玄空飛星派(フライングスター)風水において、建物の建築時期と建物の顔の向きによって建物内部に流れる気の流れを量る飛星チャート(飛星図)を描くことができるとしていることは「玄空飛星派風水のあらましについて」の記事で書いたところです。
この記事では2024年2月4日から始まった第9運の建築物における飛星チャートの24種類を挙げてみます。これから住宅や店舗などの新築を考えている方は参考にしてくださいね。
- この記事で挙げる飛星チャートは第9運(2024年2月4日~2044年2月3日)に建築された建物の飛星チャートです。
- 第八運の時期に建築された建物については第八運の飛星チャートを持つ建物となりますので、2024年2月4日以降にチャートが第九運のものに変化することはありません。
- また、方位を測定する際の注意点については「玄空飛星派の注意点/偏角・玄関と建物の向き・替星・空亡」にまとめました。建物の方位が境界付近(流派により1.5度~3度までその範囲は異なります)に方位が位置する際には「替星チャート」という、この24坐山以外のチャートも使用しますよ。
- 玄空飛星派の年飛星については「玄空飛星派の年飛星」の記事にまとめましたのでよかったらそちらもご覧ください。
なお、記事内の各チャートの説明の下に記載している緑色の専門用語については、「特殊チャート一覧」の記事内の該当箇所にリンクを貼っておきました。
またその他第九運に関しては「玄空飛星派/フライングスター風水における第九運の予測」の記事に風水業界がどのように第九運の20年間を捉えているのか、それに対するわたしの考察の記事をあげています。よければそちらもご覧ください。
玄空飛星派/フライングスター風水における方位の24区分「二十四坐山」
まず全体的な方位の区分について図で確認してみます。
画像が二十四坐山といわれる基本的な方位の24区分で、360度をそれぞれ15度ずつに等分されたものになります。画像の下側が北ですよ。
風水においては真北を子(ね)、真東を卯(う)、真南を午(うま)、真西は酉(とり)方位と呼びます。これは子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の十二支から来るものです。
その12方位に甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)、丁(ひのと)、庚(かのえ)、辛(かのと)、壬(みずのえ)、癸(みずのと)の8方位と艮(ごん)、巽(そん)、坤(こん)、乾(けん)の4方位を合わせて24方位となります。
※ただし、建物の向きが24区分の境界付近に位置する場合には「替星チャート」と呼ばれる特殊なチャートを考慮に入れる必要があるため、厳密には玄空飛星派の方位区分は24ではありません。
あなたの住んでいる家が顔をどの方位に向けているかで宅内の気の流れを判断するわけです。建物の顔の向きの判断基準については「玄空飛星派風水のあらましについて」の記事をご覧くださいね。
- 建物の方位区分は原則24区分
- ただし24区分の境界付近の建物は特殊なチャートを使用する必要がある
第9運チャートを考えるヒント
さて、第9運のチャートを実際に見ていく前に第9運のチャートについてわたしが考えていることを少しお伝えします。あなたが住宅を新築する際のヒントになれば幸いです。
第9運のチャートを眺めた場合、特記すべきことは下のとおりです。
- 旺山旺向のチャートが存在しない
- 全てのチャートで最吉星の向星9,山星9が同じ方位に配置される
- 特殊チャートの例が少ない
まず第9運にはいわゆる「旺山旺向」のチャートは存在しません。ですが旺山旺向とはあくまで物件を新築した時点での最吉星(9運における9のことです)の配置が建物前方に向星9、後方に山星9が配置されていることを言うもので、物件の周辺環境も一定の環境に整った場合にこそその力を発揮するとされているものです。
つまり旺山旺向はそもそもチャートの配置が使いやすいということはあっても、それで素晴らしい風水住宅を建築しても20年後にはそれが使いづらい住宅になっていることはしばしば。ですから旺山旺向がないからと悲観する必要はありません。
次に、この9運のチャートにおいては最吉星の向星9と山星9が同じ方位に配置されるチャートが(替星チャート以外の)すべてとなります。そのためその99の方位をどれだけうまく使えるかがこの9運のチャートを活かせるかどうかのポイントになるのではないかと考えています。
要は99の方位に玄関を持ってくれば寝室として9の恩恵を受けづらい家になってしまう。玄関はたしかにその建物における財運を最も強く示す場所ではありますが、ことに家族が住む住居においては玄関に99の方位を使用してしまうと良い山星の部屋がそれだけ減ってしまう可能性があるため注意が必要になるということです。
もちろんですが2階建て以上の物件で1階玄関に99を、2階寝室に99を持ってくることはとても良い選択だと考えています。
最後にこの9運においては南東向き、北西向きの一部に満盤合十のチャートが存在するのみで、連珠三般卦や父母三般卦などの縁起物とされるチャートは存在しません。ですが逆に上山下水の反伏吟のチャートも存在せず、ある意味で突出して良いチャートも悪いチャートも存在しない期間だといえるかもしれません。
