風水の良い住宅を建てたい。
風水を気にする方ならば誰もが思うことだと思います。
この記事では2024年2月から入った第九運の時代において住宅を新築する際にどのように考えるべきなのかの概論とわたしの考え方を記しておきます。
※ここに書くのはあくまでも私個人の考え方であり、すべての方が同じ見解ではありませんのでご注意くださいね。
この記事については9運における物件のごく基本的な事柄を紹介するもので、各飛星チャートと間取りの適合例などを記したものではありません。新築においては検討事項がとても多いので、いくつかの記事を書かせて頂くかもしれませんが・・・?
なお、この記事は玄空飛星派風水(フライングスター風水)の理論をある程度知った方向けの記事ですので、その理論や9運のチャートについては以下の記事をいまいちど確認いただけたらと思います。
まず凶を避ける土地選びが大切
風水というものを考える際に住宅の周辺環境の建物や山川、住宅の色、住宅の形といった目に見えるものを巒頭(らんとう)、目に見えない気の流れを理気(りき)と呼ぶことはいくつかの記事で記してきました。
この目に見える巒頭と理気の関係性については、理気を重んじる派においても巒頭の善し悪しは理気と同等以上の影響力を持つものだとされています。
そのため、たとえどんなに玄空飛星派風水などの良い気の流れを持つ物件を造ったとしても、周辺の巒頭が悪ければその住宅が良い住宅になることはないと中国風水では考えます。
このサイトでもT字路等の道路突き当りの路冲殺、線路沿いの火車殺、三角地、また断裂された山脈付近の斬龍・・・など、土地としては20個、マンション、家などの10個、建物内部などの間取りとして10個、合計40個程度こうした形殺とされるものをご紹介しています。
まずはそうしたわかりやすい凶環境を避けること。
何も考えずに選んだ土地がとても好ましい土地だという方ももちろんいますが、そうした方は「運がよかった」のだと思います。知識として仕入れてそれらを避けることができるならそのほうが確実な話ですから。
そうした知識を得る方法も諸々ありますが、わかりやすいのは信頼のおける著者の先生方が書いた書籍などの情報を基にするのがもっとも確実だとは思います。(自分のサイトだけが特別だなんて言うつもりはもちろんありませんし、有象無象のサイトでは明らかに間違った情報も数多くあるものですので。。)
またそれらに該当してしまった場合にはある程度の対応が可能なケースもあればそうした対応策がないケースもしばしば。
だからこそご自宅を建てるための土地を選ぶ際にはこうした凶となる土地等をさけることはとても大切なことです。
形殺にもさまざまなものがありますが、中でも大凶の形殺に該当するような物件は化殺で対処ができるものではなく、ましてパワーストーンやお札や八卦鏡、そうした不思議なアイテムで対処ができるものだとは私は考えていません。
悪い土地を避けることは自分だけでなくてそこで暮らす家族の人生にも影響があることだと風水では考えるものです。だからこそまず「大凶の土地を避ける」という観点を持っていただけたら幸いに思います。
第9運に吉とされる土地≪南に山、北に水≫
吉地の考え方は風水においてさまざまな考え方があり、ひとつには上にあげた悪い土地を避けることがあります。
そしてどのような土地が第九運において好ましいのかを考える上で、三元派の水法のひとつに「八宮水法(はちぐうすいほう)」というものがあります。
これは三元九運の時間軸に沿って周辺環境がどのような影響を持ちうるかにかかる研究です。
この八宮水法のロジックの中で、第九運、つまり2024年から2043年までの20年間において好ましい土地は「南に山があり、北に海や湖などの水がある」土地だとされています。
この八宮水法におけるロジックは様々な応用が可能なものですが、ご自身の住みたい地域がこの状況に当てはまっているならばラッキーだと思っていただければ。
ただしこの件についても様々な考え方があるもので、八宮水法の得意な範囲だとかもっとさまざまな見方、判断方法はあるのですがここではいったん省かせて頂きます。
土地選びは宅外の理気と宅外の理気の両方を左右する
