさんの大運申(27歳から37歳まで。ちなみに酉の大運は17歳から27歳までなので、17歳からの20年間が天中殺/大殺界です)の時期に該当しています。(ちなみに日運でも庚申日です)
ちなみに芸歴としてはペーさんの方が長く、1968年(戊申年)にパー子さんが三平師匠のもとに弟子入りしたのがお二人の出会いの時期であったと推測されるため、出会いの時期もまたペーさんの大運、年運天中殺/大殺界に該当していますよ。
ザ・夫婦漫才のお二人ですので公私ともに二人の時間はとてつもなく長いであろうことは誰しも想像がつくものですし、芸能界きってのおしどり夫婦といって差し支えの無いお二人ですよね。
参考HP:林家ペーパー子オフィシャルサイト
ダ・ヴィンチWEB「林家ペー「ずーっとルームメイトみたいな感じ」パー子「真面目で地味」 結婚40数年、おしどり芸能人夫婦にみる幸せの秘訣とは?」
三浦友和さん・山口百恵さん夫妻/1980年結婚
お次はこのお二人です。世代の違う方であっても山口百恵さんが昭和の偉大なトップアイドルだということはご存じの方も多いのではないでしょうか。
三浦友和さんは1952年1月28日生まれで「辛卯年・辛丑月・癸酉日」の命式で天中殺/大殺界は戌亥、山口百恵さんは1959年1月17日生まれで命式は「戊戌年・乙丑月・己亥日」で天中殺/大殺界は辰巳が該当します。
このお二人は、山口百恵さんが全盛期の21歳の折、1980年11月19日に結婚式を挙げており結婚に伴い山口百恵さんが引退をされたことはとても有名なお話であるかと思います。
この1980年は夫三浦友和さんの大運戌(大運戌は27歳からの10年間、ちなみにその前の17歳から27歳までは大運亥ですので17歳から37歳までが蜜三浦さんの大運天中殺/宿命大殺界です)に該当します。その中で年運は庚申ながら、11月は亥月のため月運も三浦さんの天中殺/大殺界に該当していました。
トップアイドルの引退、結婚として世間から注目されたこの結婚も、結婚後は夫三浦さんのお仕事の不調などもあり苦しい時期もあったようですが・・・
その後長男の三浦祐太朗さんはシンガーソングライターとして、次男の三浦貴大さんは俳優として活躍しているようでそうした家族の仲睦まじい様子もネットの情報からもうかがうことが可能で、このお二人は明治安田生命主宰の「理想の有名人夫婦ランキング」で15年連続1位を獲得し、2020年には殿堂入りに至っています。
ちなみに、この1980年という時期は天中殺ブームが起こった1979年の翌年です。つまり、「天中殺期間中の結婚は10年以内に96%以上の確率で破滅に至るという言説がテレビや雑誌などを最も騒がせていた時期にこのお二人が仲を深めて結婚式の準備をしていたのだろうことは想像に難くないんですよね。
(ご参考までに三浦友和さんが芸能界入りされた折も二人の出会った時期もともに三浦さんの大運天中殺/宿命大殺界の最中ですし、お二人の息子様が生まれているのも三浦さんの大運天中殺/宿命大殺界該当期間内、かつ長男祐太朗さんの誕生月である辰月と次男貴大さんの誕生月はいずれもは百恵さんの月運天中殺/大殺界に該当しています)
参考HP:スポーツ報知「山口百恵さんと三浦友和夫婦のイケメン長男・三浦祐太朗、娘と2ショット「可愛い~」妻は美人声優」
NEWSポストセブン「21才で結婚した山口百恵さん 幸せなだけではなかった一般人生活」
文春オンライン「7歳年下のトップアイドルと結婚…三浦友和72歳が「いい女房を選んだなとしみじみと感じた」時期とは?」
現代ビジネス「山口百恵さんが、40年ぶりの「写真集」に込めた家族への愛情」
女性自身「山口百恵さん 三浦友和と相合い傘、誕生日に映画館デート!“最強理想の夫婦”の変わらぬラブラブ姿」
ORICON NEWS「『理想の夫婦』三浦友和&山口百恵さん、V15でついに殿堂入り 杉浦太陽&辻希美は初の総合TOP10入り」
デビッドベッカムさん・ヴィクトリアベッカムさん夫妻/1999年結婚
お次はかつてイングランドサッカー界で「貴公子」と称されたデビッドベッカム選手と元スパイスガールズのヴィクトリアベッカムさんです。
ベッカム選手(1975年5月2日生)の命式は「乙卯年・庚辰月・戊申日」で天中殺/大殺界は寅卯、ヴィクトリア夫人((1974年4月17日生))の命式は「甲寅年・戊辰月・戊子日」で天中殺/大殺界は午未です。
そんなお二人の結婚記念日は1999年7月4日(己卯年庚午月)です。
この時期について、ベッカム選手は9歳から29歳までの20年間が卯・寅の大運に該当していたことから、夫側が大運、年運双方の天中殺/大殺界に該当し、さらに妻側の月運天中殺/大殺界の該当時期に結婚されているのがこのお二人だということです。
そもそも結婚以前にベッカム選手がこの9歳から29歳という、サッカー選手として最も大事な大運天中殺/宿命大殺界の時期にキャリアの中でどれだけの決断を行いどれだけの活躍をしていたかというのも大きな判断材料になろうかと思いますよ。
(彼がサッカーを始めたのは1982年のようですので期間からは外れていますが、プロ入りの選択、チーム移籍などの決断の全ては大運天中殺/宿命大殺界に入っていますので)
なお、このお二人については過去の不倫疑惑があったことや、現在は仮面夫婦ではないかというゴシップもついてまわるようですが、そりゃまあこれだけ美形の大御所カップルならそうした噂も誘惑もつきものでしょうし・・・
なお、ご参考に長男ブルックリンさんの誕生は1999年3月(授かり婚なのですね)なのでベッカム選手側の大運、年運天中殺/大殺界中に誕生されたお子様、次男ロメオさんは2002年(壬午年)なのでベッカム選手の大運とヴィクトリア夫人の年運該当時に誕生、三男クルースさんは2005年なのでベッカム選手の大運のみ該当、長女ハーパーさんは2011年7月誕生(辛卯年己未月)ですのでベッカム選手の年運とヴィクトリア夫人の月運に該当していますので、4人のお子様の全員がご夫婦いずれかの天中殺/大殺界に該当している時期に出産されています。
ですが少なくとも2024年記事執筆時点において4人のセレブキッズを含めた「ベッカムファミリー」として、世界で最も注目され続けている家族の一つであり、2024年7月にも結婚25周年で注目を集めているセレブ界きっての有名カップル、あるいは世界からの注目を集めつづけているセレブ家族であることは間違いのないことではないでしょうか。
参考HP:VOGUE JAPAN「デビッド&ヴィクトリア・ベッカム、結婚25周年をアイコニックなパープルのブライダルルックで祝う」
marie crari「ベッカム家の4人の“セレブキッズ”、両親以上に注目される存在に?」
ミモレ「結婚24周年のベッカム夫妻が乗り越えた、過去の「不倫疑惑」とそのお相手とは」
鈴木おさむさん・大島美幸さん夫妻/2002年結婚
最後の例は放送作家の鈴木おさむさんと森三中の大島美幸さんです。
鈴木おさむさんは1972年4月25日生まれで命式は「壬子年・甲辰月・丙戌日」、大島美幸さんは1980年1月13日生まれの「己未年・丁丑月・乙酉日」で、天中殺/大殺界はお二人ともに午と未が該当します。
そんな中、お二人はテレビ業界のお仕事などを通じて知り合った2002年10月に交際ゼロ日婚をしたことで有名となりましたが、成婚となった2002年は壬午年で夫婦二人の年運の天中殺/大殺界に該当するとともに、鈴木おさむさんの大運未(23歳~33歳まで。大運午が13~23歳です)に該当していました。
さすがに交際ゼロ日とのこともあり結婚当初は苦労をされたようで、その後流産などのご苦労も経られた中ですが・・・ご長男の誕生は2015年とのことでこちらも乙未年、つまりご夫婦の年運天中殺/大殺界の期間に該当しているものです。
2024年時点でもインスタで長男との仲睦まじい3ショットを公開して話題となるなどご家族は円満であることが伺えますし、ご夫婦の築かれた家庭を否定する理由はどこにもなさそうに感じます。
参考HP:ウィキペディア「鈴木おさむ」
modelpress「大島美幸、夫・鈴木おさむ氏と“交際0日”で結婚した理由 きっかけは母親の一言だった」
スポニチ「大島美幸 鈴木おさむ氏との“交際0日婚” 求婚されるも衝撃の事実 最初「大っ嫌い」も決意した理由とは」
ORICON NEWS「鈴木おさむ氏、妻の森三中・大島美幸&9歳長男と親子3ショット「ええなぁ!!」「素敵な写真」 “人生初”の熊本旅を報告」
天中殺/大殺界期間中に大きな決断をされた著名人・転機を迎えた著名人とその後
ではここから、「天中殺(大殺界)期間中は新しいことをすべきではない、人生の大事な決定などを行うと不幸に至る」というお話に対して著名人の例を考えてみます。
こうした天中殺大殺界期間の行動に対しても結婚と同じように「後から悪いことがやってくる」とする論もあるようですので基本的にはそれらの該当時期からなるだけ長い時間が経過している方の例を多めに挙げています。
