玄空飛星派風水(フライングスター風水)の特徴は「時間の流れとともに移り変わる運気が理論の枠組みに入っていること」だとこれまでの記事で書いてきました。
この玄空飛星派風水においては物件がもつ独自の運気の流れのほかに「毎年移り変わるその年ごとの運気の流れ」というものがあります。この記事ではそのことについて書いていこうと思います。
この記事はフライングスター風水(玄空飛星派風水)の基礎理論について知識がある方向けの記事になっています。そうした知識がない方は「フライングスター風水(玄空飛星派風水)のあらましについて」の記事をご覧くださいね。
≪2024年版≫フライングスター風水(玄空飛星派)の年飛星
さきほど書いたように玄空飛星派には、「宅内を流れる運気のうちには、毎年変わる気の流れ」があると説きます。
これを年飛星と呼ぶのですが、この年飛星については建物がどの年代に建てられていても、どの方位を向いていても、すべて同じ運気を持つとされてます。つまり、その家ごとの独自の運気のほかに、その時期に応じて流れる別の気の流れがあるということ。
※玄空飛星派においては、その建物が持つ気の流れを「建物の建築時期」と「建物の方位区分」によって判断します。ですので同じ通りに面した二軒の家があってもその建築時期によっては宅内を流れる運気は異なるものだとするものが原則ですよ。
この年飛星、本来はその建物が独自に持っている宅内の気の流れとあわせて解釈を行うものですが、建物独自の気の流れが不明であっても皆が同じように使えるのがこの年飛星だということになります。
なお、正確に言えばこの年飛星、じつは他に月飛星と日飛星、また2時間区分の時飛星までの概念が存在します。
ですが毎月部屋の中身を建物のもともと持つ山星向星とその年ごとの飛星と月々の飛星を組み合わせて検討し、部屋の配置や悪い方位への対処(化殺)を行うことは非常に難しい。ましてや日や時なんて現実的じゃないです。
また、もう少し言うならばもともとの山星向星がもっとも影響力が大きい中で次に大きな影響力を持つものは年飛星です。そうした中では月飛星の影響で化殺を変更することは小さな影響力のために大きな影響を無視した危険な化殺となってしまう可能性すらあるのではないかと考えています。
ですので基本的にはその建物がもともと持つ山星向星とこの年飛星までを考えておけば十分なのではないかなあと個人的には考えています。
また、注意すべき点として毎年の運気は風水においては旧暦においてその切り替えがなされるとされています。第8運や第9運といった20年ごとの元運の切り替えと同じように、毎年の立春の日をもって運気が切り替わるというわけです。
ですので2024年の年飛星が作用するのは2024年2月4日から2025年2月3日までの間となりますのでご注意くださいね。
- 年飛星は建物おのおのが持つ運気のほかにその時期に応じて流れる別の気の流れ
- 年飛星建物の建築時期や方位に関わらず一律
- 年飛星の切り替え時期は毎年の立春
- 本来は建物の向星山星を特定させたうえで使用するものだが、年飛星単独の使用も可能
- 年飛星のほか月飛星や日飛星なども存在するがわたしは考慮してません
玄空飛星派(フライングスター)風水2024年の年飛星
そして上の図が2024年の年飛星になります。
図は北が下側ですよ。
年飛星については山星、向星といった区別はなく、その建物内の部屋などの使用用途に応じて上の図の数字が(その部屋ごとの本来の山星や向星とともに)作用するとされ、この木の流れは自宅(マンションなどの場合は自分の居住スペース)の中心から放射状に8方位に向かって屋内を流れているとされます。
「玄空飛星派風水のあらましについて」の記事であげた数字の意味の表をもう一度あげます。
数 | 五行 | 吉凶 | 主な意味 |
1 | 水 | 小吉 | 学問での成功・子孫繁栄 |
2 | 土 | 大凶 | 病・吝嗇(けち)※ |
3 | 木 | 凶 | 事故・盗難 |
4 | 木 | 凶 | 不貞・狂気 |
5 | 土 | 大凶 | 突発的な災い・破滅 |
6 | 金 | 凶 | 法的トラブル・事故 |
7 | 金 | 凶 | スキャンダル・破壊 |
8 | 土 | 凶 | 停滞 |
9 | 火 | 中吉 | 成功・結婚 |
つまり、2024年の年飛星については「成功・結婚」などの意味を持つ大吉の9が南西に、「学問的成功・子孫繁栄」などを意味する中吉の1が東に飛星しているということです。
2の扱いについては諸説ありますがもとが大凶の星ですから九運に入ってすぐに好ましい星として作用するとは考えずに扱う方が無難であると私は考えています。
そのため念のために「病・吝嗇(けち)」を意味する2が飛星する南東と、「突発的な災い・破滅」を意味する最凶星5の西方位については注意が必要です。
それらがさほど使用していない方位(お風呂、トイレや物置など)であれば良いですが、玄関や寝室、リビングなどといったエリアに来ている場合は化殺を検討することをお勧めします。