凶となる土地、あるいは凶の度合いの大きい土地を避けることができたら、次はその土地で建設できる住宅の向きについて検討する必要があります。
この土地選びはほんとうに新築を考える上でほんとうに重要な要素であり、なんなら土地選びは新築住宅を建てるための要素の半分を占めるといっても良いものです。
山や川といったその土地周辺環境に応じて、玄空飛星派風水以上に効果の高いとされる技法の使用が可能かどうかなどの選択肢の有無が決定されます。玄空飛星派風水だけが風水のすべてではありません。
また一定以上の広さの土地であれば住宅の向きはある程度自由に選ぶことができますが、一般的な住宅を建てる際にはそうもいかず、現実としては土地が決まった時点である程度その土地に建てることのできる住宅の向きは決まってくるものです。
このサイトでは「住宅内部の理気」を測る技法として(沈氏)玄空飛星派風水と八宅派風水の理論について記していますが、風水において理気を測るための技法はこれら宅内に向けたものだけではなく、宅外の環境に応じて宅外の理気を測るための技法が存在します。
この宅外の理気を測るための技法の例としては「水法(すいほう)」と呼ばれる技法が該当し、この水法において宅外の道路環境や周辺物件との自物件との方位の適合、また宅外の川や池、あるいは側溝や浄化槽といった各種の環境の善し悪しを判断するものです。
先に挙げた八宮水法はこの水法の一つです。
また、この水法においてもその基準は玄空飛星派風水と同じく物件の持つ向き等によって吉凶方位は変わり、水法そのものの種類も八宮水法、龍門八局水法、些子水法、十二長生水法、九星水法、三元通天照水経などと多岐に渡り、その判断用途、あるいは判断対象などがそれぞれに異なります。(厳密には水法だけが宅外の理気をみるための技法ではありませんが)
※ただし、私自身もこれらすべての技法に習熟しているわけではなく、また知識のあるすべての水法を使用して一筆の土地、一軒の住宅をみることはしておりません。そこには物件の状況に応じた優先順位や使用の可否がありますので。
この水法の中にもたとえば土地20選の記事に挙げた「悲惨な死」、「末期がん」などを意味する「四金殺」のような周辺環境との兼ね合いから発する凶(四金殺についてはこの記事でも後述します)があり、その他にも「子宝に恵まれず子孫が絶える」「悪い恋愛につかまりやすい」などを意味するような悪いものが存在しており、そうした土地に該当した場合には残念ながら改善策がないケースも多数存在します。
あるいは風水における財運アップの技法として名高い「五鬼運財法(ごきうんざいほう)」についても使用できる方位が周辺環境と宅の向きにより確定されるものです。
つまり、土地選びで住宅の向きがある程度制限されてしまうことは宅内の理気の良い方位だけでなく宅外の環境における理気の善し悪しも、つまり風水の理気のすべてを制限することに繋がるため、住宅新築に風水を利用する場合には土地選びから行った方が望ましいわけです。
ただし水法などの諸技法はは多くの流派で秘匿に近い扱いとされるもので、このサイトで水法などの技法概要を記す予定はありませんので記事ではこれまでに記している玄空飛星派風水の理論面におけるヒントについて記します。
張り・欠け/建物形状について
風水が教える住んではいけない間取り10選の記事の中で、L字やコの字型の住宅、また建物の角が(空から見て)階段状になっているようないびつな形をした住宅などは好ましくないとされている旨を書きました。
また、こうした建物形状について、家相学(≒九星気学)などの分野においては「張り、欠け」というものを重視する傾向があります。
ですが中国風水においてはこれらの張り欠けといったものを過度に重視する必要はないとわたしは考えています。
大きくL字やコの字型の物件は好ましくないが、若干物件が正方形から凹みがあったり凸がある程度であればそこまで忌むことはないと考えて良いものだろうということです。
また、長方形においても極端に細長い形状は好ましくありませんが、一般的に見て違和感がない程度の長方形ならさほど気にするものではなく、むしろ好ましいとも言われるものですよ。
望む坐向を取れるのか?
