住人がうつ病になりやすいとされる間取りが世の中には存在します。
結論から言うとうつ病を引き起こしやすい間取りとは太陽光の入らない家であってかつ住人に不要な圧迫感、ストレスをもたらす間取り(家)のことであったり、さまざまな風水技法によってもそうした「うつを引き起こしやすい」住宅とされるものはあるところですが・・・
ここではそのことについて「変な家」で挙げられている「子供部屋が2階中央にある間取り」を例にして深堀りして考えてみたいと思います。
ちなみにこのサイトでは風水理論の中で居住が好ましくない土地や物件、間取りといった問題に関する記事を書いており、このサイトで紹介している住むことをお勧めしない間取りや部屋は以下のとおりです。
①三角形の部屋など、いびつな形の部屋、②自室玄関またはベランダ直前から目に入る鋭利な三角形、③光の入らない部屋、④自室直下が駐車場、⑤自室直下が飲食店、⑥1階が階段のみの物件(テラスハウス等)、⑦間取り中央にキッチン、トイレ、お風呂、階段のある物件、⑧玄関を開けて正面にエレベーターや階段のある部屋、⑨自室玄関前が長い廊下、⑩タワーマンションなどの高層階(目安は10階?)
いわばこのうつ病になりやすい間取りはこのうちの一つともいえるもので、他の内容については以下の記事で紹介していますのでよければその記事も見ていただけたら嬉しく思います。
「変な家」を代表する間取り図
はじめに「変な家」の間取りをあげてみます。
画像はこのお話の初出とされるサイト、「オモコロ」さんから引用させていただきました。
いちおうアマゾンのリンクも貼っておきます。
細かい部分はさておくと、1階の間取りだけを見ればそこまで変わった間取りの家でもなく、誰もが違和感を抱くのは2階の子供部屋だろうと思います。
それでもってこの間取りが強烈な違和感をあおっているのは下に挙げる二点だと考えています。
- 子供部屋が外に接しておらず、窓すらないため太陽光が入らないこと
- 子供部屋を監視するような部屋の配置
太陽光のない環境の人間への影響について
はじめに書いたように、うつ病になる間取りの第一義は、太陽光の入らない間取りです。ここからは太陽光の無い生活が人間にどのような影響を与えるのかみていきます。
日光とビタミンDのこと
健康の基本のお話です。人は日光を浴びることで体内でビタミンDの生成を行います。
MSDマニュアル「ビタミンD欠乏症」の記載によると、、、
「ビタミンD欠乏症は世界中でよくみられます。最も多いのは、皮膚が十分な日光を浴びていないときに起こる欠乏症です。
天然の(栄養強化されていない)食物だけで欠乏症を予防できるほどのビタミンDが供給できることはめったにありません。」
という記述がみられます。サプリメントなどの摂取を考慮しなければ食品だけでは人の体はビタミン欠乏に陥ってしまうようにできているということです。
ビタミンD欠乏症になると筋肉や骨が弱くなって痛みを感じたり、乳幼児の場合にはくる病の発症を促進させてしまうものだとのことです。
参考HP:MSDマニュアル「ビタミンD欠乏症」
日光と幸せホルモン「セロトニン」の関係
「南国には陽気な人が多く、北国には陰気な人が多い」そうした話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
日光(太陽光)とうつ病に関する研究は古くからなされていますが、日光と幸せホルモンと呼ばれるセロトニンには密接な関係があるとされます。
セロトニンの効果として言われているのは以下のようなものです。
- 幸福感を増す
- 緊張などのストレスを感じにくくなる
- 快眠を得る
建物内における照明の明かりの輝度はおおよそ500~1,000ルクス程度ですが、2,500ルクス~1万ルクスの輝度を持った光を浴びると人体においてはセロトニン神経を活性化するとされています。
日光はくもりの日でも1万ルクスの輝度があるとされていますが、最も良いのはこの日光を朝~正午あたりの時間帯に浴びることで体内時計をリセットし、セロトニンの分泌を促すことでこうした結果につながるものだとされていますよ。
なお、セロトニンを増やすための日光浴以外の方法としては食品や運動などがあげられています。
話を日光に戻しますと、日光を浴びることができない間取りであっても、当然外に出て日光を浴びることが日常的になっている方についてはこうした問題は起こってはこないわけです。
ただし自室にこもりきりのような生活になってしまっている方、部屋から出るのが日が落ちて以降のことが多い方についてはこうした間取りはとても気にする必要があるということですよ。