これらの数字はもともとの建物内部に流れる気と組み合わさって作用するわけですが、良い数字はまだ良いですが、たとえばもともと病の星である2がある方位が北西で年飛星5が巡った場合、「突発的な不幸・死」などを意味する「2・5」の組み合わせが出来上がってしまうということです。
吉星が巡る方位についてももともとの山向星の影響がもちろん大きいために、星の組み合わせによっては吉効果よりも凶効果の方が強く出るケースなども存在します。
ですので吉星が巡るから今年の吉方位!という単純な扱いはできず、やはり自宅のチャートをきちんと図ったうえで年飛星を使用するというのが正しいと思います。
ですので年飛星を考慮するのであればまず大凶の2・5の力を逃すような対策をすることが大事だというのがわたし自身の考えです。悪いもの、凶を避けることで吉に赴くというやつですよ。
2と5の化殺については下に記しておきます。
またもう一点、「線路沿いの家は不幸を呼びこむ悪い風水?」の記事でも書きましたが風水においては毎年、工事などの大地を震動させる動土(どうど)を忌む方位があり、この五黄の西もその一つになります。
つまり、2024年は自宅からみて西方位の五黄方位の工事等は危険を伴うものになる可能性があるということですのでご注意ください。
- 2024年の良い方位は南西(9)と東(1)
- 2024年に注意すべき方位は西(5)と南東(2)
- 五黄、二黒はともに土の属性を持つものなので悪い気を減じるためには金か水を使う
- 2については諸説あるが化殺した方が無難です
- 2024年五黄の方位である西は工事などの動土(どうど)の注意も必要です
建物が独自に持つ山向星と年飛星の関係について
さて、鑑定士によってはこの年飛星について、「2024年は最大吉(旺気)の9は南西に、1は東に飛ぶからそれらの方位を活用して!」とまとめている方も見えますが・・・ほんとうにそうでしょうか?
これらの年飛星についてはたしかにすべての家に等しく飛星するとされているもので、2024年において好ましい年飛星が南西と東に飛んでいることは事実です。
ただ、もともとの宅が持つ運気がそれらの方位にどのように飛んでいるのかによってその捉え方は異なってくることはお伝えしたく思います。
例を挙げれば、例えば中吉(進気)の年飛星9が配置される北方位に玄関があったとして、その玄関がもともと持っている向星がたとえば9であった場合、これまでの年を超える素晴らしい結果が訪れるのではないかと考えることはできます。
ですが、仮にその玄関がもともと持つ運気が仮に向星5であったとした場合、5は土を表すもので9は火を表すもの。五行の理論において火は燃えて炭となり、土を生み出すものです。
つまり好ましいはずの年飛星9が飛星することによって逆に悪い結果を招く可能性も存在するということです。ですから結局はもともとのチャートがどのようになっているかを確認しないことには活用の有無については申すことができません。
また、他にも玄空飛星派風水における数字の組み合わせを説く「騎士鵬挨星訣」においては、「山星向星が特定の組み合わせにあるときにある年飛星がその方位に飛星する際に注意が必要」とするものがあり、その場合にはたとえば「道理に背く行い」であったり、宅の長男への不幸であったり、また癌であったり・・・そのような年飛星が特定の山向星の組み合わせの方位に巡るとき独自の象意が存在します。
ですのでこれらの年飛星の概念はあくまでもともとのフライングスター風水における鑑定を受けて自らの宅が持つ運気がどのようなものかを把握した後にしか利用するのは怖いことではないかと私は考えていますよ。
年飛星2と5への対処(化殺(かさつ))
風水において悪い方位の気を弱めるための対処を「化殺(かさつ)」、あるいはレメディと言います。
年飛星においては毎年方位が変わるものですから毎年部屋の模様替えで家具やソファなどの色や材質を替えているわけにもいきません。や、お金がある方はそれでもいいのかもしれませんが。
先に言ったようにもともとの宅の運気を測ったうえでしか原則化殺は検討しづらい点はありますが、これら2と5に関してはもともとの宅の山向星を考慮しても化殺は行った方が良いことはが多いと考えています。
ですので玄空飛星派を使ってインテリアを考えた場合でも、たとえば毎年の2と5の方位に置くような、移動ができるものがあればいいよなあなんて思うわけです。
まず第一選択としてお金を使わずに自宅にあるもの。特別なグッズを使用せずとも五行思想に則って「金」か「水」のアイテムを使用すればよいわけです。
まず金について考えると・・・たとえば鉄アレイや砲丸です笑 鉄アレイはや砲丸は金属そのものであって色も銀色などの金の五行に属するものが多く、かつ重量があるため、効果が期待できるじつは風水を行う中でメジャーな化殺アイテムの一つです。
ちなみに自分はエレキギターとかも置いてますよ笑
鉄アレイも砲丸も置きたくないよ!って方は自宅でなるだけ重量がある金属製のもので置き場所を移動することが苦にならないものがないか考えてみてくださいね。
ただし、これらの化殺アイテムは目に見える必要はありませんがその方位の空気に触れていた方が好ましいとされていますので部屋の片隅に置くとしても空気に触れるように設置頂ければと思います.