ではここから具体的に玄空飛星派風水の検討に入っていきますが、この技法において、偏角を正確に取って物件の方位を正確に測定できることと建物の周辺環境との兼ね合いの中から望んだ坐向を取ることが最低条件です。
じつは鑑定依頼をちょうだいするケースの中には「独学で玄空飛星派風水を学んで玄空飛星派風水を取り入れて自宅を建築したつもりが、住んでみたら様子がおかしく、実体として坐向を取り損なっていた」という例は後を絶ちません。
多くのパターンとしては、偏角をうまく取れておらず、方位角の調整を誤っていたケースと、玄関方位に坐向を向けたつもりがウッドデッキのある面に坐向が取れてしまっていたケースなどでしょうか。
このサイトでは再々書いていますが、「玄関のある方位が常に坐向である」という決めつけは、玄空飛星派風水の初学者の方が最も陥りやすい誤りです。
坐向の判断がそんなにシンプルなものであったとするなら、そこに様々な流派の観法の違いが生まれる理由はありません。玄関が一つしかない住宅をその観法で見たとしたらどんな素人でも判断を誤ることはないものですから。
また、もろもろ相談をお受けする中で、風水を学んでいる方でも地図上の北方位と磁石で測った北方位の誤差である「偏角(へんかく)」について誤解をしている方が多いと感じます。偏角を正確に理解できていないのであればご自身での判断は怖いもので。。
東(乙)向きの物件を建てたはずが方位を誤っていて南東(辰)向きの物件が建っていた、あるいは西(酉)向きの家を建てたつもりが住んでみたら南(午)向きの家としての意味が出てくる家だった、ということが往々にあるように感じます。
また、坐向の判断については全く同じ間取りであっても周辺環境によって坐向は変わるもので、あくまでその土地ごとの判断が必要になるものです。
坐向に関係する要素としては、以下のようなものが書籍で紹介されている旨を「玄空飛星派風水のあらまし」の記事に書いたとおりです。
- 建物の主玄関
- 建物に面するオープンスペース
- 大きな窓などの採光の最も多い面
- 最も印象的な眺望の方位
- 宅内で最も社交的、活動的な面
- 接道状況
- 門の方位と玄関へのアクセス
つまり確実に坐向きを望んだ方位にとれる間取りというものは、これらの要素がすべて同一方向に固まった家だという事ですが、実際に間取りを検討してみると、それは非常に縛りがきついため実際には住みづらい家となってしまうこともしばしば。
だから、専門家に頼らずに自力で風水を取り入れて新築を検討されている方はできるだけたくさんの流派の書籍を読むなどして本気で学んでいただけたらと思います。どうか偏った考えで間違った坐向の家を建てて後悔することのないように。
9運に旺山旺向(おうざんおうこう)のチャートは存在しない
9運のチャートはすべて双星会向か双星会坐(ダブル99)
つぎは「旺山旺向(おうざんおうこう)」についてです。
この旺山旺向とは、住宅の前方にその元運における最大吉の向星が飛星し、その元運の最大吉の山星が住宅の後方に位置することを言います。
上は8運の乾山巽向のチャート(と亥山巳向)ですが、建物前方の南東に8運の最大吉の向星8が飛星し、建物後方である北西に8運の最大吉の山星8が飛星しており、これが旺山旺向と呼ばれる種類のチャートに該当します。
こうしたチャートにおいては住宅の前方に好ましい玄関を配置して、住宅の後方に好ましい寝室を取りやすいもので、しばしば玄空飛星派における吉祥のチャートだと紹介されることがあります。
そして「9運の飛星チャート一覧」の記事にも書いたとおり9運におけるチャートはすべて山星向星の最大吉星である9が同じ方位に飛星している、つまり「双星会向」「双星会坐」のいずれかであることが挙げられます。
上図は9運の卯山酉向(西向き)のチャートです。建物前方である西方位に99が飛星しています。
そのため第9運に旺山旺向(おうざんおうこう)のチャートは存在しません。
・・・なのですが、玄空飛星派風水の理論は「旺山旺向だから好ましい!」という単純なものではありません。
旺山旺向(おうざんおうこう)神話の誤解
この旺山旺向チャートは吉祥の例として挙げられがちなものではありますが、きちんと理論を追っていくと旺山旺向チャートだから好ましい!とする言説は意外と脆いものだということがわかります。
以下に理由を記します。
①旺山旺向チャートと言えど、周辺環境と間取りに適合していなければ意味がない
②旺山旺向は「使いやすい」チャートを示すもの
③その元運の旺山旺向チャートが使いやすい期間は最大でも20年間だけ
結論:旺山旺向だから吉格の家、上山下水だから凶格の家!は誤りです
①まずはじめに、旺山旺向チャートに限らず玄空飛星派風水においては、建物内部の理気は建物周辺の外部環境からの影響を受けるものとされており、その土地と環境が旺山旺向チャートに即した環境でないとその力を最大限に発揮することはできないとされています。