なお、こうした天中殺や大殺界の該当時期に行動を起こし大成功を収めた方について、その数十年後などに不祥事などを起こして問題となったことの原因を天中殺や大殺界に求める意見もネット上では散見されますが・・・
「権力と傲慢、あるいはそれに伴う破滅」という問題はそれこそ孔子やブッダやアリストテレス、あるいは旧約聖書やギリシャ神話やギルガメシュ叙事詩というような紀元前から議論され続けているテーマかもなあと・・・。
木村拓哉さん/1987年ジャニーズ事務所入所
はじめは「平成を抱いた男」という凄まじい異名を持つこの方です。
木村拓哉さんは1972年11月13日の生まれで、命式は「壬子年・辛亥月・戊申日」で、そのため天中殺/大殺界は寅と卯が該当します。
ちなみにウィキペディアを見てみるとSMAPのデビューとしては1988年ですが、木村さんのジャニーズ事務所入所は1987年(丁卯年)の11月とのことで、その年から光GENJIのバックダンサーを務め出しているとのことなので木村さんの芸能活動開始時期は年運の天中殺/大殺界に該当していました。
そして木村拓哉さんの大運で寅卯が巡る大運天中殺/宿命大殺界は、28歳から48歳までの20年間、おおよそ2000年から2020年までが該当していたのですが・・・この期間が木村さんの大凶の時期だと言える方ははたしてどれだけいるのでしょうか。
ちなみに木村拓哉さんの工藤静香さんとの結婚は2000年12月5日ですので、木村さんの大運天中殺期間にちょうど入る前後の結婚(流派ごとの細かい算出基準によって異なりそうです、四柱推命では出生時間によります)で、かつ12月5日は工藤静香さん(1970年4月14日生)の月運天中殺/大殺界である亥月に該当しています。
参考HP:ウィキペディア「木村拓哉」
カルチャ「SMAP メンバーのプロフィールや経歴、現在の活動を徹底解説」
カルチャ「木村拓哉【超詳細解説】日本屈指のスーパースター「キムタク」の経歴や出演作品を徹底紹介!」
大谷翔平選手/2002年に野球を始め、2003年リトルリーグ入団
次に間違いなく現代日本の最大の成功者の一人でしょう、大谷選手です。
大谷選手(1994年7月5日生)の命式は「甲戌年・庚午月・壬辰日」で、天中殺/大殺界は午と未が該当します。
大谷選手の10歳までの大運は辛未が該当しており、そもそも幼少期の期間に天中殺/大殺界が該当している方ですが、野球を始めたのは小学2年生の折に友達に薦められたのがきっかけだとのことで、その翌年、小学3年生にリトルリーグに入団されています。
大谷選手が小学2年生であったのは2002年4月以降のことですので、大谷選手は大運天中殺/宿命大殺界に該当する時期のうち、さらに年運天中殺/大殺界の壬午年に野球を始められていることがわかります。その翌年リトルリーグ入団の2003年もまた癸午年で年運天中殺/大殺界該当です。
ちなみに直近で言えば2014年、2015年の2か年は大谷選手にとっての天中殺/大殺界期間ですが、2014年に大谷選手はプロ野球(パリーグ部門)の唯一のプロスポーツ大賞を受賞されたりもしています。
ですからどうかお子さんの習い事の開始時期等で天中殺/大殺界を理由に悩まれる方は参考にして頂けたら。
子ども応援だより「子どもたちへの応援メッセージ 大谷翔平さん」
東洋経済オンライン「大谷翔平が今も大切にする、父の「3つの教え」」
イチロー選手/1991年プロ野球入りの決断、2000年~2001年に大リーグシアトルマリナーズ入団
プロ野球界のレジェンド枠からもう一人、イチロー選手です。
イチロー選手は1973年10月22日の生まれで命式は「癸丑年・壬戌月・辛卯日」、天中殺/大殺界は午と未が該当します。
そんな彼は地元愛知県の野球の名門、愛工大名電高校で一年生からレギュラーを得るなど非凡な活躍をしていましたが、彼の父親を含めた周囲はプロ野球入りは大学を卒業した後が良いと判断をしていたようです。
そんな周囲の判断をよそに、イチロー選手は「高卒でプロ入りした方がレベルの高い練習ができる」として大学入学でなく高校卒業からのプロ野球入りを決断し、もとは中日ドラゴンズへの入団を希望していながらも1991年イチロー選手が高校三年生の折のドラフト会議で紆余曲折があり、4位指名を受けたオリックスブルーウェーブへの入団を決定しています。
そしてイチロー選手がこのプロ野球界入り、オリックスブルーウェーブへ入団の決断を行った1991年は辛未年であり、彼の年運天中殺/大殺界の期間内でした。
ちなみにその後、彼の大運天中殺/宿命大殺界は25歳~45歳までの20年間が該当していますので、彼が大リーグ(シアトルマリナーズ)行きを決断した2000年、入団後初試合を迎えた2001年もまた大運天中殺/宿命大殺界の期間中となります。
その後のイチロー選手の活躍は言うまでもありません。
参考HP:ウィキペディア「イチロー」
ヤフーニュース「【プロ1年目物語】監督との確執、二軍で驚異の46試合連続ヒット…イチローになる前の知られざる「オリックス鈴木一朗」」
NUMBER WEB「<運命のドラフトを巡る証言>イチロー
――オリックスの指名に天才打者は戸惑った。
SPAIA「【グラフィック年表】イチローの軌跡~Living Legend #51~」
宇多田ヒカルさん/1998年デビュー曲「Automatic」、1999年ファーストアルバム「First Love」リリース
お次は「平成の歌姫」として名高い宇多田ヒカルさんです。
彼女は1983年1月19日生まれで「壬戌年・癸丑月・丁未日」の命式であるため天中殺/大殺界は寅と卯が該当します。
そんな彼女が表舞台に立ったのは1998年12月9日、15歳の折にリリースした「AUTOMATIC/TIME WILL TELL」からで、このデビューシングルはその後200万枚のセールスを記録しています。
この1998年は戊寅年に該当しており、つまり宇多田さんが歌手デビューした年は年運天中殺/大殺界でした。
その翌年、1999年3月10日に発売されたファーストアルバム「FIRST LOVE」は発売後一か月で500万枚、半年で700万枚を突破、その後の売り上げも含めると国内での累積総売上は765万枚以上とも言われており、国内の音楽史における歴代売上げナンバーワンを堅持しています。(昨今のCD売り上げの低迷を考えたら、今後この記録が抜かれることはそうそう無いでしょうし)
このファーストアルバムの発売の1999年3月10日は己卯年の丁卯月であるため、宇多田さんの年運と月運の天中殺/大殺界に該当しています。
彼女についてはその後2010年から音楽業界から離れていた時期もありますが2016年に音楽活動を再開しており現在も活躍されています。
参考HP:HIKARU UTADA「プロフィール」
日刊スポーツ「宇多田ヒカル、初アルバム700万枚を突破/復刻」
洋楽情報サイト「日本で最も売れたアルバム! ~歴代アルバム売上~」
ウィキペディア「First Love (宇多田ヒカルのアルバム)」
故本田宗一郎会長/1946年に本田技研の前身である本田技術研究所設立、1947年「ホンダA型」発売
本田宗一郎氏は1906年11月17日に生まれた「丙午年・己亥月・乙丑日」の方です。彼は静岡県磐田市で出生し、幼少期から自動車というものに興味を強く持っていたエピソードなどがあるようです。
そんな本田氏といえば本田技研工業(ホンダ)の創業者ですがこのホンダには前身となる企業があり、それが本田技術研究所で、戦後間もない1946年9月1日に静岡県浜松市に創業されたとされています。
戦前には自動車部品の製造企業は経営していたものの、この本田技術研究所創業の翌1947年に本田氏ははじめて動力付きの一台の乗り物として補助エンジン付き自転車「ホンダA型」を発売開始し全国から買い付けが訪れるなどの大ヒットを飛ばし、そのヒットを受けて翌1948年に本田技研工業(株)を設立。そして、1949年フレームからすべて自社製の本格的なオートバイ、「ドリームD型」を販売開始したというのがホンダの創業当時のエピソードです。
つまり、本田氏のビジネスがもともとの部品製造メーカーであったものを動力付きの乗り物の製造販売に切り替えた時期は1946年であり、そこで初のヒットを飛ばした商品の販売が1947年、その流れを受けて自動二輪メーカーとしての本田技研工業がスタートした歴史があるため、初期のホンダの躍進は言うまでもなくその前進とされる本田技術研究所からの流れを継いだものですが・・・
本田宗一郎氏の日柱は「乙丑」でしたから天中殺と大殺界には「戌と亥」が該当し、本田技術研究所創業の1946年は丙戌年、ホンダA型を発売した1947年は丁亥年に該当していました。