参考HP:健康ねっと「日光によるセロトニン分泌の仕組みとは?窓越しの効果についても紹介」
サントリーウエルネスオンライン「幸せホルモン「セロトニン」とは?セロトニンの作用と増やす方法を解説」
極夜における越冬症候群のはなし
世界最北の地では冬の期間、3か月から4か月に渡って太陽光が地面を照らさない「極夜」というものが存在します。
そうした極限ともいえる環境に挑戦した角幡唯介氏という方の「極夜行」という本を以前に読みました。クレイジージャーニーでも出演していたようなので知っている方もいるのではないでしょうか。
グリーンランドの小さな村から北極点に向けてソリを引いて向かった彼は「太陽光が見えないことによる強烈な不安感」を作中で語ります。
そうした環境に慣れている方はまだしも、そうでない旅行者や移住者の多くがその期間にうつ病を発症してしまうのだと。
そうした例については「越冬症候群」という名前がついているようで、南極基地の探検隊もその多くが同じ症例を経験するのだといいます。
そうした環境に入った直後にはうつのような状態になり、そうした環境が長く続いた後には人はそこに順応はするが、「精神的な冬眠」に近い状態になって喜怒哀楽の感情を薄くすることでその環境を耐え忍ぶのだと。
参考HP:文芸春秋BOOKS「角幡唯介:極夜行」、
ナゾロジー「南極隊員は冬の間「心理的冬眠」状態になる。その意外な理由とは?」
監視部屋のような間取り
変な家に見た間取りにおいては、2階中央の子供部屋をそばで就寝するであろう両親が監視するよ卯な形で部屋の配置がなされていました。そのことについても考えていきます。
座敷牢のこと
作中でも「子供を徹底的に管理下に置きたいという意思」なんて表現されているこの間取りをみて私がはじめに思い浮かんだものは「座敷牢」でした。
座敷牢は明治初期頃までは日本においても割と行われていたとされるもので、「家人の中に家族以外の者の目に触れさせたくない者が出た場合に家の中に閉じ込めて生活を送らせるため自宅内に設けた一室、またはその部屋に閉じ込める行為そのもの」のことを指します。
※参考HP:ウィキペディア「座敷牢」
子供部屋に通じる入り口は二重のドアで閉じられてトイレだけは出入り自由、出口のドアの先には出入りを監視するように主寝室と思われるベッドが横たわっています。
たとえこの子供部屋がどんなに豪華な設備が整っていて快適な生活環境が約束されていたとしても、こんな間取りに住む以上毎日の生活の中で感じる閉塞感、圧迫感はとてつもないものでしょう。
例えば普通の間取りに住んでいても親が過度な干渉と強制をこどもに繰り返せば子どもがうつ病を発症して当然なように、これだけひどい間取りであれば親がふつうの愛情をもって子どもに接したとしても間取りそのものが圧倒的に子どもを支配するための間取りなのですから・・・
これでうつにならないほうが不思議な気はします。
スタンフォード監獄実験について
もう一つ、少し例は違いますが1970年代のアメリカで行われた「スタンフォード監獄実験」というものがあります。
実験の概要は次のようなものです。
精神的に健全と判断された20数名のスタンフォード大学の学生をアルバイトとして雇い「無作為に」監守役と囚人役に学生を振り分けて監獄を模した施設内で2週間の生活を送るという実験を行ったところ、開始後数日に監守役の学生が囚人役の学生に対して暴行を加え始め、わずか6日で実験は中止に追い込まれました。
参照:四谷大学通信講座「スタンフォード大学の心理実験「監獄実験」」
この実験では住環境だけの話ではなくて社会的な役割というものも心理的に大きな作用を持っていますが、この変な家の間取りはその間取りだけで「監視するものとされるもの」の区分を感じさせるものだと感じます。
とりあえずこんな間取りで設計を行う時点で、家族内の虐待が行われていないと考える方が難しいのではないかと、、、。
風水におけるうつ病になる環境や間取り
また、風水においても窓のない部屋に住むことが凶であるだけでなく、樹木やつるに囲まれて日の光の届かない家に住むと住人は陰うつになるとされています。
つまり平たく言えば太陽光の入らない間取り、あるいは太陽光の入らない部屋に住む住人はうつ病になる可能性があるということです。
そこにはどう考えても太陽光が少なすぎる環境において人は心理的にネガティブな影響を受ける可能性が書かれています。
当たり前すぎる話ですが太陽光は人間の生活に必要なものだということです。家だけの問題でもなくてカーテンを閉じた家の中で閉じこもっている生活がいかに精神的な不健康を引き起こすかは誰しもが周りの人間を見渡しせば理解できるところではないでしょうか。