つまり、土地が整った環境でないのに旺山旺向のチャートだけで好ましいという判断はできません。
②次に、玄空飛星派の理論ではチャートの種類そのものよりも「良い向星の方位に玄関などの活動的なエリアが配置され、良い山星の方位に寝室などの安静のためのエリアが取れている」ことが最善とされるものです。
つまり旺山旺向チャートが好ましい理由は、「良い玄関を建物前方に、良い寝室を建物後方に配置しやすい」というのが最たる理由になるわけです。
上は7運の巽山乾向(と巳山亥向)のチャートです。
7運の最大吉の山星7が建物前方の南東に、7運の最大吉の向星7が建物後方の北西に飛星しており、こうしたチャートは「上山下水(じょうざんかすい)」と呼ばれます。
比較的好ましくないと紹介されがちな上山下水チャートであっても、建物の周辺環境と間取りが適合していれば旺山旺向の良物件を超える最強クラスの物件を造ることは可能です。
また、このチャートは7運の時代には好ましい星がなかなか使いづらいものですが、9運に入った今となってみてみると最大吉の向星9が建物正面に位置しており、かつ山星9もそれなりに使いやすい位置にいることが見て取れると思います。
③そして最後に大切なこととして、旺山旺向という概念は「その元運における最大吉の向星と山星が建物の前方後方にそれぞれ配置されていること」だと書きました。
つまり、2022年、2023年といった8運の終わりの時期に8運の旺山旺向の住宅を造ってしまった方は2024年2月の9運突入以降は使いづらい風水の家になってしまっている例が多いということ。
たとえば先に挙げた8運の乾山巽向のチャートが旺山旺向だから吉!と玄関に向星8を、主寝室に山星8を配した住宅は、九運に入った2024年現在においては、8が凶星に変化しているために化殺の必要な使いづらい家だということです。
あるいは先の7運巽山乾向のように、その時代が終わったあとに吉効果が強まってくる物件というものも存在するもので。
要はその時代と周辺の環境と適合させて吉星の山星向星を間取りにどのように配置するか、それこそが玄空飛星派風水理論を使って良い住宅を考えるための最も大事な要素というわけです。
ただし実際には凶を発する玄関となった場合に改築を行う、寝室を移動させる、あるいは十分な化殺を行うことなどでこれらの凶を避ける、あるいは減るための方策がないわけでないことは覚えておいていただけたら。
色々書きましたが、ここに挙げた理由を見て頂ければわかるとおり、旺山旺向の家だから好ましい!あるいは上山下水だから凶なんだ!という話も誤解されやすいものだと感じます。
過ぎ去った元運の旺山旺向は往々にして風水の悪い家ですよ。
ですから、旺山旺向が無いということは「物件の間取りを造りづらい、あるいは良い間取りを作る作業がテクニカルとなる」という難点はあるにしても、それだけで「良い物件を建築できない」と悲観する理由にはなりません。
可能なら避けた方が好ましい/注意すべき第9運の坐向
ここからは、わたし個人が9運において避けた方がよい、あるいは注意してチャートを選択すべきだと考えている坐向(チャート)について簡単に記しておきます。
丑・辰・未・戌方位(四金殺の検証が必要)
第九運のチャートについては「第9運のチャート一覧」の記事に記してあるところですが、この中でまず避けるべきは住宅の向きが「丑・辰・未・戌」の四方位です。
これらの4方位は中国風水きっての大凶のひとつ、四金殺(「悲惨な死、末期がん、投獄」などのとてつもない意味を持ちます)に該当する可能性のある宅向であるため、これらの物件は周辺環境によっては四金殺に該当します。なお、四金殺は九運に限ったものではありません。
図は北を下側に書いたものですので、北東3方位のうち北寄りの15度区分、南東3方位のうち東寄り15度区分、南西3方位のうち南寄り15度区分、北西3方位のうち西寄りの15度区分ということです。
具体的には、磁石で測った北の中心位置(偏角を考慮した「磁北」ということです)の子の中心を0度とした場合に、これら4方位は以下の区分に該当します。
方位 | 角度 | 8方位区分参考 |
丑(うし) | 22.5度~37.5度 | 北東 |
辰(たつ) | 112.5度~127.5度 | 南東 |
未(ひつじ) | 202.5度~217.5度 | 南西 |
戌(いぬ) | 292.5度~307.5度 | 北西 |
実際にはこれらのチャートの一部は間取りを検討しやすいものも中にはあるのですが・・・
これらのチャートを検討するならば、水法の知識がある専門家に「四金殺に該当しない」と太鼓判を押してもらえない限り選択は避けるべきだとわたしは考えています。