参考HP:HONDA「HONDA75年史ー第一章 第一節 創業と開拓の時代」
故黒澤明監督/1943年「姿三四郎」で映画監督デビュー
世界の黒澤監督の生年月日は1910年3月23日で彼の命式は「庚戌年・己卯月・丁亥日」ですので天中殺/大殺界は午・未が該当します。
黒澤監督は1910年に東京に生まれ、1936年にPDL研究所(現東宝)に入社し、山本虎次郎監督の助監督や脚本家などを務めた後に1943年3月公開の「姿三四郎」で監督デビューを果たしています。
その後黒澤監督はスティーブンスピルバーグ監督やフランシスフォードコッポラ監督、またジョージルーカス監督などの世界の名だたる映画監督から「黒澤映画から影響を受けた」と称賛されるに至り、日本のみならず世界の映画史に残る名監督の一人であることに疑いはないでしょう。
この黒澤監督の命式から大運に午と未が巡っていたのは24歳~44歳までの20年間ですので、黒澤監督は大運天中殺/宿命大殺界の期間に映画産業に入り、助監督を務め、そして映画監督としてデビューをしています。
その中でさらに画監督としてデビューした1943年(癸未年)は年運天中殺/年運大殺界に該当していたということです。(仮に前年の1942年に監督業開始、撮影を開始していたとしても壬午年なのでどちらも該当ですよ)
参考HP:黒澤明研究会「黒澤明監督年譜」
nippon,com「黒澤明:世界の映画界に多大なる影響を与えた巨匠」
アジア屈指の大富豪・李嘉誠会長/1958年に不動産ビジネスに乗り出し、1971年不動産開発「香港置業」設立
この節の最後に挙げるのは香港の大富豪、李嘉誠会長です。彼は香港に本社を置き、傘下の上場企業の時価総額は約14兆円、52カ国に28万人の従業員を抱えているとも言われる企業グループ、長江実業(集団)有限公司の創業者です。
彼は1928年7月29日の生まれで命式は「戊辰年・己未月・庚午日」に該当します。
彼は若年期からその経営に関する才覚を表し、1949年に設立した「香港プラスチック」で製造するプラスチックフラワーは後に世界シェアの八割を獲得するに至り、「香港フラワー王」と呼ばれるに至りました。
そうした後に1958年(戊戌年)に彼は事業拡大の中で不動産経営に乗り出し、そして1967年の中国の文化大革命の折に不動産を多量に取得し、そうしたものを基として1971年に不動産開発・賃貸業専門の「香港置業」を設立し、不動産事業に事業の重点を移したとされています。
彼の日柱は庚午ですから天中殺/大殺界は戌と亥が該当し、彼の命式よりその大運天中殺/宿命大殺界の期間はおおむね23歳から43歳までの20年間、そして年運としても香港置業を設立した1971年(辛亥年)が該当していました。(1971年は大運天中殺/宿命大殺界を抜けたか否かは微妙な時期ですが)
そしてこの李嘉誠会長は、「風水とビジネス」の記事に挙げさせていただいたとおり、風水/四柱推命などの中国占術の熱心な信望者として有名な方です。
そのためここからわかることは、企業経営において李嘉誠会長が頼っていた四柱推命・風水などの占術コンサルタントは、こうした時期に李嘉誠氏がビジネスにおいて方針転換、事業拡大を起こすことを止めていなかったということです。
そしてその結果としては先に書いたとおり世界に52万人の従業員をかかえ、2013年の世界長者番付で「アジア一位の大富豪」と称されるに至ったのがこの李嘉誠会長です。
李嘉誠会長の大運天中殺/宿命大殺界の期間は前述のとおり彼が事業基盤を拡大し続けた時期に相当するもので、グループ傘下の子会社などの設立を検討に含めるととてつもないことになると思われます。
参考HP:香港ポスト「長江実業成長の軌跡」
CAPITAL「陳卓賢:李嘉誠做到香港首富,都是命中註定?」
※ちなみに複数のサイトを確認すると李嘉誠会長の生年月日は1928年6月13日生まれと記載のあるものがありますが、中国の八字サイトで彼の四柱を確認するとほとんどのサイトで戊辰年己未月庚午日生まれとなっており、これは西暦換算の1928年7月29日に相当します。この1928年7月29日を中国の農歴に換算すると6月13日となりますので生年月日が6月13日と記載があるものはそのためかなあと・・・。
「中国で古来から研究されてきた四柱推命で天中殺は大凶!」の誤謬
ではここから私のこれらに対する考えを書いていきますが・・・まず大前提の注意すべき点として、四柱推命における「一日」の区分を挙げておきます。
四柱推命においては年柱・月柱・日柱・時柱までの四柱を判断対象としてみるものですが、算命学や六星占術では出生時間を問題としないことを先に書きました。
さて、ここでこの「出生時間を考慮しない」ということについてもう少し突っ込んで考えてみますと、この四柱推命においては、23時の子の刻を以って一日のはじめとして判断するものです。
たとえば出生時間を考慮しない「2024年7月31日生まれ」の方の年、月、日の三柱による命式(つまり算命学、六星占術で考慮される命式です)は下記のとおりとなります。
ですが、この方が7月31日の23時30分に生まれていたならばどうでしょうか?四柱推命で一日の区切りとされるのは23時ですから、四柱推命においてはその方の命式の日柱は一日ずれて下記のとおりとなります。
つまり、出生時間の違いによっては「自分自身を表す主体」である日干と日支、つまり日柱が変わってしまう可能性があるということで、日柱が変われば天中殺、大殺界は入れ替わるもので、そもそも四柱推命と算命学の日柱が異なるという現象が発生します。
そのため出生時間の判断を行わないということは23時以降24時までの出生の方がいた場合にはそもそも日干、日柱が四柱推命の判断と異なるものとなり、ここに挙げた例においても四柱推命における命式はここで検討したものと異なる可能性があります。
※ただこの種の問題を算命学や六星占術が「24時(=0時)」という時間の区切りで判断を行っているとするならば、23時以降の生まれにおいても天中殺と大殺界の判断そのものに違いはないということになりますので、上記著名人10例の方のうちに23時から24時の生まれの方がいた場合には天中殺や大殺界の該当期間に変わりはありませんが空亡の該当期間のみは異なることになります。算命学でも流派によっては23時を以って日柱を切り替えると判断するところもあり、逆に四柱推命でも流派によっては24時で日柱を変える運用を行うところもありますが。
また、仮に日柱が同じであったとしても八字(四柱)のうちの時柱を一切観ないというのは・・・命式の格判断があまりにも異なってしまうだろうと考えるところです。
たとえば上の2つの命式は年柱、月柱、日柱までの三柱は全く同じものですが時柱の違いから四柱推命の判断結果は全く異なるものとなりますし、この二つの命式を見て「ほぼ同じ」と判断される鑑定士がいるならば少なくともわたしはその方の理論には少し疑問を持ってしまうところです。
また、四柱推命において生年月日のみからでも判断を行うケースはありますが、それはあくまでも「時柱がどのようなものに該当するのかを推測(推時)しながら行うもの」です。初めから時柱を考慮しないロジックの中で三柱のみで行うものではありません。
また、この記事で挙げる天中殺という概念についても、算命学においては天中殺のみに関するもので相当込み入った理論体系を持つものですが、四柱推命では空亡をここまで重視するものではありません。
例を挙げれば「子丑天中殺は素直で純粋」「寅卯天中殺はパワフルで自立心がある」などの天中殺のグループごとに性質を見るという算命学の考え方は(天中殺のグループごとに六星人を区分する)六星占術の考え方においても継承された概念ではないかと思いますが、四柱推命において空亡のグループごとに性質などをみるという考え方はわたしの知る限りありません。
つまりこれらの違いが指し示すことは、算命学の理論は四柱推命の理論と形は似ていたとしても中身の異なる理論であり、その占断結果も全く異なるものとなるということです。
ですから・・・「四柱推命で天中殺は凶!」という言葉を聞くとわたしはなんだかもやもやしてしまいます。
※また、少し話は変わりますが風水というものが過去に日本に伝わった後に日本で独自に変化したものが「九星気学」あるいは「家相学」というものでして。
そして中国伝統風水において北東や南西をすべて悪いとする概念は存在しておらず、日本独自の九星気学や家相学の一部流派においてのみ「鬼門(あるいは裏鬼門)」というものを大凶の忌避すべきものとして扱っているというのが実情です。
つまり「中国古来からの風水で北東鬼門は大凶」という言葉は中国伝統風水を多少なりとも知る身からすればこの「四柱推命で天中殺は大凶」と似たものに感じるもので、「いやいやちょっと待ってよ」という感覚になったりします。
人生80年の3分の1以上は天中殺/大殺界?