次に水です。
水については「安忍水(あんにんすい)」というものがあります。金魚鉢なんかの丸形の水をためる容器に塩を水を入れたもの(本格的なものは古銭を使用したりもしますが十円玉6枚とかでも問題ないと思います)で、これらは形状や塩、6枚の古銭などが水を強化する役割を果たすものです。
水は腐らせないように注意して交換してくださいね。
なお、記事の一番最後にもリンクを貼っておきましたので化殺についての詳しくは「化殺について」の記事をご覧くださいね。
参考・風水アイテムによる2と5への化殺(かさつ)
また、参考までにこの場合の風水における特別なグッズとしてよく使用されるのは「六帝古銭」や「六管風鈴」といったものです。どちらもアマゾンで1000円~2000円程度で購入可能です。ここで一つずつ例を紹介しておきますが、デザインなどで自分の気に入ったものでよいと思います。わたしの紹介するものだけが本物だ!なんてことはもちろんありませんよ。
2に対する化殺アイテムの筆頭は六帝古銭はお手頃価格です。1000円しません。風水風水しすぎてるのでちょっと、、、という方もいるかもしれませんが、わたしは六帝古銭はクローゼットの中、キッチンシンクの奥などの目に見えないところに置いてますよ。
また、5に対する化殺アイテムの筆頭である六管風鈴(ウインドチャイム)ならもう少しデザインの選択肢もあるかと思います。高いものはわりと値が張りますが安いものならこれも1,000円以下で買えますよ。
ただし「6」は金を意味する数字です。ですので六帝古銭や六管風鈴と言いながら5枚のコインでや5本の管のものは買わないようにしてくださいね。
参考2・五黄殺・暗剣殺等の引っ越し、旅行の通年の凶方位は中国風水には無関係
ちなみに・・・日本の九星気学においては毎年の年盤において一年間通じて吉方位への旅行、引っ越しを薦めたり、五黄殺や暗剣殺といった凶方位への旅行、引っ越しを忌むという考えがありますが、それはあくまで九星気学の考え方です。
中国伝統風水の思想の中に「この一年はこの方位に旅行、引っ越しをしてはいけない」という方位は存在しません。
もう少し詳しく言うのであれば中国風水の中にも奇門遁甲という吉方位取りは存在しますが、そこで使用するのは2時間ごとに方位の吉凶が入れ替わる時盤や一日ごとの日盤までです。
個人の行動や方位どりというレベルの問題で年盤を使用することはなく、年盤を使用するのは国家単位の選択などのレベルの話です。
ですから今年五黄が西に巡るからと言って西への引っ越しがダメだというように風水では決して考えません。命卦ごとの月盤による凶方位なども同様ですよ。
仮に「八方位のうち仮に二方位が今年引っ越してはいけない方位」だったと仮定した場合、今年であれば東西が該当しますが名古屋や大阪といった都市から東京方面に引っ越した方や逆に東京からそれら西方位に引っ越した方の全員が該当すると思いますが・・・
進学、転勤といった事情でこれらの方位に引っ越しをする方はあまりに分母が多く、その方々が不幸になっているというのはあまりにも大雑把ではないかと私は考えています。
もっといえば毎年八分の二の確率で引っ越しできない方位があるのなら全国あちこちに転勤して転勤歴10回を超えるような方々がすべてそれらの方位を偶然避ける確率は恐ろしく低いのではないかなあと・・・。
参考3・月飛星について
ちなみにこの玄空飛星派風水においては、年飛星のほかに月飛星、日飛星、時飛星という時間軸における飛星が存在します。
結論から言うとわたし自身は月飛星はさほど重視することはないものではありますがご参考までにわたし自身の月飛星に対する考えは以下の記事にまとめておきましたので気になる方は見て頂けたらと思いますよ。
おわりに
ここに記したものが玄空飛星派における年飛星の扱いについてです。
さて、風水における引っ越しの問題については「フライングスター風水で引っ越し物件を探すヒント」の記事にまとめましたので興味のある方は見て頂けると幸いです。
それではこの記事はここまでです。ここまで読んでいただきありがとうございました。
今年一年が、あなたにとって好ましい一年となりますように。
そして被災地のすべての方々が少しでも早く安心して生活を送ることができる日々が訪れますようお祈り申し上げます。
また、ここで紹介している内容は玄空飛星の理論を基にしたものですがその理論の概要については「玄空飛星派風水のあらましについて」の記事や鑑定例の記事に書いています。
また、ここに書いた化殺については「玄空飛星派風水の化殺について」の記事に、「陰陽五行思想」の記事で五行思想における五行のそれぞれが象徴するものや、五行における生み出す流れと剋す流れ(相生相剋)について説明しています。
2024年から始まる第九運期がどのような20年になるかについての風水業界の予測についての記事や、中国占術における2024年の日選びの大凶日「月破大耗」カレンダーの記事なども書いてたりします。
あと、月飛星についても記事を追加しました。結論は「わたし自身は月飛星は気にしてない!」なのですが私自身の月飛星に対する考えをしたためておいたので気になる方は読んでいただけたらと思いますよ。
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