なおもう一つ大切なことですが、日本語の市販書籍で四金殺のすべてを知ることはできません。
四金殺には大きく分けて3パターンのものがあると考えていますが、そのうちの2つは水法の知識がなければ判別は非常に困難であり、またそのうちの1つには対処法が存在しない種類の四金殺が存在します。
ですからきちんと知識が無い方がこの4つの坐向を検討することは非常に恐ろしいなあと思いますし、新築相談でこれらの坐向などを鑑定士さんが薦めるならば四金殺について「ほんとうに該当していないのか」確認をお願いできたらなあとは思います・・・。
向の方位(物件前方)で向星の吉星が使えないチャート
飛星チャートの決定要因は建物の方位ということになりますが、都市部などに多い狭小土地では、土地が決まった時点で住宅の方位と玄関の設置可能方位がほとんど限定されてしまうものがあります。
そうした場合、その方位における飛星チャートの建物前方に向星の吉星が巡っていれば好ましいわけですが、建物の前面3方位の向星がすべて凶星となるチャートが存在します。
たとえばこのチャートは9運の南東セクション2(つまり南東ど真ん中です)の乾山巽向チャート(と亥山巳向チャート)ですがこのチャートにおいては吉星のほとんどが建物後方に会座してしまっており、建物前方の三方位に好ましい向星の配置がありません。
こうしたチャートが確定している状況では好ましい間取りを検討することはなかなかに困難で、妥協点を多く見出さないことには間取りを造ることができないという状況に至ってしまいます。
このようにチャートを諸々見比べていくと土地そのものが決まると玄関や寝室などの間取りの検討においてかなりの制限を受けてしまうことがわかります。
はじめにも書いたように「土地選びが重要」というのはこうした状況を避けるためだということです。
ただし、この問題に関しては単純に建物前方に向星が来ていないから使えないチャートだ!というほど単純なものではありません。
実際にこうした土地で新築を考えられているケースにおいては、物件の形状や玄関位置を定めるための諸々の技法によって4点ほど検討できる事項はあるものだと考えています。
ですのでこれらの向きにしか物件の建築ができない土地においても必ずしも打つ手がないわけではありません。ただしもちろんどういった対処が可能かは周辺土地の状況等によりますのでどこまで好ましい物件が建てられるかはあくまでもケースバイケースです。
南向き、北向き3方位(伏吟、反吟)
「9運のチャート一覧」に挙げたように、9運における南向き三方位(丙、午、丁)、北向き三方位(壬、子、癸)についてはすべてが伏吟もしくは反吟のチャートに該当します。
図は第9運の子山午向(つまり南向きってことです)の飛星チャートです。
この図においては、中央の「太極」に健康運を司る山星の大凶星5が配置されており、この状態は「停滞、意欲減退に伴ううつ病」といったものを意味する伏吟という状態に該当するものです。
9運のチャートにおいては、南向き三方位(丙、午、丁)と北向き三方位(壬、子、癸)のチャートのすべてがこの伏吟か反吟のいずれかに該当します。
そのため、南向き、北向きというものは他に選択肢があるのであれば避けたほうが良いのでは・・・とも考えるところですが、実際にはこの問題についても「周辺の環境による」というのが結論だと考えています。
そもそも論として伏吟、反吟のチャート全般を見渡すと、第7運においては東西向きのチャートの全てが、第八運においては北東、南西向きのチャートの全てが伏吟もしくは反吟に該当するチャートになるわけで、つまりはいずれの時代に建てた家も24方位区分のうち6方位が伏吟もしくは反吟に該当するものです。
その比率の大きさを考えても、伏吟、あるいは反吟だから絶対に避けるべきだ・・・とまでは私は考えておらず、これらの凶とされるものにおいても、周辺環境などとの兼ね合いから「この状況で反吟伏吟の物件を造るのは怖い」ものを選別してく必要があるのではないかと考えています。
この伏吟、反吟においては各流派、技法によってほんとうに様々な考え方があるもので、伏吟と反吟はその扱いもじつは異なるものです。
これらについては周辺の環境や諸々の理気の状況なども含めて比較的凶意が少なそうだ・・・と判断できるものであればこれらの向きについては検討に入れて良いのではないかというのがわたしの考えているところです。
他に好ましいチャートを適用できそうな選択肢があるのであればあえて選ぶ必要はないのかなとも思いますが・・・。
99(ダブル9)のチャートを最大限活かした間取りづくりに向けて
2024年から2044年までの9運期20年間、すべてのチャートにおいて、最大吉である山星と向星の9は同じ方位に飛星する「双星会向(そうせいかいこう)」「双星会坐(そうせいかいざ)」(英語圏ではダブル9と言うようです)のどちらかに該当すると書きました。