次に、これら天中殺や大殺界というものについて、その算出方法を突き詰めて考えていくとこの天中殺/大殺界というものの該当率はとても高いです。
まずは試しに30人クラスや30人の部署の中で「いまこのとき」が大殺界に該当している可能性が高いのはどの程度の人数になるのか考えてみます。
天中殺 | 計算式 | 概算該当率 | 30人中 |
大運 | 120年のうち20年 | 16.6% | 4~5人 |
年運 | 12年ごとに2年 | 16.6% | 4~5人 |
月運 | 12か月ごとに2か月 | 16.6% | 4~5人 |
日運 | 12日ごとに3日 | 16.6% | 4~5人 |
(ちなみに宿命天中殺(命式内の年柱もしくは月柱に天中殺の地支がある確率)に該当する確率は36分の11です。宿命天中殺に該当しない確率は12分の10×12分の10で求められる144分の100で、そのため該当する確率は差引き144分の44、つまり36分の11です。)
大殺界 | 計算式 | 概算該当率 | 30人中 |
大運 | 120年のうち20年 | 16.6% | 4~5人 |
年運 | 12年ごとに3年 | 25% | 7~8人 |
月運 | 12か月ごとに3か月 | 25% | 7~8人 |
日運 | 12日ごとに3日 | 25% | 7~8人 |
この表に挙げたのはあくまでも確率論だけのお話ですので実際にはこのとおりとはならないでしょうが、これらの重複も重ねて考えてみても、大運、年運、月運の天中殺に該当している方の概算人数は30人中12~13人程度、大殺界なら30人中15~16人程度の見込みとなかなかの高確率です。(当然ながら日運を含めた確率はさらに上がります)
つまり・・・高校三年生、大学四年生というような人生の節目の時期においては、引っ越しや就職、あるいは進路の決断というものでこの天中殺に該当する方がクラスの中でこの程度に人数が該当している、あるいは該当していた可能性があるということです。
つぎに、個人の人生を80年として考えた場合に、その80年の内でこれらの概念が該当している期間がどれだけに及ぶか考えてみます。
天中殺 | 計算式 | 80年中該当期間 |
大運 | 120年のうち20年 | 0年~20年 |
年運 | 12年ごとに2年 | 12年~14年 |
月運 | 12か月ごとに2か月 | 13年程度 |
日運 | 12日ごとに2日 | 13年程度 |
こうしたものを考えていくと、大運天中殺が巡ってこず、天中殺の該当期間が最も短い方のケースで年運と月運のみを考えたとしても80年通算で累計280か月(23年強)程度の期間が天中殺に該当してくるものだということが見えてきます。
※大運天中殺に該当しない方であっても年運天中殺は80年中最低12年間該当し、年運12年(144か月)の重複期間を除いた月運天中殺は160か月−24か月で求める136か月、合計すれば通算280か月です。
さらにここで日運天中殺までを計算に含めると、最も期間の短い方でも80年間のうちで天中殺の該当期間は通算で30年間を超えることがわかります。
※日運天中殺は年間60日程度該当するため80年間で4800日間、そこから年運天中殺12年間重複の720日と月運重複136か月分の680日を除いた重複無しの日運天中殺が3400日程度です。
大殺界 | 計算式 | 80年中該当期間 |
大運 | 120年のうち20年 | 0年~20年 |
年運 | 12年ごとに3年 | 18年~21年 |
月運 | 12か月ごとに3か月 | 20年間程度 |
日運 | 12日ごとに3日 | 20年間程度 |
つぎに、天中殺よりも該当期間の長い大殺界で、月運までの内容を検討して大運20年間の宿命大殺界に該当する方のうちで、最も長く大殺界に該当してしまう方では80年間のうちで実に通算48年間以上の期間が大殺界に該当してくることがわかります。
※宿命(大運)大殺界で20年間、宿命大殺界に該当する時期を除いた年運大殺界で18年間、宿命大殺界と年運大殺界に該当する時期を除いた月運大殺界が126か月で合計して48年と6か月です。
さらに日運大殺界まで含めると通算の大殺界の該当期間は最長の方で80年の内じつに56年間を超える方が出そうです。
※日運大殺界は年間90日程度該当するため80年で7200日、そこから大運天中殺の20年分の1800日、年運大殺界の18年分1620日、月運の126か月1008日を除くと2700日程度で約7年半の計算です。
また、算命学の天中殺においても通常は20年間の大運天中殺が一定の条件下において40年連続するケースもあると判断される流派もあるようで・・・
さらにネットを色々拝見していると60年連続する大運天中殺を判断する流派もあるもようで、そうなれば実質的にほぼ一生天中殺が続くということになってしまいそうな気がしますが・・・。
そして、実際には80年間のうち一年でも大運が該当する確率は0歳~80歳までに120年1周期のうちの20年間の大運の天中殺/大殺界が巡る確率ですので単純計算で12分の8です。
そのため、実際には20年間の大運に関しては全く該当しない人の方が少ないために多くの方は日運を含めずとも80年間の内で30年間~35年間程度が天中殺に、日運天中殺を含めるケースや大殺界においてはそれ以上の長期間が該当するケースが多いものだということがこの計算式からわかることで、多くの方は人生80年のうち3分の1以上が天中殺/大殺界に該当してくるということができるだろうというのが私の考えです。
こうしたことを考えていくと、天中殺や大殺界が巡る時期に「結婚、引っ越し、新築、転職、大きな決断」などが不適だと言われたら一般的な社会生活は成り立たないレベルのもので、そもそも家族4名などで引っ越しを行う場合に全員の天中殺/大殺界を避けて引っ越しを行うことは至難の業となりそうな気がします。
また、月運で巡る天中殺が「新しいことや引っ越しをするのに不適、その時期に知り合った方とは良い関係を築けない」とするならば・・・
寅卯天中殺/大殺界の方は日本社会で進学、就職、引っ越しなどで凶を避けることができるわけがないと思ってしまいます(毎年2月4日頃~4月4日頃は寅~卯の月に該当します)し、子丑天中殺/大殺界の方は共通試験(センター試験)の時期に確実に凶運が巡るわけだな・・・とか、たとえば21歳から41歳まで大運で天中殺/大殺界が巡る方はその20年間に結婚、出産、住宅新築をしたら不幸になるのかなとか色々考えてしまうところです。
そうした内容から、「あの有名人も天中殺/大殺界の時期に苦難に当たっている!」「あの有名人も天中殺/大殺界のときに亡くなっている!」という話からこれら天中殺や大殺界が怖いものだと考えられるものではないということです。シンプルに該当期間が長すぎます。
結局のところあまりにも該当する例が多いので、自分の文脈に好ましい結果を持つ例を挙げることはあまりにも容易なのがこれらの概念だと思えてしまうところです。(ただし、これを「絶対に不幸になるものだ」と仮定するなら反証の実例を探せばよいだけなので反論もまた容易です)
・・・また、色々なサイト等を拝見していると、たとえば「天中殺の時期に結婚をした夫婦が結婚後うまく行っていたが10年後に離婚、死別したのは天中殺のせいだ!」「~氏は天中殺の時期に活発に活動を起こして大成功を納めたが、その後破綻に至ったのは天中殺の凶が後から出たからだ!」というような文章をちょくちょく目にするのですが、
海外を例に挙げるまでもなくこの現代日本においてすら天中殺/大殺界というものを気にしない人の方が多数派だろうとは思うのですが・・・?