ですので、チャートそのものでなくてどれだけひとつのチャートをうまく使い切った間取りを作るのか、それが大切なことのように思います。
そのうえで建物を新築した際に物件周囲がどのような環境になるのか、そして間取りを作成する中でどのようにチャートを活かすことができるのか。それを考えてみるのも楽しいものですよ。
ちなみに、、、建物を建築する際には当然ながらその土地がどのようなものであるかがまず重要です。土地が決まればある程度建物の向きは決まってくるものですから。ですので風水を利用して新築を行う際にはまず土地選びを重視してみてください。
もしもあなたが風水のプロの鑑定士と相談して新築物件を行う場合には、土地選びからが鉄則です。土地があまりにも悪い場合には好ましい風水住宅を作ることは困難ですから、、、。
ここではこの話はここまでとしておきますが、9運の住宅新築に関してひとつの記事を掲載しましたのでよければみてみてください。
第9運の北向き3方位の飛星図
※これからの飛星図(飛星チャート)もすべて北が下側に来るように描かれたものです。赤の矢印はその建物の向き(宅向)を、「山」の字は建物の坐山(背中側)を表しています。
左図・・・9運丙山壬向
右図・・・9運午山子向・9運丁山癸向
※午山子向と丁山癸向の飛星図は同じです。
丙山壬向は、360度区分のうち337.5度から352.5度までの方位です。
宅向の北方位には向星1が来ています。九運における最吉星である山星、向星の9がともに建物後方に位置する「双星倒山」チャートに該当します。また、中宮の向星に凶星とされる5が入っており「向星の伏吟」にも該当します。
午山子向は352.5度から7.5度までの方位です。
宅向の北方位には向星9が来ています。九運における最吉星である山星、向星の9がともに建物前方に位置する「双星会向」チャートに該当します。また、中宮の向星に凶星とされる5が入っており「向星の反吟」にも該当します。
丁山癸向は7.5度から22.5度までの方位で内容は午山子向と同じです。
第9運の北東向き3方位の飛星図
左図・・・9運未山丑向
右図・・・9運坤山艮向・8運申山寅向
※坤山艮向と申山寅向の飛星図は同じです。
未山丑向は、360度区分のうち22.5度から37.5度までの方位です。
宅向の北東方位には向星6が来ています。九運における最吉星である山星、向星の9がともに建物後方に位置する「双星倒山」チャートに該当します。
・・・≪双星倒山とは≫
坤山艮向は37.5度から52.5度までの方位です。
宅向の北東方位には向星9が来ており、九運における最吉星である山星、向星の9がともに建物前方に位置する「双星会向」チャートに該当します。
・・・≪双星会向とは≫
申山寅向は52.5度から67.5度までの方位で内容は坤山艮向と同じです。
第9運の東向き3方位の飛星図
左図・・・9運庚山甲向
右図・・・9運酉山卯向・9運辛山乙向
※酉山卯向と辛山乙向の飛星図は同じです。
庚山甲向は、360度区分のうち67.5度から82.5度までの方位です。宅向の東方位には向星5が来ています。
九運における最吉星である山星、向星の9がともに建物後方に位置する「双星倒山」チャートに該当します。
・・・≪双星倒山とは≫
酉山卯向は82.5度から97.5度までの方位です。宅向の北方位には向星9が来ています。
宅向の東方位には向星9が来ており、九運における最吉星である山星、向星の9がともに建物前方に位置する「双星会向」チャートに該当します。
・・・≪双星会向とは≫
辛山乙向は97.5度から112.5度までの方位で内容は酉山卯向と同じです。
第9運の南東向き3方位の飛星図
左図・・・9運戌山辰向
右図・・・9運乾山巽向・9運亥山巳向
※乾山巽向と亥山巳向の飛星図は同じです。
戌山辰向は、360度区分のうち112.5度から127.5度までの方位です。宅向の南東方位には向星9が来ており、九運における最吉星である山星、向星の9がともに建物前方に位置する「双星会向」チャートに該当します。
また、2044年2月から最吉星となる山星1が中宮に入っており、第1運における「入囚」にも注意が必要な物件となるかもしれません。
乾山巽向は127.5度から142.5度までの方位です。宅向の南東方位には向星7が来ています。
九運における最吉星である山星、向星の9がともに建物後方に位置する「双星倒山」チャートに該当します。2044年2月4日から最吉星となる山星1が中宮に入っており、第1運における「入囚」にも注意が必要な物件となるかもしれません。
また、9つのすべての宮において、人間関係運を司る左上の数字、山星と下側の運星を足すと10になることから、「山星の満盤合十」と呼ばれる人間関係運に強いチャートとされます。
・・・≪双星倒山とは≫・・・≪入囚とは≫・・・≪満盤合十とは≫
亥山巳向は142.5度から157.5度までの方位で内容は乾山巽向と同じです。
第9運の南向き3方位の飛星図
左図・・・9運壬山丙向
右図・・・9運子山午向・9運癸山丁向
※子山午向と癸山丁向の飛星図は同じです。