なお監視部屋のような間取りについての風水の言及は残念ながら私は知りません笑
とはいえこうした座敷牢のような建築は古くは為政者のためにこそ存在していた間取りではないかと考えます。風水そのものが為政者のために発展した側面がありますので、そうした為政者側の不利益に繋がる情報を風水が残さなかったこともあるいは必然なのかもしれません。
どう考えたところで住人側からすればこれがよい環境なわけがないですので・・・。
またその他にも風水においては、たとえば隣接する建物の角が向かってくる(壁刀煞)家や部屋、T字路などの道路の突き当り(路沖煞)や、カーブ外側に位置する家(反弓煞)においては住人は精神薄弱にさらされ、精神的な混乱を招くとする考えがあったり、マンションの高層階においては孤独になりやすい(孤峰煞)といった象意が出るものだとされています。
風水における目に見えない気の流れによる影響
さて、ここから先は少し風水の理論的なお話を加えておきます。
中国の伝統風水の理論において、先に挙げたように建物周辺の環境や建物内部の構造といった「目に見える形や色などから人間が受ける影響」の他に、「目に見ることのできない気の流れ」といったものを風水は扱っています。
おそらくはそこが風水というものを「うさんくさいなあ・・・」と思わせてしまうポイントではあるかとは思うのですが、こうしたものを大真面目に数千年間研究しているのが中国占術の世界だということです。
そうした中で、日本における「風水」はさておいていま西洋諸国を含めて世界中に中国風水というものは広がりを見せつつあり、例を挙げるならドナルドトランプ、ビルゲイツ、スティーブンスピルバーグ氏らといった方々や、コカコーラ、サムスン電子、ブリティッシュエアウェイズ、HSBC、モルガンスタンレー証券、ディズニーランドといった世界的な企業においても多数の実践例があります。
そうした中でいま世界で最も信頼を得ている風水技法としては時間とともに建物の運気は変化するものだと説く玄空飛星派風水(別名をフライングスター風水といいます)というものが挙げられますが、その理論の中においてもいくつかこうしたうつ病に関する記述というものはあります。
たとえばこの技法において宅内の運気を示すチャートの内中央に五黄が巡る「伏吟(ふくぎん)」というタイプに分類される宅であったり、寝室に病を意味する二黒という星が飛星しているケースなどはそうしたものに分類ができるでしょう。
実際にはこの技法の他にもさまざまな技法においてもこのうつ病に関する著述は見られるものですが、ひとまずわたしがこのサイト内である程度の理論を紹介している玄空飛星派風水においてまずいえることはその二つのタイプの物件がそれらに該当します。
実際にそうした物件に住まわれている方の中でそうした状況を訴える方はわたし自身実例として知っているところですので、参考にされる方は他の記事も読んでみて頂けたら。
なお、ここで挙げる風水というものは、ジャンルとしては「中国伝統風水」と称されるもので、いわゆる「お財布の色」「不思議なアイテムを設置」ではなく、あくまでも風水とはその物件ごとに異なる方位の使用を説くもので、「北東は鬼門」「西に黄色のカーテン」などは中国伝統風水とは全く異なるものです。
(たとえば北東を一律に悪いとする理論はわたしが知る限り海外諸国にはありませんし、西の方位が金運の方位という大雑把すぎる方位術も私が知る限り海外諸国での実用例は存じません。また高価なアイテムを設置することにより風水効果を狙うというものは、少なくとも中国唐代から一般民衆において風水が使用されてきている歴史を考えたらそれが伝統的な風水だとは考えづらいものだとわたしは考えています)
その他に、四柱推命における「うつ病を発症しやすい」とされる時期も・・・
ここに挙げたのは風水、つまり周辺土地や居住の住宅においてうつを発症しやすいとされるものについてですが、このほかにも中国占術においては、四柱推命で読み解く運気の流れの中で「うつ病に注意するべき時期」というものが存在します。
そうした悪い時期にこうしたうつ病を引き起こしやすいとされる住宅などに住んでしまっている場合には特に注意は必要とされるもので、実際にそうした例はしばしば見かけるところです。
ただしこの「うつ病をひきおこしやすい」時期については個人ごとに各々こうした運気の巡る時期は異なるもので、また自動計算などができるものではないことからここでは詳述はしませんが・・・
風水の住宅環境や四柱推命の時期によるうつを引き起こしやすい状況からの改善策は?