天中殺ブームの立役者、和泉宗章氏の言葉「天中殺はない、だまして申し訳ない」
和泉宗章氏の「算命占星学入門」「算命占星学(2)天中殺入門」1979年のベストセラー1位2位を独占し、あわせて300万部の大ベストセラーを記録して「ことを始めるとすべて破滅に至る」とされる天中殺という概念を日本に広めた立役者であることは前編で書いたとおりです。
では和泉宗章氏がその後この天中殺に対してどのような態度を取っていたのかと言いますと、彼はテレビでの占断(昭和55年(1980年)立春の時期までに当時読売ジャイアンツの監督であった長嶋茂雄氏が監督を退任するという未来予測)を外したのちに算命学などの占術全般の否定派に転じており、1982年に「和泉宗章の占い告発」、1993年に「和泉宗章が明かす占いの謎」という二冊の本を出版するに至っています。
たとえば彼は「九星気学で引っ越しの禁忌とされる五黄殺の方位にあえて引っ越してみたが良いことも悪いことも起こらなかった」という自身の例であったり、別の占い師が断言口調で「あなたの息子は18歳を迎える年の7月に左足を切断するような事故に遭われることになっています」と行った占断が見事に外れた例、「この方は占断からガンにかかるはずがない!」と病院の診断を信用しなかった占い師の例などを自著で紹介されています。
(後に書きますが「18歳で事故に遭うことになっている」「この方がガンにかかるわけがない」については少なくとも四柱推命や算命学などのロジックによる命理術でその結論を得るのは不可能です。霊感などはわからないですが・・・)
天中殺に話を戻しますと「和泉宗章が明かす占いの謎」に次のような記載が見られます。
昭和五十四年六月に、二冊目の「天中殺入門」という本を出版しました。その本の二十三ページに当時T先生が調べたという言葉を鵜呑みにしてしまい、とんでもないことを書いてしまったのです。
①天中殺の時に結婚した千四百組の夫婦を追跡調査した。
②結果、五年以内に七十%が離婚した。
③一〇年以内にまで広げると九六%が離婚、残りの四%も死別かまたは離婚同然の生活をしている。
この一文によって数多くの人が天中殺を気にするという結果を招いてしまいました。
(中略)
占う側は往々にして、いかにももっともらしい数字をあげます。昨年の秋発売されたある週刊誌の特集記事の中にAという著名な方がこんなことを述べていました。
「手相の的中率は総合で六〇%、生死の的中率は八〇%です」
いったいこのパーセンテージもいかなる根拠から出ているのでしょうか?
ー和泉宗章「和泉宗章が明かす占いの謎」P220-221から引用
そして「和泉宗章の占い告発」に次のような文の記述があります。
”天中殺”痛恨
(前略)
天中殺を恐れ、不安におびえての問い合わせがかなりの数にのぼっています。
もとはといえば、私が「算命占星学入門」「天中殺入門」と二冊の本を書き、テレビ、ラジオ、雑誌などで機会あるごとにその顛末を話してきたことが原因ですから、これほどまでに読者の方々に対して不安の種を撒き散らしてしまったことは、どれだけお詫びの言葉を申し上げてみても、とうてい、お詫びしきれるものではありません。
(中略)
もっとも、天中殺にことを起こすと五年以内に結末を迎えると言ってきましたから、これが証明されるにはしばらく時間が必要です。が、私は、そうそう悪いことは起きないだろうと考えています。
巨人軍の長嶋茂雄前監督については、見事にハズれてしまったではありませんか。
どうか、天中殺について気にしないでください。
ー和泉宗章「和泉宗章の占い告発」P190-192から引用
このように和泉氏が自著で記されているように考えが変化していった中で、テレビでの上岡龍太郎氏の番組内で「天中殺はない、だまして申し訳ない」という言葉が本人の口から語られたということです。二冊を読ませて頂く中で、相当後悔に悩まれたことが伺える文章でした。
実際のところはわかりませんが、この天中殺と言う概念を知って自分の天中殺該当期間から将来を悲観してしまい自殺に至った方がいるという噂もあるようです・・・。
天中殺に迷われる方はまずこれらの本を読んでいただいて良いのではないかなんて個人的には考えてしまうところです。
※ちなみにこの「占い告発」と「占いの謎」の二冊において和泉氏が再々注意喚起していることは「占いによる暗示」です。この点は自分もとても興味のあるところですし大切なことだと考えていますのでいずれ自分の考えをきちんと記せたらと考えています。
参考HP:ウィキペディア「和泉宗章」
ライブドアニュース「昭和の「超常パニック」ガクブルTOP20(2)壊れた時計が念力で動いた!」
参考書籍:和泉宗章氏「算命占星学(2)天中殺入門」
和泉宗章氏「和泉宗章の占い告発」
和泉宗章氏「和泉宗章が明かす占いの謎」
天中殺/大殺界期間中の結婚・出産についての補足
次に結婚についてです。先にこれらの期間において結婚した著名人の例を挙げました。
結婚はまさに今後の新しい生活の起点となるもので、不利と言われる時期があるのならそれらの時期は避けたいというのはありふれた人情なのかもしれません。
それで、この問題を考えるにあたって、そもそも論として現代日本の離婚率は3組に1組とも言われるほどに高くなっている事実を見逃すことはできません。参考に男女共同参画局が挙げる婚姻や離婚に関する統計データを見てみると次のとおりです。
この表から読み取れることとして、日本における結婚の総件数は団塊世代の結婚であろう1970年頃の年間102万件をピークにどんどん落ちて2021年時点およそ半分の51万件、離婚数としては逆に1960年頃の年間6.8万件からどんどん上昇して2000年ごろに26万件、それ以降は微減傾向が続いており2021年時点では18.8万件となっているようです。
こうした状況から現在は「3組に1組が離婚」とも称されるほど日本社会の離婚件数は多いものとされているのが現状です。
※ただし、正確にはこの3組に1組が離婚というのは、厳密には結婚後数年、あるいは数十年経過した夫婦が離婚に至るケースが多いことからわかるようにこの概算そのものには疑義がありますが・・・けっきょく婚姻後30年の長期視点で考えるとおおむね正しいとする論もあったり見解は様々ですが。
参考HP:東洋経済オンライン「「3組に1組は離婚」は本当か?データで徹底検証」
そして、天中殺/大殺界の婚姻などについては現在巷で言われることが和泉氏の「天中殺入門」で書かれた「結婚から5年もしくは10年の間に離婚又は別居等の事実上の離婚状態」ではなく、すこしネットを徘徊するとたくさん出てくるように・・・
離婚以外にも「不完全な結婚」、「不倫問題、夫婦どちらかの大病、事故、事業の失敗、などの不幸が降りかかる」、果ては「結婚後5~6年経過以降にトラブルが多く降りかかる」「結婚20年以上経過しても後から凶が訪れて不幸になる可能性もある」「結婚時期だけでなく出会った時期も判断する」、「自分の意思での選択か否かが大事」「大運天中殺中の結婚は大運天中殺の抜ける時期に破綻する」「天中殺に出産した子供は親子の縁が薄くなる」などのようにあまりにもあいまいで長期的、かつ実証が非常に困難なことが言われているように見受けます・・・。
単純に現在の離婚率が「3組に1組」として、結婚経過後10年以上、あるいは15年以上経過しても離婚、不倫、不妊、事業の失敗、急病、不慮の事故などのすべてを天中殺の結婚がらみの不幸だとするならば、いったいこの「やっぱり天中殺の結婚だったから悪い結果に終わった」と言われてしまう確率はいかほどになるのでしょうか?
仮にこれらまでの例まで対象に含めてしまうと、この天中殺の結婚が好ましくないという論に対する芸能人の実例として反論となりうるのは「結婚時期が明確な初婚の芸能人夫婦で、かつ記事執筆時点で病気や大きな失敗、不祥事などもなく婚姻関係が20年以上継続しており芸能活動も順調である方々」ということになり、ハードルがべらぼうに高くなることは言うまでもありません。
そしてこうした例として引き合いに出されるのは言うまでもなく芸能人のカップルなのですが、そもそも芸能界というのは一般的な社会とは異なりとても浮き沈みの激しいところで、不倫や離婚問題なども(統計などは見たことはありませんが)少なくとも一般社会の離婚よりも多そうに感じます。
ためしに一度、初婚で芸能活動と結婚生活を20年以上順調に行われているある程度知名度の高い著名人夫婦の例を探してみて頂くとわかりますが、そもそもその例がそれほど多くはありません・・・。
こうした理由のため、この記事に挙げた著名人の例は、「結婚後20年以上経過している夫婦であって、かつ誰にもわかりやすい大きな不幸ごとなどもなく、記事執筆時点で婚姻関係が続いている初婚の著名人夫婦の例」だけを挙げさせて頂いていただいたものです。
そもそも夫婦の結婚後、たとえば銀婚式を迎えるまで何の問題もなく婚姻生活を送っている方というのは芸能界を例に挙げずともそう多いとは言えず、どの夫婦であっても大小様々なトラブルを乗り越えながら生活しているものでしょうしそうしたものこそが夫婦なのだろうとも思いますし、仮に天中殺を避けて結婚したからといってすべてのいさかいなどがなくうまく行くかというとそんなわけはありませんよね。
そのことは単純にご自身の両親、自分の周りの婚姻歴の長い友人、あるいは友人の両親、親戚、会社の先輩夫婦などを考えて頂けたら誰もがわかることかと。
そもそも大運、年運、月運までを考えた場合におおよそ人生において該当する天中殺/大殺界はおおむね3分の1の期間が該当するものだとわたしは考えている旨を書きました。
この計算で夫婦の二人がこれらの期間を確実に外して結婚ができるものでしょうか?二人のうちいずれかの大運天中殺/大殺界が適齢期に該当してしまっていたら別れるしかないということになってしまう気もしますし・・・。
仮に4分の1の確率で月運までの天中殺の最も低い確率で考えても、4分の1の二人分で16組のうち7組は夫婦のどちらかが天中殺/大殺界の期間内での結婚に該当する計算となりますが、そのすべてがこの「天中殺/大殺界というタイミングの問題だけで」不完全な結婚なのでしょうか?