つまり9運期に玄空飛星派風水を利用して住宅を建設する際には、これらのチャートをどう使うかという問題を避けて通ることはできません。
これは第9運の卯山酉向(西向きということです)、乙山辛向の2つの向きのチャートですが物件前方である西側に山星向星双方の9が飛星しているのがわかります。
つまりこれらのチャートにおいてはうまくチャートを活かした間取りを造らないと向星9の良い玄関と山星9の良い寝室が二者択一になってしまうということです。
家族数が少ない場合にはそのように玄関向星を9にとって山星1の寝室を使う、そういったことも可能でしょう。
家族数が多ければ二階建てなどで寝室を二階に移すことは手の一つだろうとも思います。
ただしこれらの星の吉凶、影響は周辺環境のみならず命卦による影響もあることから、その住宅を建てる土地の状況や家族の状況に応じても各方位をどの用途に使用すべきかの検討事項は一軒ごとに異なるものだというのが正確な結論となるでしょう。
9運における2の使用法についての検討
飛星2。もともとは病などを意味するこの大凶星で、今後は治癒などを意味する小吉星へ変化を遂げていくものだと言われているものです。
この飛星については専門家の先生方によっても非常に見解がわかれるこの問題ですが、多くの先生方は「少なくとも現状吉とは言えない。今後数年~10年間程度の間は慎重に使用することが好ましい」という見方の先生方が多いのではないかとわたしは考えています。
そう考えたら、たとえば山星2という星は、小さなお子様がいる家庭ならば将来の子供部屋としてであったり、あるいは夫婦が定年を迎えた後の将来の寝室候補として流用のできるような間取りを建築しておくといった使い方が好ましいように思います。
この問題については今後数年間の中である程度回答は出てきそうな気がしていますが・・・?
3Dプリンタ住宅などの検討は?
ここまでいろいろと新築住宅に関して風水の観点から書いてきました。
ですが、「9運の予測」の記事にも書いたように、3Dプリンタによる住宅の新築というものがかなり具体性を帯びつつあるのが現代の住宅事情です。
もちろんこれはまだまだ新しい技術であって、日本に地震が多いことももちろんですし、今後日本における3Dプリンタ住宅にどのような問題が出てくるのかはわかりません。
ですがこうした技術がある程度普及して諸々の問題点を解消できるレベルに技術が蓄積されていくならば、従来の工法と比べておおよそ5分の1~10分の1程度の価格で住宅が建ってしまう時代が来るのではないか。私自身はそんなように感じています。
だから今住宅の新築を検討されている方は、「今建てるべきかどうか」の判断はそうしたことも踏まえて行っても良いのかもしれません。
30年ローンで3000万円の住宅を建てたらその5年後に友人が500万円で同規模の家を新築した、というのはなかなか辛いことではないかとも思いますので・・・。
あくまでも一般的なサラリーマンならばということでお金が潤沢にある方はその限りでもないかもですが笑
ただしこの3Dプリンタ住宅も今後諸々の問題点は出てきて当然だと考えていますし、あくまでも選択肢の一つであるとは思うところですが・・・それでもこうした選択肢があることだけは知っておいていただけたらとは思います。
ちなみに諸外国においては地震が多く建築基準法が厳しい日本よりもこれらの住宅の建築はさらに進んでいますよ。
おわりに
と、9運の住宅新築を考えるうえで基本的にはわたしは上記のようなことを考えています。
住宅の新築においては検討事項があまりにも多く、まずここに書いたのはあくまで触りの部分だけですが、風水を考えて家を建てるために、情報はどれだけでも多く持っておいていただいてよいとは考えています。
住宅を建てることはいうまでもなく人生最大の買い物であることが多いので、風水を使いたい方ならばそこで誤った風水の知識を基に悪い風水の家を建ててしまうことはどうか避けて頂くよう、よい家を建てて頂けますように。
それではこの記事はここまでです。ここまで読んでいただきありがとうございました。
ちなみに、この9運における住宅新築のトピックに関しては今後も記事を追加予定です。
次回記事は有料とさせて頂くかもしれませんが、わたしならどのように9運のチャートと間取りを適合させるかという記事を書こうと考えています。まだ少し先の記事となるかもしれませんが気になる方はチェックしていただけたら幸いに思います。
また、私に新築に関する相談などを検討いただける方については「鑑定、相談などのご依頼について」の固定記事に新築相談にかかる概要は記載しておりますので、不明な点はお問い合わせください。
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