壬山丙向は、360度区分のうち157.5度から172.5度までの方位です。
宅向の南方位には向星9が来ており、九運における最吉星である山星、向星の9がともに建物前方に位置する「双星会向」チャートに該当します。また、中宮の山星に凶星とされる5が入っており「山星の伏吟」にも該当します。
子山午向は172.5度から187.5度までの方位です。
宅向の南方位には向星8が来ています。九運における最吉星である山星、向星の9がともに建物後方に位置する「双星倒山」チャートに該当します。また、中宮の山星に凶星とされる5が入っており「山星の反吟」にも該当します。
癸山丁向は187.5度から202.5度までの方位で内容は子山午向と同じです。
第9運の南西向き3方位の飛星図
左図・・・9運丑山未向
右図・・・9運艮山坤向・9運寅山申向
※艮山坤向と寅山申向の飛星図は同じです。
丑山未向は、360度区分のうち202.5度から217.5度までの方位です。
宅向の南西方位には向星9が来ており、九運における最吉星である山星、向星の9がともに建物前方に位置する「双星会向」チャートに該当します。
・・・≪双星会向とは≫
艮山坤向は217.5度から232.5度までの方位です。
宅向の南西方位には向星3が来ています。九運における最吉星である山星、向星の9がともに建物後方に位置する「双星倒山」チャートに該当します。
・・・≪双星倒山とは≫
寅山申向は232.5度から247.5度までの方位で内容は艮山坤向と同じです。
第9運の西向き3方位の飛星図
左図・・・9運甲山庚向
右図・・・9運卯山酉向・9運乙山辛向
※卯山酉向と乙山辛向の飛星図は同じです。
甲山庚向は、360度区分のうち247.5度から262.5度までの方位です。
宅向の西方位には向星9が来ており、九運における最吉星である山星、向星の9がともに建物前方に位置する「双星会向」チャートに該当します。
・・・≪双星会向とは≫
卯山酉向は262.5度から277.5度までの方位です。
宅向の西方位には向星4が来ています。また九運における最吉星である山星、向星の9がともに建物後方に位置する「双星倒山」チャートに該当します。
・・・≪双星倒山とは≫
乙山辛向は277.5度から292.5度までの方位で内容は卯山酉向と同じです。
第9運の北西向き3方位の飛星図
左図・・・9運辰山戌向
右図・・・9運巽山乾向・9運巳山亥向
※巽山乾向と巳山亥向の飛星図は同じです。
辰山戌向は、360度区分のうち292.5度から307.5度までの方位です。
宅向の北西方位には向星2が来ています。九運における最吉星である山星、向星の9がともに建物後方に位置する「双星倒山」チャートに該当します。
また2044年2月4日から最吉星となる向星1が中宮に入っており、第1運における「入囚」にも注意が必要な物件となるかもしれません。
巽山乾向は307.5度から322.5度までの方位です。宅向の北西方位には向星9が来ており、九運における最吉星である山星、向星の9がともに建物前方に位置する「双星会向」チャートに該当します。
2044年2月から最吉星となる向星1が中宮に入っており、第1運における「入囚」にも注意が必要な物件となるかもしれません。
また、9つのすべての宮において、財運を司る右上の数字、向星と下側の運星を足すと10になることから、「向星の満盤合十」と呼ばれる財運に強いチャートとされます。
・・・≪双星会向とは≫・・・≪入囚とは≫・・・≪満盤合十とは≫
巳山亥向は322.5度から337.5度までの方位で内容は巽山乾向と同じです。
終わりに
ここまで見てきたものが玄空飛星派風水での第9運の建物の気の流れを量る飛星チャートとなります。
これから玄空飛星派風水を利用してご自宅や店舗などを建てようとする方はこれらの飛星チャートを検討してみてくださいね。
ただし、この二十四坐山については、はじめに述べたとおりこの24区分の方位の境界付近に位置する場合に考慮すべき替星チャートというものが存在するため、厳密にはこの二十四坐山が9運のすべてのチャートではありませんので注意していただけたら。
それではこの記事はここまでです、ここまで読んでいただきありがとうございました。
このチャートに挙げた例のうち、特殊なチャートとされるものが複数個存在していますが、それらの例は「フライングスター風水の特殊チャート、【格局】」の記事にまとめました。
玄空飛星派風水を利用して住宅を新築したいという方は「9運における住宅新築のヒント」の記事も参照いただけたらと思います。
また記事の冒頭にも書きましたが、玄空飛星派において最も重要なのは建物の坐向を判断する一点に尽きます。坐向判断の注意点については「玄空飛星派の注意点」の記事に、玄空飛星派の理論のあらましについては「玄空飛星派風水のあらまし」の記事にまとめました。
毎年変わるとされるその年その年の吉祥の方位について記した年飛星の記事、第九運20年間の予測記事などもあわせて読んでいただけたら嬉しく思います。
その他第8運、第7運のチャートについても別の記事で紹介していますので参考にされる方はそちらもご覧くださいね。
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