そしてこの結婚という問題に関しては正直言って芸能界で例を探すよりも、ご自身の知人、同僚、親戚などで生年月日のわかる方々で婚姻期間が長い方々のケースがこれに当てはまるかどうかを調べまくった方が「一概に不幸に至るわけではなさそうだな」という確かな例は見つかるのではないかと思います。
また、ここまでに記した内容からわかっていただけるように、これだけの長期間のうちに「出産をしては不幸な結果」ということもまたわたしは疑問を感じます。
20歳から40歳までの期間に大運で天中殺や大殺界が巡る女性はそれらの時期に結婚した場合どうしたらよいのかわかりませんし・・・出産予定日が月運天中殺や大殺界、あるいはそれらを避けようとしても日運に該当する恐れのある方は出産時期をずらすべきなのでしょうか?
先に見たとおり、月運までの天中殺や大殺界は人生通算で考えた場合に、最も該当期間が短い方で4分の1以上の期間が該当します。
つまり、出産時期が母親一人の大運、年運、月運の天中殺/大殺界に該当する確率がそもそも最低でも4分の1以上だということで、実際には3人~4人に一人の方がこれらの時期に出生している計算になりますので、そこに夫の該当期間を含めたらその数は当然さらに上がります。
生年月日から宿命と運気の流れを読み解く占術は決定論や確定した未来を判断するものではありません!
これまででも十分に長いですがまだ続きます笑
天中殺ブームの立役者から占い否定派に転じた和泉氏が「占断誤りを犯した」こととして言われるのは「昭和55年の立春までに長嶋茂雄監督が引退する」ということですが・・・そもそもこれは運気どうこうの予測ではなくて未来予測のはなしです。
実際には「運気の後押しがなくなる時期に差し掛かってしまうだろう、そこからの時期は~のような事柄に注意が必要となるだろうからこの時期までに引退するのが好ましいのではないか」というあたりまでが四柱推命などの命理学で見れる範囲の限界、またアドバイスとして可能なことの限界だとわたしは考えています。
その先の結果はあくまでも環境からの影響力や本人の人格、その先の本人の行動という要素を抜きにして語れるものではなく、その意味でこうしたひとつのロジックのみで結果が保証、あるいは未来が確約されるものではないとわたしは考えています。それはたとえ良い結果であっても、悪い結果であっても。
(仮に私が自分が信頼する先生方以外の、自分が見知らぬなにがしかの占い師に「ロッツラックはこの時期に引退するはずだ」のようなことを突然ユーチューブなどで言われたなら「それならその期間を過ぎるまでは続けないとな」と思いますし笑)
ですからこれらの問題も含めて人のもともとの人格、意思や努力、あるいは選択や行動というものは結果に対してとても大きな意味を持つものですし、「運気の流れが~だからあなたの未来は絶対に決まっている」と安直な決めつけを行う占術理論をわたしは信用しづらいです。
仮に四柱推命や算命学がすべて決まっているものを読み取れる技術だというならば、凶悪犯罪を行った人間と生年月日が同じ人間がすべて同じような犯罪を犯すかといえば・・・言うまでもなくそんなわけはありません。
上の表のとおり、日本の単年の出生数は第2次ベビーブームの1970年代前半で年間200万人程度、出生数がどんどん減っている2019年においても年間87万人です。
つまりどんなに凶悪犯罪を犯した人間に対しても日本全国を探せば数千人単位の「同じ生年月日の人」がいるわけで、仮に時柱までで考えても自分と全く同じ命式を持った人はたくさんいるわけですが、その方々の人生が同じわけがありません。
この問題を考えるにあたっては、双子で違った人生を送る方々がいることが「人の一生は生まれた時間によってすべて決まっている」というすべての理論に対する明確な反論となるものです。
ここで一例だけ挙げておきますと、きんさんぎんさんという1990年代に100歳を超えた折にテレビCMに抜擢されて著名となった長寿の双子の姉妹(成田きんさんと蟹江ぎんさん)がおられます。(この節のはじめに動画をあげさせていただいたお二人です)
お二人は1892年8月1日に愛知県で生まれ、きんさんは1910年に結婚、ぎんさんは1913年に結婚し、各々がお子様をたくさんもうけられて、その後きんさんは107歳で逝去、ぎんさんは108歳で逝去されています。
ちなみにきんさんが結婚された1910年はお二人の年運天中殺/大殺界「戌・亥」のうちの「戌年」です。またぎんさんの娘4名のうち婿養子をとって蟹江家を継いだのは1923年10月、「亥年戌月」に生まれた四女の美根代さん(95歳で逝去)だとのことですね。
※きんさんのお子様については生年月日など不明です。ただし11名のお子様を設けられたうちで5名のお子様が亡くされているとのことですが、戦争が間近にあったと呼んで差し支えない当時ですので詳しいことを知らないことにはなんとも言えないところですが・・・。
参考HP:NHKアーカイブス「あの人に会いたい きんさんぎんさん」
読売新聞オンライン「あの「きんさん」の息子も93歳に、長寿の秘訣は「色気と洒落っ気」…「100歳まで何とか頑張りたい」」
もう少し付け加えれば、中国占術の世界の中でそうした未来予測を行うものが断易などの卜占だということはできますが、それでもこの未来予測はもちろん個別にその方その方に関する内容を占うもので、
よほどその技法に精通した方が行った断易でその結果が明確に出ない限りは結果を断言することはそうそうできるものではないだろうというのが私の考えです。(少なくともわたしの断易のレベルでは相談などで使用することはありません。自分の占断に自信を持てない中なのでそれを他の方に使用するのは無責任すぎるだろうと思いますので)
またもう一つの例外としては、四柱推命等のロジックに基づく占術ではなくて霊感、第六感に近しい超感覚の中でそうした未来予測のようなことが個別の事案で言われるケースもあるものだとも思います。(それこそ占い師の方々の中にもそうした方々はいるのでしょうから。)
実際そうした不思議な事象、誰も知るはずのない、家族すらも知るはずのないような事柄を言い当てられている事例なども自分自身信頼のできる方々(地元の公務員の先輩方や仲間、あるいは親戚なども含みます)からお聞きしていますのでわたしはそれらを否定できるものではありません。
ただそれは理論に基づく占術の話ではなく、わたしにそうした第六感のようなものはありませんのでここではその種の問題に深入りできるものではありません。
・・・が、こうした霊感や第六感に基づく占断というものは、それを聞いた側が霊感商法なども疑いながら一番慎重に判断を行うべきものだとも思います。
要は最も詐欺に近い商法が可能であるものですので。単純な過去や家族関係を当てる程度なら事前に探偵などを雇えば知識として仕入れることは容易でしょうし・・・。
もっといえば、たとえばそうした不思議な力を持っていそうだと自分が思った方であったとしても、「わたしの販売する高額なお札を買う、わたしの進める事業所で高額なお墓を作ることでしかあなたは救われない、わたし以外を頼ったらあなたは呪われる」といったことを言い出したならわたしはいったんその方のことを疑ってしまいそうですが・・・?