では、こうした風水や四柱推命の時期の問題において「うつ病を発症しやすい」となった場合にそれに対する中国占術における対処はあるのかということについて少しだけ追記しておきます。
こうした問題については、たとえば住宅などの生活環境がうつを引き起こしやすいものだとされるならば、たとえば風水において「就寝位置を変えて良い睡眠をとる」ことはこうした問題に対するひとつの打開策とされるものです。
具体的には先に挙げた玄空飛星派風水というものには、「睡眠をよくとるための方位」というものが存在し、それは北枕がいいとか南枕がいいとかいうように一律に規定ができるものではなくてひとつひとつの家ごとにその方位は異なるものです。
ただ、その意味で言えば風水理論を知らずとも就寝の方位をいろいろ変えて試してみることはひとつの手助けとなることもあるかもしれません。
また、四柱推命で見るような時期の問題においても、そうした時期が巡っているならば意識して外に出て日の光を浴びて生活を送る、あるいは趣味などをみつけて外出の機会を増やすことは行動面からこうした状況を改善するための手助けともなるのではないでしょうか。
この記事に挙げたような例に該当してしまっているからといってそれですべてをあきらめるような必要はないということですよ。
おわりに
ここまでに見てきたように、太陽光が人間に与える影響も、間取りから来る精神的な重圧も、そこに住む本人からすれば影響ははなはだ大きいものです。(そして、私からすれば目に見えない気の流れというものの影響もまたとても大きいものだと。。)
ただし、そんな物件に住めばみんながうつ病になる!なんて短絡的なことはもちろんなく、そこに住む住人の中でも外によく出て友人と遊ぶ人と、引きこもりのような状態になっている人では当然ながら全く状況は異なります。
ですから住環境にすべての要因を求めることはもちろん不可能ではあるのですが、それでも住環境には無視のできない影響力があるのではないかというのが風水が解くお話だというわけです。
また、この「変な家」についてはそもそも実在するかどうかわかりませんが、この家のような間取りが存在するならばそれだけで悪意しか感じないような物件です。
ただうつ病になってしまう間取りというよりも、住人を弱らせて隷属させるように設計された悪意に満ちた間取りといえばいいでしょうか。
わたしは風水と四柱推命を専門に扱う鑑定士ですが、そうした住環境が人間に対して与える影響を数千年に渡って研究してきた学問が風水だというわけです。
風水はけしてお掃除や財布の色、ラッキーナンバーなどではありませんし、お高い枕や力の込められたお水、パワーストーンなんていう話は風水理論と関係はありません。
この「変な家」の間取りのような悪意に満ちた物件はもちろん例外ではありますが、そうした物件や間取りを見たときにそれを見分けることができる目を養うことができればよいのではないかと考えています。
このサイトがその助けのひとつになることを願いつつ。ここまで読んでいただきありがとうございました。
この変な家の例で示したように、幸せに暮らす目的のために建設された家もあれば、そうでない目的のために建てられる家があります。
「悪意の風水について」の記事では、英国統治下の香港でかつて起こった英国資本の銀行と中国銀行の間で起こった風水を利用した俗に「風水戦争」と呼ばれるものと、オカルト作家加門七海氏の友人である霜島けいさんが実際に住んで体験したとされる「三角マンション」という悪意の実験のために都内に作られたとされるマンションのことを書きました。
そうしたものの他にも、風水において不吉とされる建物周辺の環境などを集めた記事、私がメインで使用している「最強の風水」と名高い玄空飛星派(フライングスター)風水という技法の鑑定例などを以下の記事で挙げています。
そうした記事も読んでいただけたらうれしく思います。
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