「一に命、二に運、三に風水、四に積陰徳、五に読書」
そして、わたしが天中殺/大殺界を気にしない理由の中で最も大きなものはこの中国のことわざに表される内容です。
これは「人生に影響を強く与えているもの、あるいはどのようなものが人生における結果に影響を与えるものか」を説くものです。
「一に命、二に運、三に風水、四に積陰徳、五に読書」
ここでいう「命」は個人が持って生まれた宿命、「運」はそのときそのときの運気の善し悪し、「風水」は住環境などの風水が個人に与える影響力、「積陰徳」とは人目につかないところで行う利他行動、「読書」は読書そのものや他人の考えを学ぶことなどを指す自己研鑽に近いものだと自分は理解をしています。(もとの言葉はこの後も15まで続きますよ。)
この中で考えたら期間で巡る天中殺や大殺界というものは、「②の運(つまりタイミングです)」のうちのさらに一部を抽出した概念に過ぎません。
つまり、本人の持って生まれた宿命、天中殺/大殺界以外のすべてのロジックにおけるその時期の持つさまざまな意味、そして環境から受ける影響力、本人の人格や努力、行動といったものを無視してすべて結果が決まるとするのがこの「天中殺/大殺界に行動を起こすとすべて失敗に至って失敗に至る」という俗説であるとわたしは考えています。
つまり、天中殺/大殺界期間中の結婚すればその夫婦の人間性と二人の相性がどのようなものであれ、周囲の祝福がどれだけあろうがなかろうが結果に影響を及ぼさないし、
天中殺/大殺界に始めたビジネスはそれがどんなに社会に役立ち画期的な素晴らしいものであっても、その本人がどれだけそのビジネスに適性があっても意味がないし、
天中殺/大殺界に建てた家はそれがどんなに素晴らしい風水の住宅であっても凶の結果を呼ぶものだし、
そして何より算命学、六星占術においても天中殺と大殺界以外のすべてのロジックにおける吉凶や相性判断で好ましい者であったとしても意味をなさないというのがこの「天中殺/大殺界に行動を起こすとすべて不幸になる」という言葉の意味だと考えられるわけです。
でははたしてこの天中殺/大殺界という人生の少なくとも4分の1、多ければ2分の1以上というような長期間が該当してしまう概念にそこまでの凶意があるのでしょうか?
ちなみに「大殺界のときに入った会社はいずれ辞めることになる」「天中殺のときに始めた事業はいずれ破綻する」「天中殺のときに出会った人はたとえ尊い関係に思えてもいずれ別れることになる」・・・など、私からすればすべて同じ話に聞こえます。少なくともこれらのことを「必ず」と断言することはできません。
そもそも毒親やパワハラ上司やモラハラ夫、そうした方々を社会制度あるいは身近な人間関係の中できちんと律することすらできない時代の中で、そうした環境から自分の意思で脱する行動のすべてを制限して生きていくことはどう考えても難しいだろうと。
あと、付け加えるならこうした天中殺における結婚がうまくいかなかったものの例として不祥事や不倫、はたまた犯罪行為のようなことが取り上げられたりもしますが・・・
祥事として騒がれるような行動や不倫、あるいは犯罪行為が後の悪い結果に結びつく可能性があるなんて話は占術どうこう関係なく当たり前の話ですよね。
つまるところ、この命、運、風水、積陰徳、読書という話の中での「運(=タイミング)」に関して・・・
「この時期に~の行動を起こしてしまうと、どんな宿命を持った方が、その後どんなタイミングを使って行動を起こし、本人がどんな風水の家に住み、どんなに人の役に立つような活動を行いながら、どれだけ努力や研鑽を重ねたとしても数十年間以上にわたって強い凶運が続き「必ず」破滅に至る」というような概念はそもそもありえないと私は考えていますし、
四柱推命においても様々な行動などに注意をすべきときはもちろんありますが、少なくともそれは空亡理論とは異なるもので、別のロジックから検討を行うものです。
こうした考えを持っているため「天中殺や大殺界が凶の時期」という仮説まではわたしが完全に否定することはできないものの、「天中殺や大殺界は他の全てを凌駕して不幸な結果に至らせる時期」だという俗説をわたしが気にすることはありません。
(わたしはこの天中殺、大殺界と同じロジックで求める空亡を一律に「凶の時期」と考えることはありません。空亡については吉の時期となる人も凶になる人もおりますし、空亡の該当期間のうちでも空亡以外の要素によって時期の判断は異なります)
またこの考え方は他の占術、たとえば四柱推命や風水などの好ましい運気、悪い運気の双方においても結果の断言が難しいということの根拠になりうるものではないでしょうか。
だからこそ風水で「これさえすれば必ず売り上げが上がる!」も、四柱推命で「この時期に必ず事故に遭う!」も、どちらも断言はできないものだとわたしは考えていますので。
(注意)俗説としての天中殺や大殺界と算命学や六星占術の占術全体の違い、実際の相談について
ここまでに記したものが私が天中殺や大殺界について考えている内容であり、それは私がこれらを気にしない理由としているものです。
それに何よりここにこうして11例の著名人の実例を挙げさせて頂きましたが、「天中殺や大殺界に行動を起こすことがすべて凶」だとする仮説については、ここに挙げた実例の方々が若かりし頃を考えてみるとひとつ考えるヒントになるのかもしれません。
たとえば卓越した野球センスはあるけども痩せ気味で体格に恵まれていたわけではない鈴木一郎氏が高校生の折にプロ入りの是非を迷っていたとしたら。
「世界のクロサワ」ではなくて若かりし無名の映画スタッフだった黒澤明氏が監督デビューの時期を迷っていたとしたら。
「平成を抱いた男キムタク」が無名の木村少年だった折に本人や彼のご両親が芸能界入りの是非をを迷っていたとしたら。
あるいは三浦友和さんと山口百恵さんの結婚前にお二人がその結婚時期を迷っていたとしたら。
少なくとも彼らがこうした時期をすべて不幸な結果を生み出す大凶の時期だと考えて悩んでしまっていたらこれらの結果は生まれていない可能性だってありますよね。
ただし・・・この記事はあくまでも「すべて不幸な結果を招く」というような俗説の天中殺/大殺界に対する反論として文章を書いたもので、私自身は算命学や六星占術を真正面から学んだわけではなく、算命学理論や六星占術理論はもとより、天中殺や大殺界の深い判断を知っているわけではありません。
結局のところこうした占術の実際というものは市販書だけで学ぶのはおそらく不可能に近く、その流派の先生方から直接学ぶことでしかきちんとその考え方を理解できるものではないのだろうと思いますので。
そして、たとえば天中殺について少し調べてみても一定の条件下で起こるとされる天中殺の「陽転現象」や天中殺は新しいことを始めるチャンスにもなりうるものだと説く専門家の方々がおり、また前編で挙げたように六星占術の継承者である細木かおり氏が「大殺界は恐怖の3年間ではありません」と言われていたり。
算命学においてはそもそも個人の命式の判断がどうなのか、そのうえで車騎星が巡る時期なのか鳳閣星が巡る時期なのか、あるいは守護神が巡る時期なのか天剋地冲の時期なのか。六星占術においてもその月運大殺界は種子の年なのか乱気の年なのか、大善星の時期なのか風行星の時期なのか、そういった諸々の要素を加味してこそ全体の判断が行えるものだろうと考えています。(意図して専門用語を使ってますが要は諸々の検討事項があるということです)
個人の命式の判断というものがあり、そのうえで大運、年運などの時期の兼ね合いがある中で個人の判断を行うものだと思いますが、その中の一つの年運、月運、日運などの要素だけを切り取って凶の時期だと判断ができるものではないでしょう。
つまり単純な話、「天中殺/大殺界はすべて大凶」という俗説が算命学や六星占術のすべてなわけがありません。
そして、さらにもう一点書いておくならば、仮に理論というものがどうあれど一対一の相談の中ではこうした一つのロジックのみですべてが測れるわけはなく、その場の話がどのようなものかというのは相談を受けたご本人でしか善し悪しを語れるものではないでしょうから、これらの占術そのものや、その占術を使われる方々が行っている相談というものについても私から言えることはありません。
言うまでもなく相談者の人生を好転させている素晴らしい相談を行っている方がたくさんみえるからこそ算命学や六星占術と言う占術が現在も続いているわけでしょうから。
ですから俗説の天中殺や大殺界にほんとうに悩んでしまうなら、算命学なら宗家高尾義政氏の天中殺に関する市販本などを読んでいただいたり、この記事でも挙げた和泉宗章氏の天中殺の否定本を読まれるのも良いでしょうし、あるいは細木数子氏の六星占術の本で大殺界を彼らがどう考えているのかを知るのがまずはよいと思いますし、
もっといえばその専門家である算命学や六星占術の先生方に実際に自分の命式を鑑定頂いて相談されることがよいのでしょうし。(もちろん天中殺や大殺界を元から凶と捉えない中国式の四柱推命の鑑定士を探すこともよいでしょう。どちらのほうがご自身で納得できるかは比べて頂くほかありません・・・が、仮に40年、60年の大運天中殺に該当すると言われて絶望している方などは中国式の四柱推命の相談を検討してもらってもよいかもしれないです)
それともう一つ、「どのような相談を行い、ひとの悪い将来を避けてポジティブな感情と将来への展望を引き出せるのか」という観点こそがこれらの命運に関する相談の目的だとするならば、
あくまでもこの問題は流派や理論どうこうの問題ではなくて明らかに鑑定者の個々人に降りかかってくる問題であってその相談の善し悪しは理論のみから推し量ることはできず、結局のところ依頼者と鑑定者の二人の間でしかそれはわからないものだろうと私は考えています。
その観点から見ればこうした四柱推命などの相談はカウンセリングに近しい要素を持ったものではないかとも個人的には思うところです。
たとえば誰もが認める名カウンセラーが自分には相性が悪いことだってありますし、何の理論も知らない近所の人当たりの良いおばあちゃんの方が心理職や占い師よりも人をいやすことができることだってもちろんあるでしょうから。
つまり・・・ここに書いたような理論のみでその相談の善し悪しを推し量ることはできないもので、そもそも算命学、六星占術ともにすべての内容を把握していない私が算命学や六星占術の理論そのものをどうこう言える立場ではありませんし、天中殺や大殺界においてもこれらの概念を使用する占術家の方々の実際の相談を否定する理由も否定できる根拠も私にはありません。
なんなら四柱推命と算命学、六星占術などが異なる角度からひとりの運気の流れを見つめる占術だと考えるなら、これら複数の技法を学んで併用しながら一人の人生を見つめることができたらそれが一番好ましいのかもしれませんし、可能ならば人相学などにも精通している鑑定士の方のほうが鑑定の精度は上がるものかとも思いますし。(わたしは不勉強のため算命学や六星占術による判断はできませんし人相学についてもまだまだ不勉強ですが・・・)
ただそれでも、こうした天中殺や大殺界という概念はそもそもそれがすべて不幸をもたらすものだとする巷の俗説を信用するにはあまりに根拠が曖昧なものであると考えています。
だからどうか、こうした俗説を聞いて「すべて凶の時期」と信じ込んで悲観してしまうくらいなら・・・
ご自身でそうしたものがほんとうに悪いものなのか、悪いとしてもどこまでの程度悪いものなのだろうかということはそれを聞いたご自身が自分の過去や、自分の身近な方の例を考えてみて頂きたいですし、知識を自分で得るか、きちんと信頼できそうな専門家の判断を仰いでほしいというのが私の個人的な希望です。
それはもちろん私自身が説く内容についても同じことですよ。
おわりに
この記事では俗説としてよく恐れられている天中殺、大殺界という問題に関してわたしが考えている内容を記してみました。
ちなみに当サイトの文章については著作権の放棄はしていないので転載はお断りさせて頂きますが、リンクはフリーです。
俗説の天中殺や大殺界に悩む方がこの記事を読んで少しでも不安をやわらいでいただけたなら、同じ悩みを持つ方に向けてこの記事のリンクを貼るなどしてわたしの考えを紹介して頂けたらありがたく存じますよ。(これはたんなるPRと当サイト応援のお願いです笑 無料公開についてはしばらくの間は続ける予定ですので)
また、ここで天中殺や大殺界についてわたしが気にしていないとはいえど、わたしは四柱推命の理論を信頼しており、信頼させて頂いている四柱推命の先生方がおり、自分自身四柱推命を使用しています。
この記事を含めて私の文章を読んでいただいている方には察して頂けるかもですが、どちらかといえば私はひとつの論理を聞いたら反証を考える癖がある程度には疑り深い性格で、良くも悪くも物事を突き詰めて考えてしまう癖があります。そもそも天中殺や大殺界などの言葉は知ってましたが自分の天中殺や大殺界を調べたことすらないですし。
ただ風水にせよ四柱推命にせよ、これらをきちんと学んでいくと、考える例をどれだけ増やしてもそうした運気というものはあるのだろうという結論に今は至っています。
ただ四柱推命はここで書いた天中殺や大殺界などの「簡単なロジック」で判別できるものでなく、このサイトごときで論理の全容を述べるにはあまりにも複雑なものです。
そのため、たとえば自動計算サイト等ですべての結論を導ける形になるのにはAIの進化を見越しても少なくともまだまだ時間がかかるだろうと考えていますので現状の自動鑑定サイトはわたしは全く当てにしてません。使用するにしても命式を知って、大運を大まかに出す程度までです。(そしてそれはいうまでもなく算命学や六星占術でも同じことでしょう)
少なくとも私からすれば、ここに書いた程度の俗説天中殺や大殺界のロジックや自動計算サイトごときの情報で人生の運気の善し悪しを決定的に判断できる術が存在するのならこれが世界に広まっていない理由がわかりません。もっと論理が複雑で習得に時間のかかる中国式の四柱推命理論などは世界中に広まっているのですが・・・。
わかりやすいことはたしかに美徳ではありますが、わかりやすいロジックが日本のメディアにこれだけあふれていながらも、それでもなお複雑な理論がいまだに残り続けて欧米諸国も含めた世界に流通していることには意味があるのではないでしょうか?
(それは北東鬼門なども全く同じですよね。天中殺も大殺界も北東鬼門もそのいずれもわたしが知る限りで海外に広まっているという話は知りませんし、複数以上の風水技法を学ばれている風水の専門家が鬼門を恐れている話をわたしは聞いたことがありません。
そのため、もしあったとしても少数派の方ではないかなと考えています。こうした運気というものに対する世間の関心はむしろ日本は低い方だろうとも思うのですが・・・)
ちなみにですが・・・ゲッター飯田さんが説いている「裏運気」とかいうものについても、四柱推命の空亡の概念を別の名前で呼んでいるものだと本人が下記の対談でも述べられています。(つまり裏運気も、もともと天中殺や大殺界と同じ概念を指す別呼称だということ)
the new york times style magazine japan「二大人気占い研究家ゲッターズ飯田×水晶玉子のスペシャル対談」
ただし裏運気は「自分の別の一面が出てくる時期と言うだけで怖いものではない」という立場をゲッター飯田さんはとっているようでので・・・これってつまりゲッター飯田さんも天中殺や大殺界をすべて大凶の時期だと捉えていないということに自分には思えます。
さらに別の方が説く「人生で六度訪れるとても悪い時期」という概念があることも最近知りましたのでサイトの自動計算で20例ほど試しに見てみましたが・・・
ネットをざっと調べた限り算出根拠が明かされているようではないですし、現時点では確信のあるものではありませんが・・・この概念も四柱推命が説く空亡以外のひとつの概念に集約ができそうですし、空亡以上にシンプルな算出根拠のような気がしてしまいますが・・・(いや、算命学にもある概念かもですが・・・)?
(ちなみに日本の占い師さんがテレビメディアなどでこうした「誰にでもわかりやすい大凶の時期」を喧伝して有名になるスキームができたはしりの概念こそが天中殺だと自分は思ってますが、そもそも日本のメディアが推す「スゴ腕占い師の方々」の説くこうした「大凶の時期」をすべて避けていたら生活送っていけなさそうな気がします。 )
正直じぶんはこれらの概念がよほど悪い形で世間に浸透しない限り本気で調べることはないでしょうし・・・
そもそも先に書いたように天中殺も大殺界もこれらの概念も、それらを説く占術家先生ご自身やその先生方のファンでいることも、その理論を信じることも個人の自由だと考えています。こうしたものを説かれる方々におかれても、それを説く個人としての魅力があるからこそメディアでの露出も多くこうした概念が広まっているのでしょうし、人を良い方向に導くことができているならその相談そのものを否定できる理由はありません。
ただしそうした個人の一対一の相談やその先生個人のファンの方などでなくて、先走りしてしまっている俗説理論を不安に思う人がいるならば、その理論が信頼に足りそうかどうか程度のことは考えてしまうところで・・・。
とりあえずそれがどんな概念であっても、生年月日の情報からその方の大凶の時期を自動計算で導けるという時点でわたしはその理論をそこまで重視することはないだろうと思います。
たしかに四柱推命もまたロジックの集合体ではありますが、ロジックが複雑すぎるので個々の例を目で見て判断するしかその方にとっての良い時期悪い時期の判断はできないだろうというのがわたしの考えですし、実際の四柱推命の判断としては「すべて凶」なんてわかりやすい大凶の時期はそうはないもので、様々な行動などの観点で運気の後押し、あるいは運気による足かせや障害があるというようなもので、ここに書いたようにそれは「結果が生まれるまでの一つの観点から見た運気の要素」ではあるものなので、結果が絶対にわかるというような予言めいたものではありません。
(ただしそうはいっても、自分はその運気の流れは存在するものだと思っているからこそ四柱推命を商売にさせていただく選択をしているわけですが)
それでは最後になりますが、「風水とビジネス」の記事にも書いた言葉をふたつ再掲しておきます。
「愚か者は風水(占術)に依存し、探求心のない者は風水(占術)を無視し、探求者は風水(占術)を利用してさらに富む。」(詠み人知らず)
「いくら風水師にビジネスに向いていると言われたからって、それだけですべてを依存するのでなくて、最後にはきみ自身が決めることですよ。」(風水愛好家として良く名の上がるヴァージングループ創設者リチャードブランソン会長)
どうか、この記事を読んでいただいたあなたが占術に依存や盲信、あるいは悪い暗示を受けて無駄に人生を悲観することなく、場合によってはうまくこれらの占術を利用しながらご自身の意思と行動で良い方向に人生を送っていただけますように。
それではこの記事はここまでです。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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